加藤あい議員(左京区)本会議討論,市民サービス削減の撤回を
2月28日の本会議において、2022年度2月補正予算案の討論が行われました。議員団を代表して、加藤あい議員(左京区)が討論しました。以下、討論全文です。
日本共産党京都市会議員団は議第329号2022年度京都市一般会計補正予算に反対をしていますので、私は議員団を代表して、以下、理由を述べます。
本補正予算は、第一に、国の総合経済対策の財源等を活用した補正、第二に、光熱費高騰や国庫支出金返還金等への対応、第三に、市税等の予算額からの増収を受けての措置を講じようとするものであります。
主に国の総合経済対策の財源等を活用して進めようとされている道路・橋りょう・河川・公園等の安全対策・防災対策、学校の長寿命化・安心安全やバリアフリー対策、鉄道施設整備助成や地域公共交通への支援、救急需要への対応等は必要なものであります。
また、子ども子育て支援交付金の国・府への返還について、学童保育については、国補助の基準との違いから生じたものであり、各運営団体に対して「委託料の返還は請求されない」とされたことは重要です。国に対し、実態にあった補助基準とするよう改善を求めることとあわせて、今後について、運営実態に即した必要な財政措置を講じることを求めておきます。
いずれにしろ、しかしながら、今回の補正予算については重大な問題があります。
今補正が、11月補正以降の市税等の72億9000万円増加分を、「計画」に基づく特別の財源対策の「回避」にあてようとしている点です。これは2021年度において、市税の上振れ分、187億円を公債償還基金の返済にあてたことに続くものです。このようなことの一連で、市長の示す財政の見通しは、大幅修正され、2025年の公債償還基金残高は、目標の1045億円から、約2倍の2002億円とされました。
そもそも、いま、73億円もの予定外の上振れ分を何にあてるべきなのでしょうか。
今年度は保育所補助金削減や敬老乗車証や学童保育料の値上げなど、53億円もの市民への痛み押し付けが行われました。
約2万5000人が敬老乗車証の交付を受けるのをあきらめ、民間保育所補助金削減により実際にボーナスカットなど、保育士処遇の後退が発生しています。
コロナと物価高騰に輪をかけて押し付けられた痛みに、市民から悲鳴の声があふれているではありませんか。これらは、これまで行われていなかった市長の政策判断によって引き起こされている事態です。
こうした市民へのマイナスの影響を捉えて、予定外の上振れは、まずは、市民の痛みを取り除くことにあてるのを優先するのが、真っ当な自治体の姿ではありませんか。
予定外の上振れが起きたのに、市民への痛み押しつけは変更なし。来年度も継続する。しかし、財源対策は、当初計画にない変更を行う、優先順位がまったくまちがっています。市長がいかに市民の暮らしや福祉の予算を軽んじているか、いや、財政危機を言いながら、むしろ、福祉や暮らしの予算を削ることを自己目的にしてきたのかをさし示しているものと言わなければなりません。
市長が市民の痛みを顧みない姿勢をとればとるほど、市民の暮らしの疲弊を招き悪循環におちいります。一部の大手企業の法人市民税収にのみ翻弄されるのではなく、1番基本的かつベースとなる既存事業者や市民の暮らし、地域経済にこそ光を当てるべきではありませんか。
重ねて申し上げますが、いままっさきに市長がやるべきは削減した住民サービスの復元であります。そして、来年度以降の行財政改革計画による53億円の市民サービス削減の撤回であります。
そのことが、住民の福祉の増進を図る地方自治体の本旨に沿うものであることを強く指摘して討論といたします。ご清聴ありがとうございました。