【申し入れ】新型コロナウイルス感染症に関する申し入れ
2022.01.20
日本共産党京都市会議員団
団長 井坂博文
新型コロナウイルスのオミクロン株の拡大により、感染の第6波が全国で広がっている。京都市においても急速な感染拡大により、1月19日の新規感染者は780人と過去最高となっている。医療や学校、福祉施設においてもクラスターが発生しており、市民生活に深刻な影響が出ている。しかも、第5波を上回る感染拡大状況にあり、爆発的な感染拡大は止まらない状況にある。すでに、京都府内の医療機関の病床使用率は1月18日では40%を超えている。医療機関は逼迫状況になりつつあり、命を守ることに最優先の対策を取ることが求められている。
感染対策の砦である保健所もすでに応援による増員で380人体制に拡充したというものの、感染者数の急激な増大と共に、保健所による疫学調査はまったく追いつかない状態となっている。さらに、1月13日からは、家族以外の濃厚接触者の可能性がある人への連絡は感染者本人に任せるという深刻な事態に陥っている。行政の責任で行う感染者に対する積極的疫学調査は、感染拡大を防止するための入口の調査であり、感染者数の増大に対応できる体制が求められる。
まん延防止等重点措置地域が16都道県に拡大されているが、京都府においては、19日に大阪府、兵庫県との協議の上、要請を見送った。営業が回復しないまま、引き続き時短要請などに協力を余儀なくされる中小・小規模業者にとって、存続に関わる状況にあり、十分な補償が必要である。
昨年末からの子育て世帯臨時特別給付金及び、今後非課税世帯臨時特別給付金1世帯10万円が給付されるが、新型コロナウイルス感染による影響を受け困窮しているにも関わらず、支援対象者となっていないすべての市民に、給付金の対象基準を広げる等の支援が必要とされている。
さらに、コロナ禍2年間で浮き彫りとなった課題をふまえ、国に対し、感染症法に基づく、2類感染症にふさわしい本格的な対策を求めるとともに、京都市民の命と健康・暮しと営業を守るために以下の項目について緊急に実施されるよう求める。
1、増大する有症者の入院・宿泊療養者の病床数の確保を行うこと。かかりつけ医による訪問・電話・オンライン診療の実施にあたっては、各行政区の医師会・開業医等との連携を強め、必要な医療体制の強化を行うこと。公衆衛生行政の拠点である保健所機能を各行政区に戻し、区民に寄り添った対応ができるように抜本的に強めること。
2、ワクチン接種会場を増設し、着実に前倒し接種を急ぐこと。国に対して安定したワクチン供給量を求めること。
3、京都府と協力し、公の責任で無料PCR検査センターの設置・増設やPCR検査及び抗原検査を実施する薬局等を増やし、市民がいつでも、どこでも、何度でも必要な時に検査ができるように体制を強化すること。有症者についても医療機関において、確実に検査が受けられるようにすること。
4、医療、学校、福祉施設等で働くエッセンシャルワーカーの職場において、定期的PCR検査を実施すること。
5、医療機関への減収補てんを行うよう国に求めること。
6、生活困窮者支援については、非課税世帯及び家計急変世帯に該当しない困窮者への支援策として、給付金の対象基準を広げる等、制度の拡充を国に求めると共に、京都市独自の支援策を策定し実施すること。緊急小口資金や総合支援資金の貸し付け、生活困窮者自立支援金などの特例措置が実施されてきたが、2年を超えて影響が長期化する中、生活を継続できるよう公助としての支援策を抜本的に強化すること。
7、各地で実施されている「食料提供プロジェクト」では学生・青年労働者、シングルマザーなど困窮する方々が列を作る状況が続いている。 京都市として、補助金制度を創設するなど支援を行うこと。
8、市として小規模事業者に対する売上げ減少に応じた補填と固定費への支援など具体化をはかること。
9、国、府に対して事業復活支援金の中小・小規模事業者への増額、減収要件の緩和や支援金の早期支給など事業者の実情に合わせた制度とするよう求めること。雇用調整助成金のコロナ特例、休業支援金・給付金の更なる延長を求めること。新型コロナウイルス感染症特別貸付など、無担保・無利子制度の再延長を求めること。
10、国、府と連携し、既往債務の返済が困難な事業者や条件変更に伴う借り換えを行う事業者に対する利子補給や保証料補給の制度を速やかに創設すること。
11、消費税の減税を国に求めること。事業用固定資産税の減免を実施すること。
12、来年度の予算編成では、長期化する感染症対策の規模やスピードに対応できる体制や予算を抜本的拡充すること。大規模事業を延期・見直して予算や体制を確保すること。