市営聚楽保育所の存続を,請願についての討論,山本議員
2023.12.22
日本共産党市会議員団は、請願28号「市営聚楽保育所の存続について」の不採択に反対しておりますので、議員団を代表し討論します。
令和3年5月議会当時において、共産党、京都党、維新の会を除く、自民党、公明党、民主・市民フォーラムなどの賛成により京都市営聚楽保育所の廃止条例が可決されました。しかし、その後も市民からは存続を求める陳情が出され、今回は聚楽保育所の存続を求める2383筆の署名が添えられた請願であることは重く受け止めるべきです。
なぜ、市民の理解が得られていないのでしょうか。京都市は、聚楽保育所について民間移管の手続きを進め、存続するとしていたものを、再募集に法人の応答がないことを受けて、突如、住民への説明もなく聚楽保育所の廃止議案を発表し議決されてしまったことが、住民にとって信任できなかったからではないでしょうか。
令和4年度より聚楽保育所の新規の入所受け入れを中止して以降、現在の在園児数は二歳児一人と三歳以上の児童計34人となっていますが、転居で転園された方1名以外は、今年度も在園し続けておられます。下の子が聚楽に入れなくても、上の子を転園させず、聚楽保育所に通わせているのは聚楽保育所がいい保育園だと実感しておられることの表れです。聚楽保育所を見せていただくと、施設は古く、豪華な遊具などはありませんが、常設のプールや手作りの木の家もあって、子ども達がのびのび楽しくすごせる工夫がされていました。丸太町通り沿いで、円町にも近く通勤にも便利。園に入れば街中の喧騒を逃れてのびのび遊べるこの施設は、子育て支援の拠点、保育所として、むしろこの地域に残すことのほうが、市民にとって利益になるのではないですか。現在、通われている保護者の方からも、今なお下の子どもさんの入所希望や、存続が要望されていることを指摘しておきます。
請願にもあるように、子育て世代は増えているのに、市民からこれだけ存続が求められているものを、廃止してしまうのは、市民にとって大きな損失であり、聚楽保育所は存続させるべきです。
また、市営保育所は障害のある子どもさんを多く受け入れています。現在の聚楽保育所も例外ではありません。しかし、保育の様子をみてみると、子供たちは穏やかでのびのびと過ごしていました。障害のある子どもさん、手のかかる子どもさんが多くても、保育の公的責任を果たすために受け入れ、頑張ってこられた市営保育所の保育の必要性を痛感しました。市営保育所を廃止することは、当該地で京都市の子育て支援の重要な基盤の一つを失うということであり、京都市にとっても市民にとっても損失です。存続させるべきと考えます。
もっとも、このような素晴らしい子育て支援の拠点である市営保育所の存在意義を、市長はまったく理解されておらず、門川市政16年間の間に25あった市営保育所のうち11の市営保育所を民間移管してしまいました。さらに聚楽保育所に至っては、十分な検討もなく廃止を決定しました。聚楽保育所のような、子育て支援として地域の皆さんからこれだけ必要とされている拠点まで廃止してしまう市政であることが、子育て世代の流出を招いた京都市政の問題点を示しているのではないでしょうか。住民の願いが届く市政であってこそ、住民が住み続けられる京都市になります。市営聚楽保育所の存続を求める本請願について、採択を求めて討論とします。