北陸新幹線延伸についての申し入れ
本日、党議員団は、京都市長に対し、「北陸新幹線延伸についての申し入れ」を行いました。
内容は以下の通りです。
日本共産党京都市会議員団
団長 西野さち子
与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームによる沿線自治体へのヒアリングが実施され、京都市長・京都府知事等が出席されました。市長は4つの懸念(地下水保全・残土処分・建設地周辺の交通渋滞・財政負担)を挙げ、「現時点では十分な判断材料がない」と表明され、ルート決定にあたっては「慎重に慎重を重ねた検討の上で、精査を進めていただきたい」と意見を述べられました。京都府知事においても6点の施工の課題(京都丹波高原国定公園への影響、建設残土の処分地確保と運搬、地下水への影響、新駅周辺での工事期間中交通渋滞、文化・歴史的建造物への影響、車両基地予定地域の治水)を明示されました。シールドトンネル工事については、市営地下鉄が地下約20メートルに対し今回は40メートル以深で「これまでに経験のない」深さと距離となり地下水に甚大な影響を及ぼすこと、残土についても30%は中間処理や遮蔽シートで被うことが求められる要対策土であり、処分地確保は「京都市域で非常に困難」であることが示されました。
17日には中野国土交通大臣は5.3兆円に膨らんだ事業費の負担について「見直す予定はない」と表明しました。昨日の衆議院・国土交通委員会では、堀川あきこ衆議院議員の質疑により、大深度地下使用法における地下工事では事前の詳細なボーリング調査ができないこと等の問題が明らかになりました。与党PTでは京都ルートの選定が持ち越しとなりましたが、ルート選定の前提条件が全く整っていないことは火を見るよりも明らかです。
京都府酒造組合連合会及び伏見酒造組合が知事・市長に要望書を提出したことに続き、京都仏教会は「自然を敬い共存する仏教の教えからもかけ離れた」「千年の愚行」と北陸新幹線延伸「計画の再考を強く求める」申し入れ書を提出するとされています。
党市会議員団はムダと環境破壊、住民生活・生業に甚大な影響を与える北陸新幹線延伸計画の中止と、サンダーバード等の拡充を求めてきました。先の11月市会においても京都市会は特急「サンダーバード」の拡充を求める意見書を全会一致で採択しました。事ここに至ってなお、府民・市民不在の一部メンバーで延伸をごり押しすることは断じて許されません。与党整備新幹線推進プロジェクトおよび国は計画を中止するべきです。
党市会議員団は府民・市民のみなさんと運動を大きく広げ、北陸新幹線延伸計画を中止させるために最後まで力を尽くす決意です。
よって、市長におかれては、現局面において、北陸新幹線延伸計画は、ルート選定の条件はなく、はっきりと「同意できない」と表明することを求めます。
以上