【声明】5月市会を終えて を発表
本日、党議員団は、5月市会の評価などについて、「【声明】5月市会を終えて」を発表しました。その本文は、下記の通りです。
【声明】5月市会を終えて
日本共産党京都市会議員団
団長 西野さち子
一、統一地方選挙後初となった5月市会は、5月17日から13日間の審議期間で開催し、5月29日終了しました。市長から2023年度一般会計補正予算など47件が提出されました。党議員団は、事業者による更なる開発に道を開く都市計画提案条例、市営住宅に指定管理者制度を導入する条例の一部改正、教育リストラの一環である学校統廃合条例、問題山積のマイナンバー推進の条例改正、市立芸大工事契約変更議案、議会選出監査委員の選任の12件について反対し、その他の議案35件に賛成しました。党議員団以外の自民、維新・京都・国民、公明、立憲、民主の全ての会派は、市長提案の全ての議案に賛成しました。
一、補正予算について
物価高騰対策として、昨年11月市会で創設された「京都市中小企業等物価高騰対策支援金」の法人3万円・個人2万円の追加支援、住民税非課税世帯に3万円給付する「くらし応援給付金」、低所得の子育て世帯の子ども一人あたり5万円を給付する「子育て世帯生活支援特別給付金」等、党議員団が求めてきた補正予算が計上され、賛成しました。また、京都市初の人材派遣型「ふるさと納税」を活用した、文化芸術団体「HAPS」支援について、国による企業の利益誘導に与せず、本市が関連予算を増額するべきと指摘しました。
一、都市計画の提案に係る規模を定める条例は、都市計画提案制度に係る規模の要件を緩和するものであり、重大です。現制度下でも提案制度を使い、事業者である一人地権者がすでに高さ20mを31mへ緩和しています。今回の提案は狭い土地が多い本市の特性をふまえて区域の規模を5000㎡から1000㎡に緩和するものですが、対象拡大は、事業者による際限のない開発でまち壊しを広げることになります。党議員団は開発者による乱開発をストップすることが自治体の責任であると要件緩和すべきでないことを求めました。
一、代表質問等
党議員団は統一地方選挙で寄せられた市民要求を掲げ実現を迫りました。敬老乗車証の負担増中止・削減された民間保育園補助金復活など「行財政改革計画」の撤回、学校調理での全員制中学校給食実施と無償化や、子どもの医療費助成の更なる拡充など子育て支援策の抜本的強化、新型コロナ感染症対策の真摯な検証と第9波への対応、市バス運賃値上げ中止の決断、更なる景観破壊となる都市計画の見直しと企業誘致の撤回、市営住宅の住戸改善と指定管理者制度導入中止、中小事業者支援と伝統産業支援等、代表質問等で取り上げました。
京都市は山科ラクト健康・文化館の売却・民営化を表明。公共の民間化を進める京都市の姿勢が示されました。代表質問で売却を止め、公共の責任で再開することを求めました。
また、維新・京都・国民議員はジェンダー平等の拠点施設ウイングス京都を含む「公共施設の統廃合」を主張。公共の役割を投げすてる姿勢が鮮明となりました。とりわけ、「行財政改革計画の完遂」を要求し、自民党とともに、市長による「行財政改革計画」路線を推進する勢力であることが示されました。
党議員団はこれらの勢力と正面から対峙し、「行財政改革計画」の撤回を迫り、税金の無駄遣いをただし、くらし・子育てを応援する市政実現に力を尽くします。
一、議会役職等について
選挙後の新たな議会において、日本共産党は引き続き市会第2党となりました。維新・京都・国民が新たに合同会派を組み、会派としては2番目の勢力となるもとで、議長、副議長、議会選出監査委員の議会三役、常任委員会など委員会の正副委員長の選出がおこなわれました。党議員団は市会第2党として、副議長・議会選出監査委員・関西広域連合議会議員候補を立てましたが、自民・公明が議会三役を独占。定数2の関西広域連合議会議員は自民党と維新・京都・国民が選出されました。
委員会の正副委員長選出においては、5常任委員会で委員長1名(環境福祉委員長)・副委員長2名を、予決算特別委員会において副委員長1名を、市会運営委員会副委員長を確保しました。今後、委員会の民主的運営と市民の声がしっかり届く議会運営に尽力します。
一、議員提出議案について
市会議員の請負の状況の公表に関する条例を制定しました。議員個人に対し請負を禁じる自治法が「改正」され、可能となったもと、党議員団としても、公表制度を設けることで一定の透明性を確保することを目的とすることから条例を制定しました。また、委員会条例を改正し、委員会を再編し、環境政策局・保健福祉局を所管する環境福祉委員会、文化市民局・子ども若者はぐくみ局・教育委員会を所管する文教はぐくみ委員会を設置しました。
意見書・決議については、「小中学校給食無償化を求める」意見書、「進行性の障害の状態をふまえた障害支援区分認定及び支給決定に係る適切な運営を推進するための措置を求める」意見書等6件を全会一致で採択しました。
党議員団と立憲の共同で「出入国管理及び難民認定法改正案は廃案にし、国際人権基準に沿った人権尊重の制度に徹底的に見直すことを求める」意見書を、党議員団と無所属議員の共同で「マイナンバー保険証の義務化と保険証の廃止の撤回を求める」意見書を提案しました。何れも、立憲・無所属議員が賛成しましたが、他会派の反対で否決されました。
また、党議員団として「インボイス制度の実施延期を求める」意見書、「『我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案』を今国会で採決しないよう求める」意見書を提案し、無所属議員が賛成しましたが他会派の反対で否決されました。
維新・京都・国民、立憲、民主が提案、自民・公明・無所属が賛成した「防衛費増額のための安易な増税を行わないことを求める」意見書については、反対し、「増税をとめる唯一の道は大軍拡をとめることであり、軍拡財源確保法を採決すべきでないと意見をあげるべき」と討論しました。
一、 請願・陳情について
「敬老乗車証制度の交付基準の見直しを求める」陳情492件、「小学校のような全員制の中学校給食の実施と給食費の無償化を求める」陳情、「インボイス制度の実施延期の要請」「(松ヶ崎かんぽ跡地について)用途地域の変更及び建設計画の指導を求める」請願が提出されました。党議員団は徹底審議で切実な市民要求実現のために全力をあげます。
一、 最後に
岸田政権による「軍拡財源確保法」や「入管法」等国民不在政治が矛盾を広げています。党議員団は、来るべき総選挙で審判を下し、4月の市会議員選挙で掲げた公約を実現するために全力を尽くします。また、来年2月には、京都市長選挙がたたかわれます。党議員団は憲法と地方自治破壊の国言いなりの市政から、住民福祉の増進をはかる市政への転換めざし住民のみなさんと力を合わせてがんばります。