【談話】2023年度当初予算案の発表にあたって
2023.02.10
日本共産党京都市会議員団
団長 井坂博文
一、2月9日、2023年度京都市当初予算案が発表されました。門川市長は記者会見(6日)において「23年度予算で一般会計における一般財源の収支均衡を22年ぶりに達成し、財政難を克服する道筋をつけた」として、「京都市は財政破綻しません。安心してください」と述べました。
一、党市会議員団は、市長が3年前、「500億円の財源不足」「このままだと財政は破綻しかねない」と述べたことについて、事実に基づかない誇大宣伝で「財政危機」を煽り市民を脅すものだと指摘。そして敬老乗車証や学童保育料の値上げ、民間保育園への補助金削減など市民負担増と市民サービス低下を押し付けたことをきびしく批判してきました。21年度決算の実質102億円の黒字に続く、23年度予算案における「財政破綻はしない」宣言は党市会議員団の指摘が正しかったことを示しています。
一、「行財政改革計画」の根底には「社会的な課題の解決を、税金で、公務員が、行政がやらなければならないという時代は終わっている」(市長の幹部職員への訓示:2020年9月)という行政の公的責任を放棄する市長の姿勢があります。市長は「市民・団体等の皆様の御理解をいただいた」と言いますが、「行財政改革計画」案に対するパブリックコメントに寄せられた9千件を超える意見はことごとく無視されました。53億円の負担増と補助金削減に対し市民・団体は理解も納得もしていません。職員削減、時間外勤務の縮減で財政効果額90億円を「成果」と誇りますが、現場で奮闘する職員を削減することは市民サービスの後退であり、コロナ禍対応の最前線で過労死ラインを超える時間外超過勤務を余儀なくされた職員の悲鳴に背を向けています。
一、市民負担を押し付ける一方で、市庁舎整備、学校統廃合、三施設一体化事業、市立芸大整備など不要不急の大型公共事業の見直しはなく、将来に多大な負担を残す北陸新幹線延伸や北山エリア整備は推進する姿勢を変えていません。これまで優遇されてきた大企業や富裕層に対する応分の負担を求める党議員団の提案に背を向けています。さらに、高さ規制の緩和など呼び込み型開発を進めようとしています。
一、今回示された予算案は、市民サービス削減を継続し、条例制定でさらに促進しようとするものです。コロナ禍と物価高騰の中、京都市に求められるのは、市民サービスの復元と負担軽減です。市民負担を押し付ける「行財政改革計画」を撤回し、市民の暮らしと営業を応援する予算案に組み替えるよう強く求めます。
一、予算案には、子ども医療費助成(通院200円)の3歳未満から小学校卒業まで拡充、全員制の中学校給食実施に係る調査費計上、保育料が昨年に続いて2年連続据え置き、地下鉄運賃値上げの回避などが盛り込まれています。市民の粘り強い運動と党議員団の論戦の共同による大きな成果です。党議員団は、引き続きみなさんと力を合わせ、市民の暮らしの願い実現へ全力を尽くします。