日本共産党 京都市会議員団

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議会質問・討論

南区の投資型マンション建設に対する指導強化を,請願について討論,森田ゆみ子議員(南区)

2025.12.24

 日本共産党京都市会議員団は、請願第394号「マンション建設の指導(南区西九条唐橋町)」の不採択に反対の態度を表明しておりますので、以下その理由を述べます。

 現場は、世界遺産・東寺から大宮通を挟んで東側、2階~3階建ての建物が立ち並ぶ住宅街で、5階建ての建物は周りと比べ突出しています。請願者の方は、投資型マンション開発業者による本計画によって、日照悪化、プライバシー侵害、圧迫感、風通し悪化など、住環境への悪影響を訴えておられます。

 私はまちづくり委員会で請願審査の際、近隣の保育園の方が、保育園運営に関わる懸念事項、工事中の騒音やほこりの問題、完成後のプライバシー保護などの訴えについて、子ども若者はぐくみ局への要望書を提出されていることを紹介しましたが、質疑のやり取りの中で、子ども若者はぐくみ局から都市計画局側に、伝わっていないことが明らかになりました。京都市総体として、近隣の方々の声をまともに受け止めていないことは大問題です。

 完成後のプライバシー保護などの訴えに対し「対策として園側にも何か対策ができる」など被害を受けている、保育園側に対応を求めるなどひどい答弁もありました。

 投資型マンションをつくる事業者にとっては、建物を作り売却し、利益を確保することが何よりの目的です。しかし周辺のみなさんにとって、建物が出来れば何十年もお付き合いすることになるため「建物売却後は何も知りません」とならないよう、事業主と直接お話したいと思われるのは当然です。京都市は「事業者は丁寧に対応している」と説明していますが、このことは周辺住民の実感と全くかけ離れたものです。事業主は全てを住民対策事業者に任せ、連絡先や担当者すら明らかにせず、住民のみなさんが何度も求める中でようやく2回目の説明会に応じたのであって、こうした対応に接した周辺住民が、不安に思われるのは当然ではありませんか。

 しかも第2回目の説明会について、市は報告書の提出も求めていないことが明らかになりました。

 また、市としても推奨していない、歩行者との接触リスクが高まる「串刺し駐車場」を交差点内につくる計画であることも問題です。

 さらに、都市計画局は、「投資型マンションが増え続けると更なる地価高騰を招くのではないか」との質問への答弁を拒否するなど、京都市の都市計画を担当する部局として、あまりにも無責任な答弁をくり返しました。

 京都市各地で起きている宿泊施設や巨大マンション、投資型マンションの乱立が、地価高騰、家賃や固定資産税の上昇を招き、住み続けることが困難な街をつくり出してきたことは、誰の目にも明らかです。乱開発から京都の街並み、世界遺産周辺の住環境を守り、これ以上の地価高騰を防ぐためにも、京都市における開発事業者への厳しい指導が求められています。以上のことから、本請願の「採択」を求め、私の討論といたします。