市長による北陸新幹線京都地下延伸計画への反対表明を,請願について討論,えもとかよこ議員(右京区)
2026.06.01
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日本共産党京都市会議員団は、北陸新幹線延伸計画のヒアリングに関する請願を採択すべきとの立場を表明していますので、私は議員団を代表し、討論いたします。
この請願の趣旨は「京都市長は市会決議と市民の世論を尊重し、北陸新幹線延伸計画のヒアリングに際して、京都市内の大深度地下トンネル計画は京都市のためにならないという立場を表明することを願う」というものです。すなわち北陸新幹線大深度トンネルルートへの反対決議をあげた京都市会として、市会決議にそって市長に働きかけるという当たり前の主張を書かれた請願です。
5月11日、国土交通省の五十嵐鉄道局長は、都内で開かれた「小浜・京都ルート」実現を求める福井県議会北陸新幹線整備促進議員連盟の決起大会のあいさつで「B/Cだけで決まるなら政治はいらない」「普通にマス目を埋めていけばおのずから結論は決まっている」と発言しました。謝罪・撤回しましたが、国交省の幹部でありながら、公共事業の着工条件を軽視し、市民、自治体の意思を踏みにじるとんでもない暴言です。市民から強い怒りの声があがっています。
5月26日に開かれた北陸新幹線整備委員会終了後、維新の前原与党整備委員会共同委員長は記者会見で「どのルートでも難しいという話になる可能性はある」「国と地方の負担割合の見直しがないとルート決定までたどり着くことができないと思っている」と述べました。しかし負担割合がどうであれ、国の公共事業として行われる整備新幹線には、採算の取れない路線はつくらないという大原則があります。国交省は2016年の7月計画決定時、敦賀・新大阪間の事業費は約2.1兆円と見積もり、費用便益比(B/C)は1.1としていましたが、2024年7月、事業費は最大で約5.3兆円に増える新たな試算を示しました。開通に伴う効果を金額にした「便益」は示しませんでしたが、請願が指摘しているように「損ばかり出る事業」であり、着工条件を満たしていないのは明らかです。巨額の公費投入は次世代まで負担を背負わせることになります。そのコストに見合う社会的還元をもたらすものではありません。
国交省はJR各社が定額で負担する貸付料のルール改定を模索していますが、JRの支払いが増えれば運賃や乗客数に影響が出ます。国交省は8ルート案の再試算結果を5月中に公表するとの報道がありましたが、公表はまだ未定とのことです。
また、地下水への影響、ヒ素を含む可能性のある大量の残土の処理、工事期間中の交通渋滞、騒音、振動、歴史的・文化的建造物への影響、災害対応、シールド工法を用いた大深度地下工事の安全性についての技術的な課題など懸念は解消されるどころか、深まるばかりです。地域住民が何度も説明会を求めてきましたが、国も機構も応じようとしません。住民の生命・くらし・財産が脅かされる死活問題であるにも関わらず、知る権利が阻害されていることは極めて重大です。鉄道・運輸機構は、今年3月に「京都府内三次元水循環解析と河川水・地下水の成分分析に関する委員会報告書」を出しました。与党PTの会合で「建設による地下水への大きな影響はなかった」と説明していますが、これは高機能のシミュレーションであってもどのような入力データが使われて、そのデータの使用は適切であったのか極めて不透明です。「報告書」では京都駅施設の土留め壁が地下100メートルに達することが示されており、大深度を流れる地下水への影響は重大です。報告書で示されているのは浅い層での地下水の流れだけであり、影響分析は杜撰であると言わざるを得ません。
以上、京都市内の大深度地下のトンネル計画は京都市のためになりません。与党PTから市長へのヒアリングが予定されている今こそ、この請願の採択を強く求め、討論を終わります。
