日本共産党 京都市会議員団

メニュー

お問い合わせ

最新情報

玉本なるみ議員(北区・共産)代表質問 物価高騰,国保,ギャンブル依存,万博校外学習問題

<代表質問の大要を紹介します>

 北区選出の玉本なるみです。日本共産党京都市会議員団を代表し市政一般について市長に質問します。

 まず、冒頭に、自民党の西田昌司参議院議員が沖縄のひめゆりの塔についての暴言を行い、批判を受け謝罪はしました。しかし「言っていることは事実」との弁解は許しがたいものであり、沖縄県議会の決議と同様に謝罪と撤回を強く求めます。質問に入ります。

1.物価高騰対策としての消費税減税を国に求めよ

 まず、物価高騰対策について質問します。国民の主食であるお米が高くて買えない、4月からの飲食料品4225品目値上げ、トランプ関税による経済への大打撃の懸念等により、国民の生活への不安は増大しています。今、政府や自治体がやらなければいけないことは、物価高騰で食べることにも苦しむ市民の暮らしをいかに応援するかということです。米価高騰対策を京都市長として、国に求めるべきです。いかがですか。

 日本共産党は4月に「物価高騰から暮らしを守る緊急提案」を発表しました。消費税の廃止をめざし緊急に5%に引き下げて、一世帯(平均)年間12万円の減税とインボイス制度を廃止することを提案しています。国債に頼らず、大企業・富裕層に優遇してきた税負担を10年前の水準に戻し、財源を確保することを求める消費税減税提案に対して、国会で石破首相は「御党の安易に国債に頼らないという姿勢は立派だ」とし、「検討していかなくてはならない」と答弁しています。

 国に対して、市長から、物価高騰対策として、消費税減税を緊急に要請するべきです。

 さらに、京都市が独自にできることを積極的に検討すべきです。東京都が夏の4か月間水道基本料金を無料にすると発表しましたが、京都市は無策と言わざるを得ません。京都市が東京都と同様の水道基本料金の無償化にかかる予算は約30億円とのことです。やる気の問題です。

2.国民健康保険料値上げの撤回を

 そして、京都市でむしろ負担を増やすことになるのが、国民健康保険料の6月からの引きあげです。保険料は今でも、負担の限界を超えています。今年の引き上げ分の32億円を国保会計へ繰り入れ、市民の負担を軽減すべきです。

 また、国は、2023年10月に保険料水準統一加速化プランを策定し、独自に保険料を軽減する自治体を敵視し、2029年度までに保険料水準統一化を誘導しようとしています。京都市は国と呼応しすでに今後5年間で国保会計への一般会計の繰り入れを削減する計画を立てていますが、とんでもない計画であり、計画は撤回すべきです。国に対しても保険料水準統一化はやめるよう求めるべきです。いかがですか。

【答弁→市長】 物価高騰の影響が長期化する中、市民生活、事業者を支えるため、学校給食費の保護者負担軽減、福祉、子育て施設や公共交通事業者の運営支援、中小企業や農林事業者等の経営基盤強化に取り組むことが重要と考え、2月補正や当初予算では必要な予算を確保した。これらの支援を届けることに注力する。必要な場合は国に対しても要望していく。

 消費税は社会保障の貴重な財源であり、減税により市民サービスの提供に支障のなきよう、国において慎重な議論が必要と考える。

 今回の国保引き上げは、制度の仕組みに見合った保険料設定とすることで、一般会計の過度な負担に頼ることのない財政運営を確立し、将来にわたって持続的で安心して医療を受けていただけるよう制度を維持するために決断した。納付が困難な方に対しては、区役所の相談窓口で対応し、医療を受ける機会が損なわれないよう対応する。

 保険料水準の統一化は、構造的な課題を抱える国保の財政運営の安定化、被保険者や市町村における負担の公平性に資する必要な取り組み。国からも統一化に向けた取り組みを加速するよう示されており、京都府に対して早急に議論を進めていくよう、要望していく。

3.国民健康保険全被保険者に資格確認書の送付を

 次に、国民健康保険証について質問します。昨年12月より、新規の保険証の発行が廃止され、今年11月30日に有効期限が切れます。今年度の更新からは、マイナ保険証を登録していない人には、国民健康保険証と同じ機能をもつ資格確認書が送付されますが、マイナ保険証の方には「資格情報のお知らせ」のみで、保険証の代わりになるものではありません。

 マイナ保険証を持っていても、窓口で本人確認の手間やトラブル等も起こり、結局正規の保険証を利用している方が多くあります。マイナ保険証利用率は今年3月で27.59%という実態です。

 政府も混乱を避けるために、75歳以上の方が加入する後期高齢者医療については、7月の保険証の更新時に、すべての被保険者に資格確認書を発行することを判断しました。日本共産党はかねてより、全員に発行すべきと提案してきました。国保においても、被保険者全員に資格確認書を発行すべきです。

 東京都渋谷区と世田谷区は被保険者全員に発送する決断をされました。マイナ保険証の利用率が低いこと、申請制にすると事務手続きも集中してしまうことなどから総合的に判断して、全員に交付することにしたとのことでした。独自の判断で可能ということです。京都市国保としても独自の判断で実行すべきです。いかがですか。

【答弁→保健福祉局長】 後期高齢者医療の被保険者については、ITに不慣れなどの理由で、マイナ保険証の保有状況にかかわらず、すべての被保険者に対して、資格確認書を交付する暫定的な運用が示されているが、一方、国民健康保険においては、一律に資格確認書を交付することは認められないと国から示されており、現時点で被保険者全員に資格確認書を交付する考えはない。

4.医療機関の入院ベッドの削減中止、医療崩壊止める対策を

 次に、医療機関の病院ベッドの削減について質問します。

 今、医療機関はコロナ禍からの回復がされないまま、2024年の診療報酬の引き下げと物価高騰による影響で、多くの医療機関の経営が悪化しています。職員の賃金が上げられず、人の確保もできないという悪循環になっています。

 自公政府は医療費抑制のためと、入院ベッド削減と病院自体を統廃合してきましたが、今後さらに、大規模なベッド削減のために、入院ベッド1床を削減するごとに410万円の支援金を出すというベッド削減を誘導する提案をしています。しかも財源は消費税です。削減希望の手上げのあった病院のベッド合計数がなんと5万床で、京都府内では2047床ということです。背筋が凍る思いです。  

日本病院会など6病院団体が3月に昨年の診療報酬改定後の病院経営状況についての緊急調査をされ、経常利益が赤字の医療機関の割合も61.2%に増大していると報告されています。

 そこで、6病院団体は日本医師会と合同で「地域医療は崩壊寸前」で、「ある日突然、病院がなくなります」と訴え、声明を公表されました。いまだかつてなかったことです。まずは補助金による機動的な対応が必要であるとしつつ、2026年度改定前の期中改定での対応も必要と主張しています。医療現場からの深刻な事態として受け止めなくてはなりません。コロナ感染の時のような事態がいつまた起こるかわかりません。入院ベッドがなく、自宅で待機していた方が亡くなるという痛恨の教訓があります。ベッドが不足すると救急の受け入れも困難となります。

 市民の命を守る立場で、市長が、国と京都府に対して、病院ベッドの削減をすべきでないこと、緊急に患者負担増によらない診療報酬の引き上げと医療崩壊ストップ、医療従事者の賃上げ対策を国や京都府に求めるべきです。いかがですか。

【答弁→吉田副市長】 医療機関の運営は厳しい状況にあると認識。このため国において、医療施設等経営強化緊急支援事業として、病床数を適正化した場合の補助等の支援が実施されている。入院病床については京都府保健医療計画において、必要とされる基準病床数が定められており、国が示す適正化を踏まえても、本市を含む京都・乙訓医療圏の基準病床を上回るため、必要数は確保されると認識。

 本市はこれまでから、国に対し、診療報酬の引き上げと物価高騰等を踏まえた支援を、国家予算要望、指定都市市長会等、他の自治体とも連携し繰り返し要望してきた。引き続き必要な要望を行っていく。

5.介護報酬引き下げによる訪問介護事業への影響を調査し、支援策を

 次に、介護保険について質問します。昨年の4月に報酬が引き下げられ、訪問介護事業所の運営が厳しくなり、事業者や利用者から悲鳴の声が上がっています。全国の介護10団体が行った緊急調査では、昨年4月の介護報酬改定後の2024年度の事業収支は報酬が引き下げられた訪問介護を含む在宅系で46.8%が赤字になったと報告されています。

 全国では訪問介護事業所がない自治体が増加しています。問題の根底には介護労働者の賃金の低さによる人材不足があります。私はいくつかの訪問介護事業者や包括支援センター、ケアマネージャーの方々に実態を聞きました。やりがいはある仕事ですが、全産業労働者の賃金の約7割程度という状況で、若い人が職業として選ばない実態が深刻化し、60歳代~80歳代の介護ヘルパーさんたちが現場を必死で支えている事業所もありました。 

 ケアマネージャーや包括支援センターの方からは、必要なケアプランを立てても、実施してもらう訪問介護事業所が見つからず、苦労しているという話もたくさん伺いました。まさに、保険あって介護なしの状況が起こっています。京都市内でも新規の利用者は受けられませんという事業者が増えており、事業者数だけでは実態は評価できないというということです。

 40歳代の若い介護士さんたちが4人で立ち上げた訪問介護事業所の運営が厳しく、廃業されたという残念な事例もありました。今のままでは事業廃止を検討せざるを得ないという声も上がっています。

京都市は保険者として、緊急に訪問介護の実態調査を行い対策をとる必要があります。いかがですか。

 独自の対策として、新潟県村上市では、訪問介護の事業所に対し、2024年度から26年度の期間、事業所の負担軽減と訪問介護サービスの維持を目的に、基本報酬が下げられる前の23年度との差額分を補填するほか、車の燃料代の支援金等も支給されています。  

京都市としても村上市にも学び、同様の対策をとるべきです。いかがですか。

【答弁→保健福祉局長】  実態調査は国においてR6年度から実施しており、R7年度においては新たに移動の手段や時間などを聞く項目を新設して、詳細に実態を把握する方針。介護報酬については国において検討されるべきで、本市で独自に調査する考えはない。

 本市における訪問介護事業所の廃止件数は、改定前のR5年度22件、改定後のR6年度は21件であり、報酬引き下げにより事業者の廃止が増加とは一概に言えない。介護保険制度は全国一律の社会保険制度であるため、本市独自に訪問介護員の処遇改善は困難だが、引き続き、国に対し、事業者が安心してサービス提供を行える水準の介護報酬の設定を要望していく。

【玉本議員】 ご答弁をいただきましたが、市民の暮らしや、医療、介護の現状、国保の問題は、かつてなく深刻な状況にあることをもっと認識すべきです。自治体としての対策を強め、役割を果たすべきです。

6.深刻化しているギャンブル依存症の対策強化を

 次に、ギャンブル依存症の対策について質問します。私はギャンブル依存症が増えていることに、大変危機感を持っています。市内で本年2月と5月にギャンブル依存症問題を考える会、家族の会が主催のセミナーが開催され参加しました。考える会の代表の田中紀子氏のお話の冒頭で「今、LINEで当事者の若者が自殺したという知らせが来た」という発言は衝撃でした。まさに命の問題として、対策をしないといけないと思っています。今、スマホの普及で「ポケットの中にいつもカジノがある」と言われています。警察庁が3月に、違法なオンラインカジノの経験者が国内で338万人に上り、年間賭け金総額は推計1兆2400億円と調査結果を初めて公表しました。今、国会では与野党合意でオンラインカジノを規制する基本改正法案が提案されようとしていますが、オンラインカジノだけでなく、ギャンブル依存症は全般的に深刻な問題となっています。セミナーでは借金をし、被害額も多額となり、家族崩壊、仕事も学業もできなくなる悲惨な事例をたくさんお聴きしました。問題を深刻化させていることに借金がかさみ闇バイトなどに手を染め、犯罪者として逮捕される方や自殺に追い込まれる方もあるということです。

 そこで、こころの健康増進センターの相談も増えているに違いないと思い、相談件数を聞くと、横ばいの状況でした。これは京都市で増えていないということではなく、表面化していないのだと思います。こころの健康増進センターの相談窓口はギャンブル依存にもつながるゲーム依存やネット依存などの相談は対象としていません。取り組む必要があります。解決に向けては、医療機関や家族会などの自助グループと連携しての自立支援が必要です。

 ギャンブル依存症は若者層に増えていることや誰もが陥りやすいが、病気でありちゃんと治療や療養をすれば治るということも知らせていく必要があります。また、専門の医療機関は少なく、療養施設は全国的にも少なく、京都にはありません。

 京都市としてまず、深刻化しているギャンブル依存症の実態について、いかに認識しているかお答えください。

 予防対策と依存症になっている方々への自立支援と家族への支援が必要であり、国や自治体が対策を強化すべきです。こころの健康増進センターの体制強化と京都市立病院に専門医の配属を行うなども検討してはどうでしょうか。

 相談機関なども表記したポスターの掲示を高校や大学の教育機関や交通機関、医療や福祉機関等に貼りだすことや、SNSの発信なども必要です。当事者や家族の会の皆さんは研修会や学校の授業等に積極的に取り組んでおられます。教育委員会や大学などと連携し、急ぎ、予防対策としての取り組みを強化すべきです。いかがですか。お答えください。

【答弁→保健福祉局長】 ギャンブル依存症は、本人や家族の生活に支障を生じさせ、多重債務や犯罪等の重大な社会問題を発生させる恐れがある。昨今はインターネットの利用拡大で依存症を疑われる方が増加傾向にあり、喫緊の課題と認識。アルコールや薬物依存症と合わせて専門相談窓口をこころの健康増進センターに設置し、自助グループ紹介や専門機関につなげるなど適切に対応してきた。これまでから関連機関と連携し周知啓発している。政令指定市の中で最も多くの専門指定機関を指定しており、本市の強みを生かして対策の強化を図っていく。

7.大阪・関西万博への校外学習参加中止の決断を

 次に、大阪・関西万博への学校の校外学習としての参加について質問します。

 わが党はそもそも、大阪・関西万博については、能登半島地震の被災地の復興を最優先にすべきであることと開催地の夢洲はゴミの処理施設でメタンガスが発生している危険な場所であること、開催地の隣地に大型カジノ・IR施設建設のためにインフラ整備が一体として進められていることに問題があると質疑、指摘をしてきました。

 実際開幕され、すでにいくつかの学校が参加していますが、保護者の方から、「子どもが就学旅行で行くことになった。メタンガスの爆発が心配」「現地の情報がなく、旅行会社が対応してくれると言われても不安」等などの多くの不安の声が寄せられています。

 私は5月13日に会場に行き、いくつもの課題となる実態を見てきました。会場を歩いてみて、まず実感したのは、大雨や暑さをしのぐ、屋根付きの休憩場所があまりにも少ないということです。炎天下に屋根のない所で児童生徒が座り込んで集合している場面に何度も出くわしました。

 今後、さらに心配なのは熱中症対策です。まず、観光バスを降りて西ゲートまで、炎天下を15分程歩いて到着となり、さらに大屋根リングやパビリオンまで10分程度かかります。団体の休憩所は予約制のため、予約の時間外は空いていても利用できません。特に熱中症対策としては早めの対処が必要です。場内の診療所は、地図には掲載はされていますが、行ってみると、施設にはなぜか看板はなく、表示も極めてわかりにくい状況でした。十分な下見なしでは、引率される教員も相当な不安を抱えての引率になります。早急に診療所にはわかりやすい看板の設置を求めるべきです。さらに、団体休憩所は西エリアで、昨年3月に爆発事故もあった所の近くです。休憩所横にはメタンガス抜きの排気菅が立ち並んでいます。

 そこで、会場の安全対策への懸念などを理由に地元の大阪府内でも吹田市、交野市、熊取町、島本町等々の市町の教育委員会が校外学習等の参加はしないと表明しています。京都市教育委員会は学校の判断任せで、科学的な見地で安全性を判断していないことは重大な問題です。校外学習としての大阪関西万博への参加の中止を決断すべきです。いかがですか。

【答弁→教育長】 校外学習は重要な教育活動の一つ。その行先や学習内容等については学習活動全体の中で計画することが大切であり、万博への校外学習についても各校の主体的判断で決定している。指摘の安全対策については、日本国際博覧会が適切に対応されているものと考えている。こうした中、現時点で20校を超える小・中・高等学校が万博への校外学習を実施し、万博でしか体験できない学びを得ることができたとの教員や子どもたちの声が寄せられており、教育的な効果を実感している。今後も多様な校外学習に取り組んでいく。

8.ジェンダー平等の取組の推進を(要望)

 最後に、要望を2つ述べます。

 1つめは、京都市のジェンダー平等についてです。取り組みの指標の一つとして、女性管理職の登用率があります。京都市の目標は25%ですが、最高時19%から、今年4月は17.3%で、ここ数年下がり続けています。管理職になっても残業せずに帰れるように職員数を増やすなどの体制の拡充なしには進みません。職員の働き方の改善と共に女性管理職の登用率を上げる取組の強化を求めます。

9.大田神社大田ノ沢のカキツバタ群落の保護を(要望)

 2つめは、北区上賀茂には国の天然記念物に指定されている深泥池生物群集と大田神社の大田ノ沢のカキツバタ群落があります。大田の沢のカキツバタ群落の隣にあった「愛染倉」の建造物が解体され、大邸宅が建設されようとしています。大田ノ沢の水域に影響が出る可能性があると地域住民の運動により、当初の地下駐車場を建設する計画は撤回されました。しかし、大邸宅の建設が大田ノ沢に近接していることから、引き続きカキツバタに影響を及ぼすことが心配されています。京都市として、天然記念物・カキツバタを守る立場で厳正な指導を求めておきます。

以上で、私の第一質問を終わります。