日本共産党 京都市会議員団

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議会質問・討論

2023年度一般会計補正予算等に賛成討論,くらた議員

2023.12.12

 日本共産党議員団は、議第136号から議第147号及び議第149号、令和5年度一般会計補正予算案他12件に賛成の態度を表明しております。私は議員団を代表し、その理由を述べ討論いたします。

 賛成する理由は、京都市職員給与及び教職員給与を人事委員会勧告に基づき、3年ぶりに引き上げるために26億1200万円を補正する内容だからです。人事委員会制度は労働基本権制限の代償措置であり、その勧告に従うのは当然のことです。とりわけ、この間、本市における若手職員の退職が相次ぐなど課題が明らかとなっています。公共の福祉を増進する自治体の役割を果たすという職責を担う公務の継続と発展は重要です。職員が市民全体の奉仕者としての職務を担うことにやりがいを感じられ、労働に応じた正当な報酬を保障することが今ほど必要なときはありません。

 教職員給与においては9億2100万円の補正により月例給で0.95%、月額3,770円の引き上げと期末・勤勉手当は4.40月を4.50月に0.10月の増額とするもので、必要なものです。この間の空前の教員不足は京都市の教育の土台を揺るがす大問題です。処遇の基本となる教職員給与を保障し、教師の過重負担を軽減すること、そのためにも教職員の抜本的増員と少人数学級の推進が必要であります。また常勤職員は今年度に遡及して支給されますが、会計年度任用職員についても同様に遡及適用とする必要があります。

 民間保育園等への人件費等補助金の充実で4億円の補正を行うとしていることについて、その内訳は、人件費補助金の控除枠6.5%を10%に拡大するための3億8千万円と休日保育を実施する6園への控除枠の拡大2000万円となっています。京都市が民間保育園の保育士等の人件費に対する補正が必要とした原因は、京都市が再構築した補助金制度の問題にありました。質疑を通して、保育士に支払われる一時金がカットされた事実があることを担当理事者は認めましたが、この重大な事実に対する対策が保育関係者から切実に求められています。人件費補助金の控除枠を拡大しても追加の補助金が充当されない園があることや、追加の補助金が数万円に留まる園も多数であることが明らかですから、4億円の補正だけで保育士等の処遇の後退という重大問題は解決できません。令和5年度予算で削減した13億円を速やかに復活し保育士等の給与や一時金を保障するべきであることを厳しく指摘します。市民の健康や教育、保育に必要な予算を「コストカット」などとして公共性を崩してきたことの問題は明らかです。公共の福祉を担う現場の職員の処遇をしっかり引き上げ確保することにより市民に対するサービスを維持向上させることこそ京都市に求められています。

 つぎに、重点化された洛西“SAIKO”プロジェクトについて、公園等の魅力を向上させるために遊具を充実し、トイレをリニューアルすることなどは求められていることです。この洛西ニュータウン等で行われているリニューアル事業や公園の管理・修繕を、すでに老朽化している市内全体の公園に広げることを求めます。

 さらに新型コロナウイルス感染症対策で介護施設などにおける、かかりまし経費の必要分を増額補正することも必要なことです。新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが2類から5類へと変更されましたが、感染力そのものが低減化したということではなく、重症化や後遺症のリスクがなくなった訳でもありません。医療機関では引き続き感染症対策が実施されています。これまで感染拡大時にベッドを確保し感染症患者の受け入れに協力してきた医療機関では、空床加算が廃止されたことに伴い厳しい経営状況となっています。今後の新たな感染症対策を視野に入れ、各医療機関が安心して市民の命を守る役割が果たせるよう、新たな支援が必要であります。

 最後に、全員制中学校給食に向けて25億円の公共施設等整備基金への積み立てが計上されました。長年、市民が求め続けてきたのは「小学校のようなあたたかくておいしい全員制の中学校給食」の実現です。学校調理方式でこそこれを実現できます。京都市が自治体の本旨である住民福祉の向上を図るために努力することを求めて、わたくしの討論といたします。ご清聴ありがとうございました。