日本共産党 京都市会議員団

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議会質問・討論

障害認定は,支援者の意見等多角的な審査が必要,意見書について討論,くらた議員

2022.12.12

 日本共産党市会議員団は自民党、公明党、京都党・日本維新の会が提案する「知的障害者への行政の対応拡充を求める意見書案」に反対の態度を表明しております。私は議員団を代表し、その理由を述べ討論いたします。

 まず、知的障がい者をめぐる制度上の課題についてです。意見書案には、「手帳の制度で、身体障がい者と精神障がい者については、法律の規定に基づき交付・運営されているが、知的障がい者については各都道府県知事等が実施要綱を定め交付・運営されている。また、知的症がいの判定については、国が統一的な判定方法や、基準を示しておらず、自治体間での差が生じている」としています。このことは、その通りだと思います。

 この間、滋賀県内で発達検査を受け発達診断を受けた児童が、京都市内に転居後、療育手帳の交付を申請した際、京都市が「都道府県知事等による実施要綱の規定により、本市の児童相談所で実施する発達検査で判定することになっている」と説明し、児童保護者が困惑する事態が生じていました。児童保護者からは「検査を受ける子どもの負担軽減を考えてほしい。京都市児童相談所が用いる発達検査方法と滋賀県で行われた発達検査方法が同じであるにもかかわらず、その結果が速やかに適用されないことに納得がいかない」との意見が出されています。この件については教育福祉委員会で当事者の利益を最優先とした柔軟な判断と対応がなされるよう求めてきたところです。

 一方、意見書案では「知的障がいについては、国において統一的な判定方法や判定基準が示されていないことから、自治体により障がいの程度区分やボーダーラインに差が生じている」「自治体によって、精神障害者保健福祉手帳を交付するところ、療育手帳を交付するところ、両方を交付するところ等、対応が異なっている」として、国に対して知的障がい者への行政・手帳制度を国の法律において全国共通の施策として展開することを求めています。しかし、障害者施策における根本的な課題解決を求めるものになっていません。

 専門家からは、これらについて慎重な検討が必要との指摘があります。判定基準や手順の統一化は良い面もあると考えられますが、それ以外に知的障害の基準をIQなど医学モデルに傾倒することになれば矛盾を生じさせます。IQと知的障害の度合い、さらには生活上の困難は一致するものではなく、IQが高くても社会的適応が難しくトラブルに巻き込まれやすい実態があることなどを重視する必要があります。この障害判定が成人期においては、年金や福祉サービスの保障に連動することになるため、機械的な判定としないことが重要となります。こうした様々な難しさが、障害認定が画一化されてこなかった一つの要因と考えられます。以上のことから、障害認定にあたっては、当事者の日常生活における困難性を把握し分析するために、生活支援に関わる支援者等の意見書や多角的に審査できるシステムを慎重に検討する必要があります。

 今般、国連障害者権利委員会の初となる日本審査が開かれました。これを傍聴された日本障害者協議会の藤井克徳代表が2022年12月5日障害者総合支援法案を審査する参議院厚生労働委員会に参考人招致され、倉林明子参議院議員の質問に答えて「日本は障害者を権利の主体ではなく、保護の対象とし、同情的・温情的な視点からアプローチする。優性思想、または健常者優先主義という視点がまだ残っている」と厳しく指摘されています。いま、国に求めるべきは国連の障害者権利条約に基づき、過去の優性保護政策の総括と障害者の人権を保障するための具体的施策であり、知的障害者が安心して暮らせる社会を実現するための取組を総合的に進めることであります。このことを申し述べて、わたくしの討論といたします。