【声明】学校調理の全員制中学校給食の実現を
2023.10.26
日本共産党京都市会議員団
団長 西野さち子
10月16日の第4回京都市全員制中学校給食検討会議では、京都市教育委員会が、生徒・保護者への全員制中学校給食アンケート結果、株式会社長大の調査結果報告書・概要版について報告。それを受けて検討会議は「センター方式がのぞましい」との意見をまとめました。今後教育委員会は、検討会議の意見等を踏まえ、実施方式について検討し、方針を出すとしています。10月24日の文教はぐくみ委員会でも教育委員会は「最終決定ではない」と答弁しているように、センター方式が正式に決まったわけではありません。
それにも関わらず、門川市長は10月19日の市長総括質疑で、全員制中学校給食の実施方式として「給食センター方式」を採用した場合の候補地について、塔南高校跡地を「有力な候補地」と答弁しました。実施方式が正式に決まっていない段階で、無責任な発言と言わざるを得ません。
今回出された株式会社長大の調査結果報告書・概要版は「9割の中学校で給食施設の整備が困難、親子方式は7割の学校で困難」としていますが、根拠となる資料は示されていません。
また、学校給食衛生管理基準では調理後2時間以内の喫食に努めなければなりませんが、センター方式は事故、渋滞等で配送が遅れるリスクがあります。調査結果報告書・概要版には「いずれの中学校でも調理後2時間以内に喫食可能なことを確認した」とありますが、それをどうやって検証したのかも示されていません。
加えて、株式会社長大の資料によれば、「総事業費において最も安価であったのはセンター方式」としていますが、今回の試算に「用地取得費用」は含まれておらず、また物価高騰のもと大規模施設については建設費膨張の恐れもあり、現段階で「センター方式が最も安価」と結論付けることも不十分です。
株式会社長大の最終的な報告書は11月末に提出される予定であり、生徒・保護者への全員制中学校給食アンケートとともに、議会でも十分に検証し、議論する必要があります。
大規模給食センターは、万が一食中毒が発生したときのリスクは甚大です。また、何十台もの配送車が出入りするなどセンター周辺の住環境の問題によって、全国では建設反対の住民運動も起きています。センター方式は国で定められた栄養教諭の配置数が少なく(生徒数1501名から6000名まで2名)、十分な食育が行えない、食材の一括購入・一括調理が前提のため地産地消の拡充が困難、災害で施設や配送車が損壊し、道路寸断等が起きれば給食を提供できない等さまざまな問題があります。
京都市では、長年、市民のみなさんから、小学校のような全員制の中学校給食の実施を求め、市議会に何度も請願が出されてきました。日本共産党京都市会議員団は、その声に応え、引き続き「コスト重視」ではなく、子どもたちの健康と豊かな食育、地域住民の避難所における適切な食事の確保のために、学校に給食施設を設置し、良い給食を実施するために全力を尽くす決意です。