日本共産党 京都市会議員団

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議会質問・討論

2024年度公営企業特別会計決算について討論,北山ただお議員(山科区)

2025.10.30

 日本共産党市会議員団は、報第13号水道事業特別会計決算、報第14号公共下水道事業特別会計決算、報第15号自動車運送事業特別会計決算について認定せず、報第16号高速鉄道事業会計決算については認定する、との態度を表明していますので、私は会派を代表してその理由を申し述べます。

 報第13号、報第14号につきまして、今回ほど上下水道の老朽管対策が叫ばれたことはありません。埼玉県八潮市の道路陥没事故や本市の五条高倉での水道管漏水事故など全国では年間2万件の漏水も起こり、国土交通省も全国で緊急特別調査を指示するなど、命の水を守り都市根幹施設の安全安心を確保することは喫緊の課題です。老朽管の更新や維持管理に対する国の補助制度が劣悪なところに大きな問題があり、その改善に対して市長の大いなる努力と実現に向けた決意が求められます。同時に、下水道会計に繰り入れていた出資金の復活がされていないことは問題です。次年度予算に計上されることを強く求めるものです。さらに、事業を民営化に引き込んでいく広域化について京都府に追随していること、「事業の根幹は守る」と表明されながら民間委託にどんどん踏み込むことはやめるべきです。

 次に報第15号市バス事業についてです。まず、ただでさえ運行回数が少ない調整区間において「ダイヤ改正」の名のもとに減便を行い一層不便になりました。運賃につきましても「値上げは回避する」と市長は公言していましたが、昨年調整区間において値上げを強行しました。市長は「値上げ回避は均一区間の事だった」と述べられましたが、見識が問われます。西京区の方から「減便を元に戻してほしい。運賃値上げは撤回せよ」とたくさんの市会請願や陳情が寄せられましたが、聞く耳持たずの態度であり、厳しく抗議し元に戻すよう求めます。運転士不足の問題でも、給料の引き上げが求められ昨年は一定の引き上げはありましたが給料表の5表から1表への変更はされず抜本的な改善がされていません。

 さらに、交通局理事者は「なりふり構わぬ経営努力をする」と表明されますが、一般会計からの補助については「一般会計に頼らない経営をする」と真剣な努力がされていません。敬老乗車証について、制度が改悪されその分繰入れも3年間で17億円も減らされているのに改善要望もしないのでは、「なりふり構わない」とは裏腹の態度ではないでしょうか。市長が管理者に対して、「独立採算が原則と言うものの、宿泊税を中心に一般会計からもしっかり支援するので、上を向いた、前を向いた経営をしてほしい」と言われたことが管理者の答弁で明らかになりましたが、市民の足を守る責任を一般会計が果たすことは当然です。独立採算性こそ市民に負担を押し付けるとともに交通事業を困難にしている最大の要因であることは明白です。独立採算制を止めさせることを他の事業者とともに国に強く求め、さらに国の支援を拡大し、運賃値上げをすることなく公共交通である市バス・地下鉄の運営を行うことを求めるものです。

 報第16号地下鉄事業につきましては、私たちが長年求めてきた転落防止柵の全駅設置計画を具体化させ、駅トイレの改善や生理用品の提供などの努力をされているので認定いたします。但し、駅務員の民間委託や無人改札口など乗客サービスを後退させていることは改善されるよう求めておきます。

 以上を持ちまして討論といたします。ご清聴ありがとうございました。