患者負担引き上げで国民の命を危うくする政策は撤回すべき,意見書について討論,くらた共子議員(上京区)
2026.03.24

日本共産党議員団は、「医療用医薬品の患者負担の増大と高額療養費の負担上限額引上げの撤回を求める意見書」案を提案しております。私は議員団を代表し賛成討論を行います。
政府は、「将来にわたり我が国の医療保険制度を持続可能なものとしていくために、現役世代を中心に保険料の上昇を抑制しながら、全世代を通じて、医療保険制度に対する信頼や納得感を維持・向上させる観点から、給付と負担の見直しを行う」としています。
しかし、これは、現役世代の社会保険料に対する負担感の軽減を口実に、いま現在医療を受けている患者に治療の断念を迫る重大な問題があり、医療の使命に逆行します。
この間、政府はOTC類似薬の保険適用除外を行うとしましたが、日本医師会はじめ全国の患者会、国民の反対の声で一端、見合わせざるを得なくなりました。ところが、政府はまた、これに代わる制度改正として、OTC医薬品が対応する症状について、適応がある処方箋医薬品以外の医療用医薬品のうち77成分、約1100品目程度を対象として、新たに薬剤費の4分の1を「特別料金」として患者に負担を求める仕組みを設けるとしています。これが導入されますと、薬剤料のみでも、例えば解熱鎮痛薬なら5日分で、窓口負担が3割の場合、現在45円が72円に、便秘薬30日分では360円が570円に、抗アレルギー薬30日分では540円が855円へと負担が増えることとなります。政府は、この制度改定の理由を「医療保険で医師から処方を受ける場合と、保険を使わずOTC医薬品で対応する場合の公平性」などとしていますが、まったく理屈になっていません。病気の早期発見、早期治療こそ、医療の大原則であり、国民の医療へのアクセスを保障すべき国が、自己責任論で国民の命を守る責任を放棄することは断じて認められません。2027年3月実施としている患者負担増の見直しはやめるべきです。
さらに、重大なのが高額療養費の負担上限額の引上げです。これについても、昨年、がん患者や医療関係者など国民の厳しい批判を受け凍結せざるを得なかった大改悪を、今年の8月と来年8月の2段階で上限額を引き上げるというもので、とんでもありません。試算すると、年収約650万円~770万円の方の場合、ひと月の負担上限額は約1,4倍に増えることになり、年間の負担上限額を設けるなどの一定の対策を取るとはしているものの、高額療養費制度の利用者の少なくとも7割の方の負担が増大することになります。
わが党の辰巳議員は、衆院予算委員会で、乳がんの治療を受けながら子育てしている40代女性が「子どもとまだ生きたい、子どもの成長を見届けたいという一心で治療と仕事を何とか両立しているが、この願いと努力を打ち砕き、命の選択が迫られる改悪だ」と痛切に訴えていることを紹介しました。その上で、高額療養費の負担増による給付費削減は年2450億円。4割超の1070億円は受診控えによるものである一方、高額療養費の患者負担増による保険料の軽減は1人当たり月約120円、OTC類似薬の患者負担増による保険料軽減は約30円。合わせても月約150円であることから、まさに、ペットボトル1本分ほどの現役世代の保険料軽減と患者の命を引き換えにする大改悪であると指摘し、厳しく追及しています。
物価が高騰し、中東情勢と合わせ国民生活への影響を推し量る必要があるもとで、国民の命を危うくする政策は撤回すべきであります。いま、政府に迫るべきは、我が国の最高法規である憲法を遵守することです。軍事費予算を9兆円に引き上げ、一方で医療費の自然増分を抑え込み、さらに切り下げる政策は憲法が定める平和の原則と命の平等に反します。以上の理由から、「医療用医薬品の患者負担の増大と高額療養費の負担上限額引上げの撤回を求める意見書」案への各議員の賛同を求めまして、わたしの討論といたします。
