日本共産党 京都市会議員団

メニュー

お問い合わせ

議会質問・討論

核兵器禁止条約への参加・調印・批准を,請願について討論,えもとかよこ議員(右京区)

2025.09.30

 日本共産党京都市会議員団は、核兵器禁止条約への参加・調印・批准を求める意見書採択に関する請願を採択すべきとの立場を表明していますので、私は議員団を代表し、討論いたします。

 国連が「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」に定める26日、核兵器禁止条約に中央アジアのキルギスがニューヨークの国連本部で署名し、同条約署名国が95になりました。署名せずに加盟した国が4カ国あり、国際NGOの核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は、条約加盟参加資格のある197カ国のうち、署名・批准した国が99に達したことによって「核兵器禁止条約が世界の多数派になった」との声明を発表しました。

 昨年、ノーベル平和賞を受賞した日本被団協の田中聡司代表理事は、ニューヨークの国連本部で開かれた核兵器全面廃絶国際デーを記念するハイレベル会合で「私たちは人類が核兵器と共存できないことを命あるかぎり訴え続ける」と語りました。田中聡司代表理事は演説後の記者会見で、世界の流れに逆行し核兵器禁止条約に背を向け続ける日本政府について「非常に残念で悲しく悔しい」と述べました。また、海外へ行くと、唯一の戦争被爆国でありながら条約を批准していないことを批判され、他国に条約への参加を堂々と求められない事態になっていると訴えました。本当に残念で悲しくて悔しいです。

 この夏、ゼスト御池で「原爆写真と高校生の描いた原爆の絵展」が開催され、5日間で3000人が来場しました。主催は京都原水爆被災者懇談会、京都「被爆二世・三世の会」など10団体からなる実行委員会で、京都市、京都市教育委員会も後援。会場にはひとことメッセージを書くコーナーが設置されていました。いくつか紹介します。「高校生のみなさんが、お話を聞いて、想像して絵にして、何時間も向き合うことはつらい事だったと思います」「小学3年生の子どもと見ました。絵のリアルさに子どもは少し顔をしかめていましたが、最後まで見ていました。被爆者の方とも交流して、この爆弾から生き残った方たちだと伝えたら、本当に驚いていました」「私は京都市で育ったため、小学校で広島、中学校で長崎に行きました。当時、原爆資料館が怖くて目をふせてしまいました。今私は27歳。大人になって、もう一度きちんと戦争について、今度は目をふせず向き合うチャンスをくださってありがとうございました。戦争から生き抜いて、伝えてくださった方々の意思は私たちが継ぎます」。会場には「日本政府に核兵器禁止条約の批准を求める署名」用紙が置かれていて、原爆の残酷さを目にした人々が、次々と署名されました。

 核兵器の非人道性を認めるのであれば、その使用を前提とした「核抑止力」に依存することは根本的に矛盾します。被爆80年、日本政府に核兵器禁止条約への参加・署名・批准を求める意見書決議は、9月29日現在、731自治体議会で採択され、県・市区町村合計1788自治体の41%となっています。京都府内でも宇治市議会、亀岡市議会、長岡京市議会など9自治体がすでに意見書をあげています。核兵器禁止条約の意義を認め、政府に締約国会議へのオブザーバー参加を呼び掛けている政党も多く、平和と共生をめざす京都市の議会として日本政府に意見書をあげることは大きな意義があります。核兵器禁止条約への参加・調印・批准を求める意見書採択に関する請願への採択を強く求め、討論を終わります。