日本共産党 京都市会議員団

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議会質問・討論

2024年度予算案組み替え動議,玉本議員

2024.03.27

 日本共産党京都市会議員団は2024年度一般会計予算ほか市長が提案している予算案について、予算組み替えの動議を提出いたします。

 2021年度、2022年度連続の黒字決算が示され、このままでは「枯渇する」としていた公債償還基金の残高を改善させています。一方、物価高騰により市民生活はますます厳しい状況に追い込まれています。今、行政がするべきことは、市民の暮らしと中小零細業者の仕事を守るために、最大限の力を尽くすことです。

 ところが市長が提案した予算案は、前市長が進めてきた「行財政改革計画」を継続するものであり、住民福祉を後退させるものとなっています。しかも、来年度予算は2年連続収支均衡予算となっています。市民負担増大と補助金カットの継続、時計の針を逆に戻すわけにはいかないという説明に市民は納得できません。

 本年元日の能登半島地震は自治体のあり方を見直す大きな転機になりました。多くの市民が「もし、京都市で同じような地震が起こったら、どうなるだろうか」という不安と「大阪・関西万博よりも能登半島への災害支援を」と市民の願いは強まっています。消防職員を含め、自治体職員の削減、ゴミ収集やクリーンセンターの運転監視業務などの民間委託の推進などの方針は、撤回すべきです。自治体の公的責任を後退させるのではなく、充実に向けて舵を切るべき時なのに、前市長の職員削減や民間委託化を推進する姿勢を改めないのは問題です。

 さらに、ムダな大型事業の見直しもしないまま、「都市の成長戦略を加速させる」として高さ規制の緩和などで呼び込み型開発を進める姿勢も前市長の継続であり、むしろさらに進めようとしています。京都駅新橋上駅舎・自由通路整備事業計画など、大型開発を進める予算を見直すべきです。

 よって、以下の趣旨に沿って予算案を組み替えるよう求めます。

 第1に、行財政改革計画により、行ってきた市民負担増と補助金カットは元に戻すとともに、公的な役割を後退させる民間委託や民営化の方針、職員削減を撤回すること。

 第2に、京都府内や全国に広がる18歳までの医療費の無料化や学校給食の無償化など、他の自治体に遅れを取っている事業の改善、及び全員制の中学校の給食についても、26,000食の巨大給食センター工場の建設ではなく、学校調理方式による中学校給食の検討を行うこと、市独自の給付制奨学金制度の創設など、子育て支援、若者への支援を拡充すること。中小業者の支援の拡充とともに、規制緩和や補助制度の拡充で呼び込み型開発を推進する方針を撤回することなど、暮らしと生業の支援を拡充すること。

 第3に、北陸新幹線京都地下延伸計画や大阪・関西万博、京都駅北部南部の開発計画など、ムダな大型事業計画推進方針を撤回するとともに、不要不急の大型事業を見直すこと。法人市民税の超過課税を他都市並みに引き上げるとともに、国に対しても累進課税の強化を求めるなど、大企業に対して応分の負担を求めること。

 さらに、自治体への財源を削減してきた国の方針を転換させるなど、さまざま取り組みを通じて財源を確保し、暮らしと中小業者を支援することを求めます。

 この方向こそ、地域経済を活性化させ、人口減少に歯止めをかけ、京都市財政の改善につながるという、好循環をつくりだします。

 以上、予算の組み換えを求め、動議を提出いたします。