【談話】2022年度京都市決算の概況について
2023.08.10
日本共産党京都市会議員団
団長 西野さち子
2022年度京都市決算概況が発表されました。21年ぶりに「特別の財源対策」(公債償還基金の計画外取り崩しなど)から脱却した77億円の黒字が報告されました。黒字の要因は、歳入で市税収入が見込みを上回ったことや、歳出で生活保護費や人件費が見込みを下回ったことが要因と説明していますが、2021年度決算の実質102億円黒字に続く2年連続の黒字であり、「行財政改革計画」の前提が崩れています。
市長は今回の黒字決算について「財政改革の推進と成長政略を進めてきた成果」と述べていますが、そもそも、予算編成時には「行財政改革計画」を行ってもなお「117億円の収支不足」として、市会において「117億円の実質赤字予算」と繰り返し説明をしていました。それが、今回、117億円の収支不足どころか、77億円の黒字をあわせると、実質194億円もの大幅な上振れとなっています。市長が、財政「危機」をあおって市民に痛みを押し付けてきたことは明らかです。このような姿勢を改めるべきです。
「市民サービス還元焦点に」と報道されたとおり、敬老乗車証負担金値上げ・年齢基準改悪や民間保育園給与等補助金削減など54億円もの負担増により市民から悲鳴が上がっています。党市会議員団は「行財政改革計画」撤回と市民サービスの復元を重ねて求めるものです。
あわせて「中期財政収支試算」も示されました。「中期財政収支試算」では消費的経費は来年度には今年度予算より14億円減らし、再来年度には更に20億円減らす試算を示しました。一方で、投資的経費は170億円水準を維持し、公債費も大きくは変更しないとしており、今後もこれまでからの「行財政改革計画」路線を継続する内容となっています。市長は「公債償還基金の計画外の取り崩しが505億円もあることから、厳しい状況は変わらない」としていますが、そうであるなら過去の教訓を踏まえ、大規模投資の経費と債務負担の精査こそ行うべきです。
京都府では府内大手10 社の昨年度決算では、内部留保は10兆8000億円となり、前年より6800億円積み増しされ、10年で2倍となりました。法人市民税法人税割の法定上限 8.4%までの引上げを行い、均等割についても大手企業に応分の負担を求める税収増加策を検討するなど、応能負担原則を高める立場に立つべきです。
党議員団は、9月の決算議会で徹底した論戦を行うとともに、住民の福祉の増進を図る地方自治体本来の役割を果たす市政へと転換させるために力を尽くします。