日本共産党 京都市会議員団

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議会質問・討論

憲法9条をいかした外交を,意見書について討論,ほり議員

2023.03.22

 日本共産党市会議員団は「日本国憲法第9条をいかした外交を求める意見書(案)」に賛成を表明していますので、議員団を代表して、その理由を述べ討論します。

 政府は、昨年12月16日、新たな国家安全保障戦略、国家防衛戦略及び防衛力整備計画を閣議決定し、敵基地攻撃能力の保有及び防衛費も5年間で43兆円を明記しました。敵基地攻撃能力は、相手国の領空に侵入し、ミサイル基地だけでなく指揮統制機能等を攻撃する戦力を保有するということです。また、いわゆる安保関連法制が施行されている現状において、集団的自衛権の行使などを通して、日本が、戦争当事国になる危険性が拡大しています。浜田防衛大臣は2月6日の衆議院予算委員会で、「日本の先制攻撃後、相手国からの反撃で、日本に被害が及ばないか」との質問に対し、「大規模被害、否定できない」との答弁をしています。まさに、全面戦争につながりかねない危険性をはらんでいます。

 昨年8月、教育福祉委員会の視察で訪れた「知覧特攻平和会館」での学びは、このことを考える上で、大きな意味を持っていました。17歳から32歳の青年1036名の遺書や手紙、知覧の町の人々との最期の時を過ごした様子などが語り部や写真・映像を通して、訪れた人に、事実を事実として美化することなく、ありのままに伝えています。命の尊厳を無視した過酷な作戦を軍が立案し、昭和20年7月19日まで繰り返し実施されました。「夢があり、希望があり、やりたいことがいっぱいあった青年たち」を思うとき、二度と再び、この様な惨禍が起きてはいけない。起こしてはいけないと感じました。15年続いた戦争。多くのいのちの犠牲のうえで手に入れた「日本国憲法」。だからこそ、「日本国憲法前文」には、「政府の行為によって、再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し」となっているのです。

 また、昨年11月に参加した「第18回世界歴史都市会議」。代表質問でも述べましたが、最終日に採択された「平和連帯声明」に、歴史都市としての使命を感じ感銘を受けました。声明には、「現在もなお、国家間の対立や、人類や民族、文化、宗教等の違いを巡る紛争は絶えず、世界の様々な地域で、軍事的な手段により多くの人のいのちが奪われ、人類普遍の価値を有する歴史遺産が深刻な被害を受けていることは痛恨の極みである。あらゆる紛争や対立は軍事的な手段によることなく、対話等により平和的に解決されるべきである」と書かれています。あらゆる紛争や対立は軍事的な手段では解決しない。このことは、ロシアによるウクライナ侵略をみれば明らかです。今すすめるべきことは、軍事力を背景とした威嚇ではなく、対話による平和の道であり、世界歴史都市連盟の会長を務める京都市こそが、この立場を表明し、役割を発揮すべきです。

 最後に、戦後初の衆院選の投票日、それが、1946年4月10日でした。参政権を得て、誕生した女性議員は39人。その女性議員たちも参加をした6月25日の国会に「憲法の案」が上程されました。100日間の審議ののちに、10月7日、圧倒的多数で「日本国憲法」は採択されました。「日本国憲法審議録」の資料から、憲法担当の国務大臣が議員たちの質問に1365回も答えねばならないほど白熱した討論がなされていたことが伺えます。また、中学一年生の教科書として発行された「新しい憲法のはなし」の中に「いまやっと戦争は終わりました。二度とこんなおそろしい、かなしい思いをしたくないと思いませんか。こんな戦争をして、日本の国はどんな利益があったでしょうか。戦争は人間を滅ぼすことです。世の中のよいものをこわすことです。」と書かれています。国民の中に、戦争準備反対の声が広がっています。今こそ、原点に立ち返り、敵基地攻撃能力の保有と軍事費2倍化をやめ、政治の責任で、「日本国憲法第9条」をいかした「対話による平和外交」を進めることを求め、この意見書案への賛成討論とします。