日本共産党 京都市会議員団

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【声明】11月市会を終えて を発表

 本日、党議員団は、11月市会の評価などについて、「【声明】11月市会を終えて」を発表しました。その本文は、下記の通りです。

日本共産党京都市会議員団
団長 西野さち子

一、はじめに
 11月市会は、16日間の日程を終えて、12月12日に終了しました。11月市会は、厳しい市民生活の一方で、政治資金パーティー券収入の収支報告書未記載や裏金づくり疑惑が大問題となり、国民の政治への不信が最高潮に達するなか開かれました。

一、市長提出議案について
 市長からは計49件の議案が提出されました。党議員団は44件について賛成し、向島市営住宅・際目市営住宅の指定管理者の指定、ラクト健康・文化館の廃止条例など5件について反対しました。

〈補正予算〉
 補正予算については、11月市会冒頭分は、職員・教職員給与の改定と民間保育園等への人件費補助、全員制中学校給食の整備にむけた公共施設等管理基金への積み立て、洛西SAIKOプロジェクトにかかる予算が計上されました。また、終了本会議に住民税非課税世帯へのくらし応援給付金にかかる補正が提案されました。党議員団は、何れも、必要な予算であることから賛成しました。
 党議員団は冒頭提案の補正予算について、民間保育園等への人件費等補助金の4億円の増額補正について削減総額13億円の復活が必要であること、洛西SAIKOプロジェクトとして重点化されて進められている公園の修繕等は市内全域で必要とされていること、全員制の中学校給食に向けた25億円の基金への積み立ては巨大給食工場ではなく分散方式・学校調理とするべきこと、新型コロナウイルス感染症対策の空床加算廃止の影響に対しての支援策が必要であることを指摘しました。人事委員会勧告にもとづく職員・教職員給与引き上げは当然であること、また、公共の福祉を担う現場の職員処遇をしっかり引き上げ確保することにより市民サービスを維持向上させることが京都市に求められていると討論で述べました。京都市の若手職員の相次ぐ退職など課題が明らかになっており、市民の健康や教育、保育に必要な予算をコストカットなどとして公共性を崩してきたことの問題は重大です。
 維・京・国は、「職員給与の増額に反対する意思はない」としながら、「職員も痛みを分かち合うこと」で改革の機運も高まっているとして、「給与減額をあわせて補正予算を提案しなおすことを求める」などとして反対しました。

〈条例議案〉
 向島市営住宅・際目市営住宅の指定管理者の指定については、指定管理者制度そのものが公的責任放棄という問題をはらんでいること、不安定雇用とワーキングプアをうみ出すという問題、京都市当局が従前から市営住宅への導入はなじまないとの立場を表明してきたにもかかわらず方針を変更した問題、民間事業者の対応で問題が生じている点を討論で指摘しました。
 地区計画の区域内における建築物等の制限に関する条例については、姉小路界わいや祇園四条については町家保全や建築物の用途規制を行ってきた住民主体のまちづくりを進めるものであり賛成しました。西院イノベーション促進地区は、ほぼ一企業だけの地区計画になり住宅等が建てられなくなることから居住空間を狭める課題があること、洛西ニュータウン・タウンセンターに31m以上のマンションを含む複合施設を可能とする地区計画の変更については付近の市営住宅の空き室への入居を促すことや、公共交通・医療・福祉施設・日用品購買施設の充実など住んでいる方の要望に沿った根本解決を主眼とするべきことを、討論で述べました。

一、代表質問について
 公共の福祉にコスト論を持ち込み、職員削減・民間委託を進める「行財政改革」の中止を求めました。
 また、中学校給食における巨大給食センター方式の重大な問題を告発。国民健康保険料の引き下げと18歳までの均等割保険料の全額免除や、介護現場での担い手確保と保険料の引き下げ、カットされた民間保育園の補助金の復活、本市独自の奨学金制度の創設と奨学金返済支援を求めました。
 「都市の成長戦略」と称した大企業優遇、京都壊しはやめるよう求めました。インボイス廃止、中小事業者への具体的支援策、北陸新幹線京都地下延伸計画の中止、敬老乗車証制度を元に戻し公共交通を充実すること、市バス運賃の値上げはやめること、市営住宅の減免制度を元に戻すことを求めました。

一、 議員提出議案について
〈意見書・決議について〉 (※1・・井﨑議員、※2・・繁議員)
 「日本トータルテレマーケティング株式会社による新型コロナウイルスワクチン接種業務の不正請求に関する全容解明と厳正な対応を求める決議」「AYA世代がん患者への支援を求める意見書」「子ども医療費支給制度の更なる拡充を求める決議」等4件を全会一致で採択しました。
 「企業団体献金の全面禁止に向けて法改正を求める意見書」(維・京・国提案)「政治資金規正法の厳格化に向けた議論を求める意見書」(自民、公明、無所属議員※2提案)が賛成多数で可決されました。党議員団の提案した「パーティー券購入も含めた企業・団体献金全面禁止を求める意見書」は無所属議員※1が賛成しましたが、他会派・無所属議員※2が反対し否決されました。討論で、法改正による企業団体献金の全面禁止を求めていることから維・京・国提案に賛成するものの、最大の問題である政治資金パーティーへの規制が含まれていない不十分さを指摘しました。自民、公明、無所属議員※2提案については、不記載問題等に事態を矮小化するものであることから、反対しました。
 「北陸新幹線京都地下延伸計画の中止を求める意見書」「汚染水(アルプス処理水)の海洋放出の中止を求める意見書」「大企業の内部留保を活用し抜本的な賃上げ対策を求める意見書」を提案しました。無所属議員※1以外の反対で否決されました。
 子どもの医療費について、党議員団は、一刻も早く独自に上乗せし18歳まで無料の制度とすることを求めた「子ども医療費支給制度の18歳までの拡充を求める決議」を提案(無所属議員※1以外の反対で否決)しました。国・府と連携した「子どもの医療費支給制度の18歳まで完全無償化を求める決議」(維・京・国提案)は党議員団も賛成しましたが、可否同数となり議長裁決で否決されました。討論にたち、市独自での拡充に必要な財源は7.9億円であり今問われているのは京都市独自で医療費の軽減に責任をはたすべきことと述べました。
 全員制中学校給食について、党議員団は、たった1カ所の大規模給食センターではなく「学校調理による全員制中学校給食を求める決議」を提案(他会派・無所属議員※1※2の反対で否決)。「実施方式を含む全員制中学校給食のより丁寧な検討を求める決議」(維・京・国提案)は党議員団も賛成しましたが、可否同数となり議長裁決で否決されました。討論にたち、今回の巨大給食工場の規模が全国どこの自治体もやっておらず、食中毒などリスク分散の角度からも重大な問題をはらんでいることを指摘しました。

〈市会議員報酬〉
 市会議員の議員報酬を2割削減する条例を全会一致で可決しました(4年間・総額5億300万円)。本件をめぐっては、日本維新の会藤田文武幹事長が記者会見で京都市会議員報酬削減を発表し、それが「維新の改革の成果」である旨を表明。事実に反するとして京都市会全会派が発言の訂正と謝罪を求めていました。市会運営委員会において、維・京・国の団長が、「『我々だけの手柄だというつもりは一切ない』と藤田幹事長から説明があった」として事実上の発言の訂正を行い、「全会派で進めてきた成果であるにもかかわらず維新のみの取り組みによって議員報酬の削減がなされたように誤解を招きかねない発言になってしまいました」と謝罪しました。
 党議員団は見解を発表。これまでから議員報酬の3割削減など議会改革に取り組んできたこと、議員の処遇について、京都市会の全会一致で進める立場を尊重し、丁寧に話し合いを行ってきたことを述べ「地方自治体議会において意思決定されるべき事案を政党幹部が侵すことは、自治体議会の意思決定や地方自治を軽んじるもの」と指摘、公党として直ちに発言の訂正と謝罪することを求めていました。

一、市民運動・請願・陳情
 今市会において請願「物価高騰に見合った年金支給の要請」が採決され、党議員団と無所属議員※1以外が反対し、不採択とされました。
 学童保育・児童館職員の団体交渉拒否について、12月8日、京都地裁において、京都市が京都府労働委員会による団体交渉の命令に従わないのは違法であるとして、京都市に対し全国福祉保育労働組合京都地方本部や、学童保育・児童館支部に30万円の損害賠償を支払うよう命ずる判決が言い渡されました。党市会議員団は京都市長に「学童保育・児童館職員組合員等が損害賠償を求めた訴訟について控訴せず30年間行われてきた団体交渉に直ちに応じるよう求める申し入れ」を行いました。
 新型コロナウイルスワクチン接種業務受託事業者・日本トータルテレマーケティング株式会社(以下、NTM)による不正請求について談話を発表しました。これまでに明らかになった7億9千万円の被害にとどまらない可能性が出てきています。党議員団は、委員会審議において、NTMが提出した根拠資料の不自然な点を追及してきました。疑惑が一層深まっており、NTMに対して厳重に抗議するとともに真相究明に全力をあげること、京都市に対しては、すみやかな刑事告訴とともに、公務が担うべき業務を民間に丸投げしたことから生じた事案であることを重く受けとめ、二度と繰り返さない体制構築を求めています。

一、 最後に
 ガザ地区の人道的危機に際して議会の総意として「一刻も早い恒久的な停戦」を求める「ガザ地区における平和の実現を求める」議長声明を発出しました。党議員団は即時停戦が実現するまで、引き続き市民のみなさんとともに声を上げます。
 また、2024年予算編成に対する要求書を市長に提出し、「くらし応援給付金」の早期支給や年末対策を求める申し入れを行いました。切実な暮らしの願いを実現するために、目前に迫った市長選挙勝利のために全力を尽くします。