日本共産党 京都市会議員団

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議会質問・討論

マイナンバーカード取得義務化問題などについての意見書討論,とがし豊議員

2022.11.02

日本共産党京都市会議員団は、マイナンバーカード取得義務化につながる「健康保険証の廃止」と「マイナンバーカードの保険証利用等に係るシステム導入の義務化」の撤回を求める意見書を提案いたしておりますので、代表して、討論を行います。

国は、2023 年 4 月から「マイナンバーカードの保険証利用等に係るシステム導入の義務化」、2024 年秋には「健康保険証」を廃止し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に切り替えると突然言い出しました。10月26日の衆議院厚生労働委員会においてわが党議員の追及に対し、厚生労働大臣は「原理原則は、保険料を払っている方がきちっと保険医療を受けることができる、これをしっかり担保していくことが大事」と答弁しましたが、そうであるならば、これまで通りの「健康保険証」を認めるべきで、マイナ保険証への切り替えは任意にとどめるべきではないでしょうか。生活に欠かせない保険証と引き換えにマイナンバーカードの取得を迫るのはあまりに強権的です。

マイナンバーカード普及をめぐっては、2万円相当のポイント給付はじめとした誘導策がとられたにもかかわらず、マイナンバーカードの交付率は、9月末時点で全人口の49%と半分以下にとどまっています。保険証を一体化させた「マイナ保険証」は昨年10月に運用が始まりましたが、利用者はいまだに全人口の約2割しかありません。デジタル庁が8~9月に行ったアンケート調査によると、マイナ保険証を申し込まない主な理由は「メリット・必要性を感じない」29%、「手続きが面倒」19・4%、「情報流出が怖い」14・7%などでした。政府や行政の持つ個人情報流出事件が後を絶たず、「マイナ保険証」に対しても、国民が不信に思うのは当然です。そもそも政府が優先してやるべきことは、現在管理している個人情報の保護の体制をいかに確立し、政府への信頼を取り戻すことです。不信感が払しょくできないからと、強権的にマイナンバーカードの取得迫るというのはいかがなものでしょうか。

また、「マイナンバーカードの保険証利用等に係るシステム導入の義務化」は、システム導入に伴う多額の経費や維持費の発生等、医療現場へ大変な負荷をかけることが懸念されます。現時点で、運用を開始した施設は3割程度にとどまっています。全国保険医団体連合会(保団連)が医師・歯科医師を対象に8月に行ったアンケートでは、保険証の原則廃止とオンラインでの資格確認の義務化に約8割が反対しています。「医療従事者はコロナで大変。こんな時にやる必要性を感じない」「ほとんどメリットのない制度。医療機関・患者双方に負担」「拙速しかも高圧的」など指摘されています。2023年4月から原則義務化を定めた省令である「療養担当規則」に違反すると、保険医療機関等の指定取り消し事由となり、期日までに運用を開始できなければ、廃業を選択するしかないと危機感が広がっています。

コロナウィルス感染症の第8波に備え、かかりつけ医や発熱外来を増やそうという時に、廃業を促すなど絶対にあってはなりません。健康保険証の廃止やシステム導入の押し付けではなく、医療体制の拡充こそ現場から求められています。

ぜひとも各会派・議員の皆様の賛同をお願いして、討論とします。ありがとうございました。