北陸新幹線延伸計画は中止を,請願について討論,えもとかよこ議員(右京区)
2026.07.21
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日本共産党京都市会議員団は、請願第399号「北陸新幹線延伸計画の再検証等」の採択に賛成していますので、私は、議員団を代表し、討論いたします。
本請願は、府内約1100の寺院が加盟する京都仏教会から提出されたものであり、すべての会派が紹介議員になり、総務消防委員会では全会一致で採択されました。わが会派としても、北陸新幹線延伸計画の追認を許さず再検証を求める本請願は、極めて重く受け止めています。請願の要旨には「地下水は寺社仏閣の庭園を潤し、茶道・染物・酒造りといった伝統文化・産業を根底から支えてきた生きた文化財であり、京都の命そのものであると言っても過言ではない」と書かれています。全く同感です。私たちはこの命を、京都を守らなければなりません。
まず地下水についてです。鉄道運輸機構が今年3月に公表した「京都府内 三次元水循環解析と河川水・地下水の成分分析に関する委員会報告書」で、桂川案の土留壁が地下深く100mに及ぶことが明らかになりました。地質学の専門家は、「これだけの規模の土留壁が水を通しにくい難透水層を突き破れば、間にある透水層の水の流れを遮断することは間違いない」と指摘しています。
6月30日、松井市長が与党整備委員会で説明した資料では、「駅部だけでなく、駅間の地下トンネルも含めた地下水の水量・水質に与える影響を示すべき」「駅躯体よりさらに深く設置される土留壁や地盤改良部による地下水の影響について示すべき」と指摘しています。また、個別の井戸に対してどのような影響があるのか、影響が出た場合どのような対応を行うのか、最悪の場合、どこまでの影響が生じる可能性があるのかを示すべきと求めています。京都市としても、請願項目にある通り、この重大な点についてただちに検証すべきです。
次に市の財政負担についてです。桂川案の建設費は、今の試算においても5兆5千億円。京都市財政に多額の新たな負担が加わると必要な社会基盤整備に大きな制約を課すことになり、持続可能なかたちで市政を運営していくことに支障がでます。与党PTは総工費の75%以上を貸付料で充当、起債の交付税措置を50%から70%に引き上げるとの負担軽減策を示しましたが、現在、他の自治体は平成9年から続いている負担割合で支払っており、矛盾を生じさせます。国費であっても国民の税金であることに変わりはありません。
敦賀・新大阪間のB/Cの新たな試算をめぐり、わが党は国交省からヒアリングを実施し、一体評価の「便益」の数値を明らかにするよう求めましたが、「与党PTにも示していない」と公開しませんでした。つまり「小浜・京都ルートB/C1.1」の根拠は何も示されていません。従来通りの個別区間ごとのB/Cは桂川案0.5と、着工できないレベルです。国の公共事業として行われる整備新幹線には、採算の取れない路線はつくらないという大原則があります。これを押し通せば多大な経済的負担を次世代に押し付けることになります。京都市も財政への影響を検証すべきです。
本請願は北陸新幹線京都市内ルートについて、地下水への影響、市の財政負担に関し、「京都市が独自に精査・検証を実施し、その結果を議会・市民に対し公表の上、説明責任を果たし、それらが果たされるまでは、京都市として本事業の推進を認めず、国及び事業者にその意思を申し入れすること」を求めておられます。議会も市長も、その声に応える必要があります。
また、シールドトンネル立坑建設予定地周辺の住民からは「立坑からの騒音・振動、幅員の狭い国道162号線を残土運搬車両が通ることで発生する交通渋滞悪化、交通事故のリスク」を訴え、「事業への住民説明会の開催を国と機構に求める」こと、「小浜・京都ルートを受け入れない」ことを求める請願も出されています。
北陸新幹線の延伸をめぐって、自民党・日本維新の会与党整備委員会が「小浜・京都ルート・桂川案」で合意表明したこと、早ければ2027年度中の着工を目指す方向としたことに強く抗議します。本市会は「北陸新幹線の京都市内大深度トンネルルートへの反対決議」と「北陸新幹線延伸計画に係る国等の適切な対応を求める決議」、この2本の決議をあげています。小浜・京都ルートは右京区鳴滝宇多野を起点とした大深度地下工事を伴うルートです。「地下水への影響」「巨額の財政負担」「建設発生土の処分」「工事車両による交通渋滞」「歴史的建造物への影響」など、住環境・自然環境に関わる問題は何一つ解決していません。
京都仏教会が指摘している「千年の愚行」とならぬよう、京都市議会としての意思を示すことが求められています。日本共産党京都市会議員団は、引き続き「北陸新幹線延伸計画は中止し、くらしに予算を」と求めるとともに、「サンダーバード延伸など在来線の充実」をめざし、広範な市民のみなさんと力を合わせ奮闘する決意を述べ、私の討論といたします。
