日本共産党 京都市会議員団

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議会質問・討論

巨大給食センター建設は見直しを,請願について討論,えもと議員

2024.09.09

 日本共産党京都市会議員団は、請願346号「給食センター建設の見直し等」の不採択に対して反対し、採択すべきとの立場を表明していますので、私は議員団を代表し、討論いたします。

 本請願は、中学校給食の全員制について、リスクの多い巨大給食センター建設を見直すこと、学校調理を基本とし、できるところから早期に実施することを求めるものです。

 京都市は、実施方式について、63校分2万6000食の一部を民間調理業者に委託する計画ですが、巨大給食センターを基軸に検討している点は現在も変わっていません。

 請願には「子育て中の世帯や子育てを考える若年層にとって、学校給食の在り方は、住みたい自治体を考える大きな要素になる。子どもを大切にしてくれる自治体かどうかが問われている」とあります。子育て世代の流出、京都市は深刻です。給食は、子育てしやすい自治体かどうかの判断のひとつになっています。巨大給食センターで2万食以上つくられ、そこから何十台ものトラックで運ばれてくる給食。請願にも書かれていますが、生徒たちが食べる2時間前につくられた給食は、色や食感・温かさ・香り・味等、学校でつくられた給食とは大きく異なります。「ドライバー不足は」「時通りに届くのか」「食中毒のリスクは」「アレルギー対応はどうなるのか」。しかも、栄養教諭は巨大給食センターにはたった3人しか配置されません。これで本当に子どもが大切にされていると思えるでしょうか。子育て世代が魅力を感じるでしょうか。学校という公の施設で、安心安全な栄養バランスの整った給食を食べることはこどもの権利です。

 また巨大給食センターは、防災の観点から見ても大きなリスクがあります。今は、どこで、いつ大きな地震が起きてもおかしくない状況です。地震やそのほかの災害でセンターが被災すれば、2万人以上の子どもたちの給食をつくることも配送することもできなくなります。中学校に給食施設を設置すれば、災害時の避難所としても重要な機能を果たすことができます。避難所は在宅避難者の支援も行う必要があるので炊き出しは量が必要です。党議員団の調査で訪問した神奈川県愛川町は、学校の給食施設で炊き出し訓練を行い、電源車と給水車を使用して、カレーライス420人分を調理されました。災害時に給食施設の活用を想定している他の自治体でも、LPガス設備の整備等ライフラインが寸断したときの準備がされています。京都市は、「災害時の炊き出しは家庭科室を使用する」という考えですが、それでは不十分です。

 巨大給食センターを建てれば、今後も中学校に給食施設がないままとなります。生徒数に必要な面積が十分あり、給食施設を建てても建蔽率、容積率ともに基準の範囲内という中学校はあります。そこで近隣の中学校の分もつくって運ぶ方法なら、コストを抑え、早期に実施できると考えます。巨大給食センターでは栄養教諭は上限3名ですが、給食施設を設置する中学校を増やせば、より多くの栄養教諭を配置し、より丁寧な栄養指導や食育を実施できます。

 今回の請願の要望署名3万3985筆が京都市長と京都市教育長に提出されました。署名は広がり続けています。「小3の息子にはアレルギーがあるが、栄養教諭の先生に寄り添ってもらい安心だった。全員制になるなら、中学校にも栄養教諭は絶対必要。」「給食に有機食材を取り入れてほしい。巨大給食センターで有機給食は無理」「小学校のように学校で給食をつくってほしい。その方が安心できる」など、保護者のみなさんから多くの声が寄せられています。市会として、この民意を重く受け止めるべきです。以上、申し述べて討論とします。