複合災害に備えたまちづくりで、いのち守る市政に
2021.12.09
『2022年度京都市予算編成に対する要求書/分野別要求項目』より。番号は同要望書の番号。☆マークは新規項目。
(1)災害復旧・生活と生業再建支援のための制度拡充を
80 豪雨による淀川水系の河川の氾濫、ダムの放流、洗堰・樋門の操作についての実態と教訓を明らかにすること。京都市流域の浸水に影響がある天ヶ瀬ダム・日吉ダムの事前放流等、適切な運用が図られるよう管理者に求めること。
☆81 大戸川ダムの建設に多額の費用を使うのではなく、流域治水対策を強化すること。久我橋西詰付近の越水地域の堤防の嵩上げとともに、堤防の強化を図ること。
82 被災者生活再建支援法について「住宅の一部損壊までの対象拡大」や「支援金の上限を300万円から500万円に引き上げ」などの改善を図るよう国に求めること。
83 防災担当職員を増員するなど区役所の常時の防災体制を抜本的に強化すること。関係機関との連携を強化すること。避難所に配置する職員を確保するためにも、集約された業務(保健所や税など)を区役所に戻し、区役所の日常的な機能を充実させること。
84 「複合災害」を考慮した十分な対策のため、指定避難所・指定緊急避難場所の環境改善を図ること。
・三密を避けるなど感染症対策を講じ得る規模で避難所を確保すること。
・京都市備蓄計画の備蓄目標数を早期に達成すること。避難所運営用資機材、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策用物品の目標数を設定すること。使い捨てスリッパも配備すること。
・トイレの洋式化の早期完了とエアコン設置など、指定避難所の環境の抜本改善をはかること。
・「土砂災害警戒区域内」、「立退き避難が必要な区域内」にある指定避難所については、区域外に確保すること。
・防災機能強化型体育館整備の箇所数を抜本的に増やす計画をつくること。指定避難所となっているすべての元小中学校体育館の耐震化をはかること。
・避難所運営にあたり、保健師等専門職の動きを明確化し、感染症対策に職員が精通するための訓練を行うこと。
85 被災者に提供する住宅を各行政区に確保すること。
86 被災した中小商工業者の事業再建支援は、相談に乗る体制を作るとともに、被害の態様や程度によっては、補助金・給付金その他返済不要の資金援助を検討すること。
87 被災農業者が早期に営農再開できるよう、農業や農機具・施設の復旧支援を拡充すること。
(2)地震・風水害・土砂災害に強いまちづくりを
88 国や府と連携し、速やかに急傾斜地、崩落危険箇所の対策を具体化すること。
89 民間社会福祉施設の耐震化診断と改修を早期に完了させること。
90 浸水想定区域内や土砂災害警戒区域内の要配慮者施設への情報伝達方法、避難・誘導体制の整備を定めた計画策定を京都市の責任において早期に完了させること。
91 消防分団施設(市や地域の施設と共用している、および10㎡未満の消防団施設を含む)の耐震対策を市の責任において早期に完了すること。
92 豪雨対策については、近年の気候危機に対応して以下の点を強化すること。
・国・府と協議を行い、河川の越水・漏水防止、集中豪雨による急な増水への対策を強めること。
・内水災害を含め浸水地域の計画的な河川改修をすすめること。
☆・災害時の体制を強化するため、土木事務所、上下水道局等の職員を増員すること。下水道管路管理センターの集約化計画を撤回すること。
・公園や学校のグランド表面に一時的に雨水を貯留する施設(例:一乗寺公園野球場)などを計画的に整備すること。
93 大規模盛土による開発地域など、宅地の地すべり危険地域マップについて市民への周知を徹底するとともに、国・府とも連携し、対策を強化すること。
☆94 建設残土処分に関する厳しい法整備を国に求めること。
☆95 熱海市の土砂災害を受け、宅地造成のみならず、すべての危険な盛り土、切り土や建設残土等の調査を独自に行い、災害を未然に防ぐ対策をとること。また、違法造成であり、土砂崩れも起こした大岩山については、産業廃棄物を含んだ土砂の全量撤去を行うこと。
96 国の「液状化危険地域対策技術指針」に基づき、京都市独自の対策指導基準を作成し、地域実態調査に基づく液状化危険地域対策を早期に行うこと。
97 安祥寺川や四ノ宮川の河川改修事業を早急に完成させること。
98 新設・既設を問わず、年次計画をつくり、公園の防災設備を増やし、防災機能を強化すること。
99 新「耐震改修促進計画」の2025年95%の耐震化率目標を必ず達成すること。京都型耐震リフォーム支援事業を使いやすくするために工事費の補助額を増額し、メニューごとの上限額を引き上げること。木造住宅及び京町家の耐震改修支援事業について予算の拡充を図ること。また、病院や福祉施設、賃貸共同住宅など特定建築物の耐震化施策の充実を図ること。
100 マンションの耐震改修支援事業について、耐震診断とともに耐震改修にあたっても活用しやすい制度に見直すこと。
101 耐震化の必要な「都市防災上重要な橋りょう」92橋の内、橋りょう健全化プログラム(第2期)に位置づけた橋の改修は、早急に完了すること。京都市域の「都市防災上重要な橋りょう」以外の橋りょう及び国の管理する橋りょうについても、国・府と連携し、耐震化と必要な老朽対策を早急に進めること。
102 道路のり面の維持・保全については、国の予算を確保し確実に実施できるよう次期プログラムを策定すること。
103 山間部の倒木による通行止めや停電を防ぐために、山の持ち主や国、京都府、関西電力等と連携し、未然防止対策を進めること。山中の災害木や間伐対策についても、補助制度の拡充を国や府に求め、市独自としても取り組みを進めること。
104 すべての町内会単位の防災行動マニュアルとマップについては住民への広報を徹底すること。
105 自主防災会への助成金の年間5万円の上限枠を廃止し、必要額を保障すること。
106 消防団員、水防団員の処遇の改善にいっそう努めるとともに、団の運営費を増額すること。
107 水道・下水道などライフラインの耐震化、老朽管の布設・敷設替えを早急に行えるよう補助制度を抜本的に拡充するよう国求めること。