市は住民の声を受けとめ事業者への指導強化を,請願について討論,請願について討論,くらた共子議員(上京区)
2025.08.07
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日本共産党議員団は、「上京区革堂前之町マンション建設の指導を求める」請願の不採択に反対し採択すべきとの態度を表明しています。私は、議員団を代表し、その理由を述べ討論いたします。
本請願は、現在、上京区の低層住宅密集地に着工されている京阪電鉄不動産株式会社と九州旅客鉄道株式会社による巨大なマンション開発について、京都市が、近接する住民への影響を認識し事業者に住民の要望に真摯に向き合い計画を見直すよう指導することを求めています。
そのマンション開発は、東西は千本通から土屋町通、南北は上長者町通から下長者町通の間、上長者町通千本東入二丁目山王町の一部、千本通上長者町下る革堂前之町の一部からなる約3900㎡の広大な敷地に、千本通側は7階建て、土屋町通側は3メートルの盛土の上に5階建ての集合住宅計3棟114戸、4層、5層建て機械式立体駐車場3基、計86台等を含む計画です。
計画地の北側に居住し、もっとも大きな影響を受ける請願者は、①不鮮明なGoogleマップ加工画像のみの提供ではなく、立体的に分かる3DCADレンダリングによる日影図・近隣関係性を明示すること。②愛染寺町の南側境界付近に建設予定の機械式立体駐車場の規模を縮小し位置を変更すること。機械音や駐車、出庫時の騒音・振動、日照阻害を軽減すること。③プライバシー保護のため、開発地と近隣住宅の南側と北側の境界に植栽すること。④騒音震度計を設置し、工事中の騒音・振動対策を強化すること。⑤千本通の交通安全対策について、マンション建設後の出入口の千本通の交通量増加への対策を強化し、交通量調査、シミュレーションデータ開示、右折での入場の禁止を検討するよう事業者に指導すること、⑥本計画について京都市が精査、調査すること。⑦京都市が庭園や古木、町屋、旧藩邸などの文化的建造物の保護を強化することを求めています。
請願審査における理事者の答弁は「3DCAD等の資料の提出は義務ではない」と述べ、住民の願いを突き放した上に、京都市として、この巨大マンション建設が、いかに住民の平穏な日常を奪い、住み続ける権利を脅かす行為であるか現場調査をしてほしいという切実な声さえも、「調査および精査はしません」と拒否しました。とんでもありません。事業者が建築基準法を遵守するのは当たり前です。しかし、建築基準法だけでは、開発前から暮らしている近隣及び周辺住民の居住環境を守ることはできません。法律の基準で守れない、足りない部分を補い市民が住み続けることができるよう、新しい建物と、界隈の居住環境が調和できるよう図ることが自治体の果たすべき使命なのではありませんか。
いま、本議会に求められているのは、日々の暮らしを塗り替える巨大な力に怯える市民の切実な声を
受け止め、京都市が住民の住み続ける権利を守るための努力を促すことではないでしょうか。建築基準法の枠組みさえ守れば、どこでも、どんなものでも建設できるということを許すのであれば、地域住民は住み続けることができなくなり、自治体の存在も京都の歴史性も文化性も失うことになりかねません。委員会における請願の取り扱いが「不採択」とされましたが、その理由は極めて不明瞭です。
大手企業における巨大マンション開発が住民の住み続ける権利を侵害する事実を訴える本請願を採択し、京都市が住民の声を受け止め事業者への指導を強化すべきであることを求め、私の討論といたします。ご清聴ありがとうございました。