北陸新幹線の京都市内大深度トンネルルートへの反対決議について討論,加藤あい議員(左京区)
2025.06.06

「北陸新幹線の京都市内大深度トンネルルートへの反対決議」を、維新・京都・国民議員団、改新京都議員団、井﨑議員と共同で提案、同決議に賛成し、自民党議員団、公明党議員団、無所属議員提案の「北陸新幹線延伸計画に係る国等の適切な対応を求める決議」に反対していますので、日本共産党市会議員団を代表して、その理由を述べ、討論を行います。
まず、自民党・公明党・無所属議員から提案されている決議について述べます。
自民公明提案決議では、北陸新幹線について、「国策としての意義は認める」として、早期の事業推進が掲げられています。しかし、5兆円もかけて、30年後の新幹線を延伸するのではなく、最も低コストで現実的なサンダーバードの復活と延伸、暮らしに予算を重点配分する国策こそ求められています。50年も前の計画にしがみつくべきではありません。
丁寧な説明や適切な対応を求めつつ、現行計画・すなわち小浜ルートの延伸の推進をうたう決議には到底賛成できません。また、米原ルートについても1兆円ものコストがかかることからすすめるべきではありません。
次に、北陸新幹線の京都市内大深度トンネルルートへの反対決議についてです。
今市会で、市長は「地下水への影響」「建設残土への対応」「工事車両による交通渋滞」「自治体の税負担」とのこれまでから述べてきた、4つの懸念に「文化歴史的建造物等への影響」を加え、5つの懸念を表明しました。この間、事業をすすめる鉄道・運輸機構や国交省によって、自民党府連への説明会、自治体向け説明会が開催されてきましたが、こうした懸念を解消する説明は何ら行われていません。また、住民への説明会をやるとの表明があったにもかかわらず、その表明以来、開催は2ヶ月もたなざらしにされており、肝心かなめの主権者市民に詳細情報が非開示となっていることは重大です。
また、党議員団は、国土交通省が、「地下鉄東西線建設工事について水枯れなどの井戸補償はゼロ」と説明していた件について、新幹線と同じシールド工法で100件以上の井戸補償が発生していた事実を明らかにしました。ところが、国交省は、その事実について京都市から資料提供を受けていたにもかかわらず、「京都市の協力が得られていない」と国会で答弁し、事実と異なると指摘されて、答弁を撤回し、京都市に謝罪する事態となっています。国交省は、計画に市民の理解が得られない中、延伸計画をごり押しする与党PTに従っていることから、情報を隠す、ごまかす、押し通すという、行政としてはあるまじき、不誠実な姿勢に陥っているのではないでしょうか。
決議が「現在の計画をこのまま進めることは京都の未来に向けて重大な問題を招く」との考えに立って反対を表明しているのは、至極当然のことであります。
歴史都市京都を支えてこられた京都仏教会は本計画を「千年の愚行」と断じて、中止を求め、50万を目標に署名に取り組まれています。多くの京都を愛する市民の「京都を壊さない」でほしいとの声にこたえる必要があります。京都市会が、市民の代弁者として、決議のとおり意思表示を行うことの重要性を重ねて表明して討論とします。