日本共産党 京都市会議員団

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議会質問・討論

こども政策の強化、保育・学童保育制度の改善を,意見書について討論,河合議員

2023.03.22

 日本共産党市会議員団は、自民党、公明党、京都党・日本維新の会、民主・市民フォーラム、立憲民主党と無所属議員が共同提案された「こども政策の強化に向けた意見書(案)」と日本共産党市会議員団提案の「保育・学童保育制度の改善を求める意見書(案)」に賛成しています。私は議員団を代表し、その理由を述べ、討論します。

 まず、「こども政策の強化に向けた意見書(案)」については、保育士配置基準の抜本的な改善や保育所等の老朽化対策等施設設備への財政措置、多子世帯の保育料の負担軽減についての施策の拡充、放課後児童クラブ等の運営費においての財政措置の拡充、安心してこどもを産み育てられる環境整備。経済的支援の強化、子ども医療費助成制度について全国一律の制度の創設を国に求めるなど、保育現場や子育て世帯から求められているものであり、賛成いたします。

 次に、わが党提案の「保育・学童保育制度の改善を求める意見書(案) 」は、2万328筆の署名と共に提出された市民からの議会請願『保育・学童保育制度の拡充』の中で求められている「国の低水準な保育・学童保育制度について、職員配置基準、職員処遇、保育料などを改善するよう国に対して要請すること」に応え、提案するものです。

 保育園や認定こども園、小規模保育事業、学童保育などはだれもが安心して子どもを産み育て働ける社会の実現に不可欠なものであることが、新型コロナ感染症拡大の中、より一層明らかになりました。子どものいのちを守り育て、保護者の就労保障と地域も含めた子育て支援を担う保育園等や学童保育についてその制度の拡充と大幅な予算の増額、子どものための国の予算の増額が早急に求められています。

 保育の配置基準については、70年以上一度も改善されず、国際的にも低い水準のまま放置されており、京都市会として全会一致で国に基準の引上げを求める意見書を提出したように、喫緊に解決すべき課題であります。

 しかし、周知のように、保育や学童保育の職員は、「正規で募集しても集まらない」という深刻な事態が広がっています。子どもの発達保障はもとより、保護者の就労保障、地域の子育て支援など多様な仕事の中身に比べて低い賃金、なかなか休暇が取れないなど厳しい労働条件が、その要因となっていることは明らかです。職員の賃金・処遇の抜本的な引き上げもまた、喫緊の課題であります。保育士よりさらに低い調理師、学童保育や児童館職員の賃金は、せめて保育士並みに引き上げるべきです。何より、職員処遇の改善により職員が働き続けられることは、子どもの育ちにとって、大事な環境であります。

 また、子どもにとって、ゆったり過ごせる施設の広さや施設の安全性が重要です。保育所の面積基準よりも狭い学童保育の子ども一人当たりの面積基準は、学齢児が豊かな放課後を過ごす場として全く不十分であり、本市のように登録児童が100人を超え大規模化している施設は、小さい単位で1施設とすることや子どもが増えるに伴い、正規・有資格職員を増員するなど、が必要です。

 そして、子育て世代は、子育てに係る経済的負担の軽減を切に望まれています。お金の心配なく、安心して子育てができるように、すべての子どもの保育料を無償にすること、幼児の保育料無償化のもとでも、保護者の実費負担を原則としている給食費なども国の制度として無償化すること、学童保育については現状2分の1としている国の公費負担分を増やし、保育料やおやつ代など、保護者負担をもっと軽減すべきです。

 以上のような改善には子どもに係る予算を抜本的に増やさなければ実施できません。自民党はじめとする会派・議員提案の意見書案にもあるように、「こども政策の強化は先送りの許されない喫緊の課題」であります。

 国においては、6月の計画で、将来的に、と先送りせず軍事費2倍化をやめ、国が責任を持って早急に保育・学童保育、子育て支援の予算を大幅に増やし、制度を拡充していくことを強く求めるものです。わが党議員団提案の意見書案にも皆さんの賛同を求めまして、私の討論と致します。