「京都市男女共同参画センター条例」の改正案に反対討論,玉本なるみ議員(北区)
2025.12.11
-scaled-e1765436991210-1024x579.jpg)
日本共産党京都市会議員団は議第144号「京都市男女共同参画センター条例の一部を改正する条例の制定について」反対の態度案を表明しておりますので、私は議員団を代表し反対理由を述べます。
まず、男女平等への取組は徐々には進んできていますが、まだまだ課題が多くあると言わざるを得ません。
2025年の日本のジェンダーギャップ指数が148か国中118位であること、京都市としては、R6年度男女共同参画市民意見意識調査の各分野での平等感調査で、女性は学校教育以外のすべての分野(職場、家庭生活、地域活動、社会の慣習やしきたり、法律や制度、政治への参加)で男性の方が優遇されていると答えています。日本及び京都市においても男女平等が進んでいるとは言えない状況にあります。
今後の男女平等を推進していくために重要なのは、行政の役割であり、その拠点であるウィングス京都の愛称で親しまれている男女共同参画センターは、機能を強化し一層連携していくことこそ必要であります。市の組織体制も男女共同参画推進課を男女平等推進部や男女平等推進局に昇格させ、組織や機能を強化すべきです。
ところが、今回その拠点であるウィングス京都の面積を大幅に縮小することが打ち出されました。京都市自身がウィングス京都について、施設の機能維持向上を基本とするとしていることと逆行するものと言わざるを得ません。
今回の条例の一部改正は、ウィングス京都の玄関部分から1階全体を民間に1年間4000万円で貸し出すために、2階の和室や調理コーナー、ビデオシアター、1階のギャラリースペースのトータル面積で235㎡を稼働率が低いことを理由に廃止するものです。そして、1階で重要な役割を果たしている総合受付カウンターや図書情報室、子どもの部屋、事務室等を大幅に縮小し、2階に引っ越しする計画は重大な問題です。
ウィングス京都の民間活用をめぐっては、R7年3月の京都市男女共同参画審議会において、委員から「収益につながらないような事業、例えば、図書館事業や相談事業、市民活動の貸館事業が切り捨てられていくのではないか」「ウィングス京都を見直した際に民間団体にお金を落とせないような人は使えないようなことにならないよう、慎重に検討していただきたい」などと厳しい意見が出されていました。審議会や女性団体、利用者等の声も積極的に聴取し、民間企業のみと協議を進めることのないようにすべきです。
女性支援法施行から1年半、困難な問題を抱える女性への支援に必要な施策を講じる自治体の責務が明記され相談支援の窓口となるウィングス京都の機能強化こそが今求められています。稼働率が低いので廃止や縮小するというのは、行政としての怠慢と言わざるを得ません。授乳室についても以前に健康チェック室として活用していた地下の22.1㎡の広い部屋をリニューアルをせず、そのまま使用し、利用者の市民が1階で鍵をもらって自分で開けて入ってもらうという大変不便な運用であり、給湯設備もありません。男女共同参画を推進する立場の京都市が、指定管理者の男女共同参画推進協会と協議を行い、日常的にウィングス京都の施設の活用やリニューアルなどに積極的に取り組む必要があったと考えます。ここにも市の組織体制の弱さが表れているのではないでしょうか。
これらの理由から、民間活用は白紙に戻し、男女共同参画を推進するためにウィングス京都の機能強化について男女共同参画審議会や、指定管理者、女性団体、利用者等と十分に協議を行い、これからの、京都市の男女平等・参画の推進、多様な社会を作っていく拠点としての役割が発揮できるようにすることを求め討論といたします。
