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【談話】2021年度京都市決算の概要について

2022.08.05

2022/08/05
日本共産党京都市会議員団
団長 井坂博文

 2021年度京都市決算概況が発表されました。

 市長は「行財政改革計画」(2021年8月)の策定過程で、毎年「500億円以上の財源不足」が生じ、「このままでは10年以内に京都市の財政は破たんしかねない」と述べていました。しかし、2021年度の決算概況を見ると「500億円の財源不足」が生じていないどころか、実質100億円以上の黒字という状況だったことが明らかとなりました。

 党議員団はこれまでも、「500億円の財源不足というのは、収入を過少に、支出を過大に見積もったものであり、財政破たんという市民を脅す誇大宣伝はやめるべき」と繰り返し求めてきました。2021年度の決算概況は、それが事実だったことを示しています。

 市長による決算概況の説明では、歳入総額が1兆519億円、歳出総額が1兆589億円で、赤字は70億円。また、繰越財源15億円があり、これは歳入から差し引く必要があるので、結局、赤字の合計は85億円。89億円の「特別の財源対策」(行政改革推進債22億円・調整債17億円・公債償還基金の取崩50億円)を行った結果、実質収支は4億円の黒字決算になったとしています。

 赤字が説明の通り85億円だったとしても、「500億円の財源不足」とは大きくかい離しています。さらに、公債償還基金への予定外の「返済」(積立)が187億円も行われていますが、当初予算に計上されていたものではなく、2021年度に必ず必要な「返済」ではありません。これがなければ、歳出総額が減り、85億円の赤字ではなく、102億円の黒字決算ということになります。つまり、「500億円の財源不足」ではなく「102億円の黒字」ということですから、財政の収支見通しから単年度で600億円ものかい離が生じたことになります。このようないいかげんな収支見通しを前提にして、「財政危機」をあおる手法を、市長は改めるべきです。

 毎年「500億円の財源不足」で「京都市財政が破たんする」という「行財政改革計画」の前提が根底から崩れているのですから、市長は「計画」を撤回するべきです。党議員団は、9月の決算議会で徹底した論戦を行うとともに、コロナ禍と物価高騰で厳しさを増す市民生活や中小零細業者の仕事を支援し、医療・公衆衛生を充実させるなど、自治体本来の役割を果たす市政へと転換させるために力を尽くします。