小学校のような全員制の中学校給食の実施・学校給食の無償化を,討論,鈴木議員
2023.02.28
日本共産党市会議員団は、「請願第1226号 子供の健やかな成長を支える持続可能な全員制中学校給食の早期実現」の採択に賛成、「請願第1223号・1224号・1225号 小学校のような全員制の中学校給食の実施」「請願第1227号・1228号 学校給食の無償化」の不採択に反対の立場を表明していますので、私は議員団を代表してその理由を述べ、討論いたします。
まず、「請願第1226号」は、子どもの健やかな成長を支える全員制中学校給食の早期実現を求める請願であり、効率的・効果的な方法で、早期実現を目指して多角的な検討を行うこと、国からの必要な支援が得られるようにしっかりと要望することが内容となっています。この内容は、私どもが採択を主張している、「小学校のような全員制中学校給食」も含んでいると理解でき、また検討会の実施や国への要望も当然のことであり賛成です。これまで、全員制の給食に後向きだった本市がようやく全員制中学校給食に向けた調査予算を計上したことは、長年、保護者や市民が署名を集め、アンケートも取り、保護者や子どもたちの切なる願いを市長や教育委員会、議会に繰り返し、繰り返し要請を行って来られた、粘り強い運動が実ったものであります。
次に、「小学校のような全員制の中学校給食の実施」について述べます。小学校のような給食の実施を求める請願は、これまで11年間で16回も提出されています。全国的に、また京都府内でも中学校の全員制給食が圧倒的となる中で、育ち盛りの中学生に発育と命の保障のためにも、小学校のような栄養のある温かい給食を全員が食べられるようにと願うものです。その小学校のようにとは、どういう願いがこめられているのでしょうか。それは、温かいに象徴されるように、調理されてから可能な限り時間をおかずに食べられるようにという願いです。現に、小学生が直営方式で食べている給食が「美味しい」からに他なりません。中学生からは、今のデリバリー弁当より小学校の時の給食にしてほしいという声を多く聞きます。私の体験を1つ紹介します。京都府内の伊根中学校に給食の視察に行きました。ランチルームで生徒さんといっしょに給食を食べました。献立のメインは、イカの煮つけ。みんな本当に美味しそうにもりもり食べます。なんと残飯は、イカの剣だけ。隣の生徒に質問してみました。「嫌いなものは残すの」と。そうすると「ううん、嫌いなものもあるけど、給食はなぜか美味しくて、みんなと食べるからかな。全部食べてしまう」と話してくれたのです。伊根中学校は自校式給食でした。地元産の食材を活用する学校調理として、子どもたちが喜んで、残さず食べる給食。給食の時間が待ち遠しくなるような給食を考えていただきたいと思うのです。センター方式や民間委託のデリバリー給食を先行実施してきた自治体では、異物混入や業者が撤退するなど起こっています。京都市は、全ての手法による全員制給食の調査を実施すると言われていますが、食育をすすめる安心、安全な給食は、安かろう、悪かろうでは実現できません。京都市の中学校の建物の環境をふまえてしっかり調査し、学校調理とし「小学校のような」給食を検討することを求めます。
「学校給食費の無償化」を求める請願は、非常に切実な願いであり、今やその声にこたえて254自治体で実施され、無償化の流れが大きく広がっています。現在、小学校の給食は11ヵ月で51700円、中学校はさらに高額になります。副教材費などの義務教育に掛かる様々な経費の中で最も重い負担となっています。何より憲法第26条は、「義務教育は、これを無償とする」と明記しており、教育の一環であります。就学援助制度だけでは、その趣旨には到達し得ません。国に対する支援を強く求めるとともに、本市での無償の実現を求めるものです。
他会派の皆さんのご賛同を呼びかけ、討論とします。ご清聴ありがとうございました。