日本共産党 京都市会議員団

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議会質問・討論

市老人短期入所施設条例廃止等の条例について反対討論,玉本議員

2024.03.27

 日本共産党京都市会議員団は、議第24号京都市老人福祉法等に基づく施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部改正、議第25号京都市特別養護老人ホーム条例の一部改正、議第30号京都市介護保険法に基づく事業及び施設の人員、設備及び運営の基準等に関する条例の一部改正については賛成し、議第33号の京都市老人短期入所施設条例を廃止する等の条例の制定については反対の態度を表明していますので、私はその理由を述べ、討論いたします。

 まず、反対を表明しています議第33号については、下京区の京都市菊浜短期入所施設の40名、伏見区の京都市東高瀬川短期入所施設の30名、伏見区の京都市春日丘短期入所施設の30名分を廃止するものです。合わせて、議第25号において、改めて短期入所を菊浜は3名、東高瀬川と春日丘はそれぞれ2名を設置するとしています。すなわち、合計100名だった短期入所施設が、たった7名になることになります。その影響について、委員会での質疑では、短期入所の利用が減っており、問題はないとの答弁でしたが、果たして本当にそうでしょうか。実際、利用者が減っているとは言え、たとえば、菊浜ではR4年度の稼働率は、40人に対して63.5%であり、25.4人の利用ということになります。それがわずか3人でいいのかということであります。介護福祉関係者にお聞きすると、多くの方が短期入所の削減については懸念の声を寄せておられます。

 宿泊サービスを提供する小規模多機能施設などが増えてきてはいますが、新型コロナウイルス症の際は、手控えが起こり短期入所の利用も影響を受け減少傾向にあったと思われます。さらに、これから高齢化がさらに進み、利用希望者が増大する可能性は十分あります。93名分の短期入所の数を減らすのではなく、公的な責任において短期入所の受け皿を確保することこそ、京都市の責務です。よって反対するものです。

 議第25号では、短期入所の供給状況の把握を行い、京都市の責任で短期入所施設なども含め、短期入所の受入れを行うベッド数を確保するよう付帯決議を提案いたしました。京都市当局の最大限の取組を求めるものです。

 議第24号の老人福祉法等、議第30号の介護保険法に基づく事業及び施設の人員、設備及び運営の基準等に関する条例の一部を改正する条例の制定については、議第30号で廃止した京都市の短期入所施設を特別養護老人ホームに転換するものです。その際に建設費の経費をかけることなく、整備が可能となるように、本市の独自基準を整備し、4人以下の多床室とすることを可能とするものです。

 新規の特別養護老人ホームの設置は、プライバシーの保護のために、原則は1人部屋とされています。さらに、新型コロナウイルス感染での教訓としても、個室で隔離され、感染対策になります。

 ただし、介護保険の制度の問題として、1人部屋ユニット型になると、利用料が高く入所できないという方の声も多くあり、多床室を希望される方がおられるのも実態です。したがって、今回の4人部屋が中心となる特別養護老人ホームへの転換には賛成いたしますが、必要に応じて、負担能力に応じての利用料で一人部屋に入所できるよう制度の改善を国に求めるとともに、対策を行うこと及び利用者の人権が守られ、感染時等の対策も十分に取られるように行政の責任として見届けるよう強く求めます。

 虐待防止に対しても努力義務から義務化されることを重んじ、指導を強化することを求め討論させていただきます。