日本共産党 京都市会議員団

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議会質問・討論

医療危機をさらに深刻にする病床削減方針の撤回を,意見書の討論,えもとかよこ議員(右京区)

2025.06.06

 日本共産党議員団は「医療危機をさらに深刻にする病床削減方針の撤回を求める意見書(案)」に賛成する態度を表明していますので、議員団を代表し討論します。

 今、医療機関はコロナ禍からの回復がされないまま、2024年の診療報酬の引き下げと物価高騰による影響で、多くの医療機関の経営が悪化しています。倒産・休廃業が過去最多を記録するなか、病床を削減する病院には1床あたり410万円の給付金を出すという異常な「病床数適正化支援事業」への申請が殺到し、5万4千床にのぼる事態になっています。そのうち、京都府内では2047床の削減の希望が出ています。自公政権が24年度の補正予算に盛り込んだもので、1床あたり200万円だった給付金を倍に引上げました。厚労省は第1弾として7千床削減の分の配分を決め、第2弾も実施するとしています。経常利益が赤字の医療機関の割合も61.2%に増大していると報告されています。全国6病院団体は「このままではある日突然、病院がなくなる」と訴えておられます。これは、政府による休廃業の加速、病院つぶしにつながるのではないでしょうか。

 さらに、自民、公明、維新の会の3党は、国民医療費総額を最低年4兆円削減する方針を念頭に、全国の医療機関の病床数を最大11万床減らすことを合意しました。病床数は約114万床で、そのほぼ1割の削減となります。3党は「国民医療費の総額を最低4兆円削減することで、1人あたりの社会保険料負担を年間6万円引き下げる」とのことですが、「医療サービスを後退させて保険料を引き下げる」と言っているにすぎません。11万床もの大規模な削減がすすめば地域の救急医療が機能しなくなり、医療崩壊が急激に進みかねません。

 コロナ禍では病床と看護師不足が深刻な事態を招きました。従来の感染症病床がたちまち不足し、早々に一般病床で患者を受け入れざるを得ず、コロナ受入体制は逼迫しました。罹患しても医療にアクセスさせてもらえず、在宅・施設で多くの人たちが命を落としました。救える命を救えなかった痛恨の教訓を忘れてはなりません。今後も新興感染症が危惧される中、パンデミックを視野に入れた医療体制整備が必要です。国民の命を守るために、病床削減ではなく、地域医療を守り支えるべきです。

 よって、同僚議員、先輩議員の意見書への賛同を呼び掛けて、討論とします。