日本共産党 京都市会議員団

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議会質問・討論

「民泊」規制強化条例案,議案提案説明,平井良人議員(中京区)

2026.09.17

 ただいま上程されました「市会議第8号京都市旅館業法の施行及び旅館業の適正な運営を確保するための措置に関する条例の一部を改正する条例の制定について」他3件について、日本共産党京都市会議員団を代表し、提案説明を行います。条例の改正、制定は、合計4件。1件は住宅宿泊事業法、その他3件は旅館業法に基づく簡易宿所関連議案です。住宅宿泊事業法に基づく届出住宅と旅館業法に基づく簡易宿所、いわゆる「民泊」を一体的に規制強化するものになっています。

 まず、この条例の制定及び改正の背景についてご説明します。

 観光客数が急増した世界の各都市では、市民生活を守るための規制に乗り出しています。日本では、国による第3次観光立国基本計画で、外国人宿泊客数を7000万人と掲げ、急速に宿泊施設を増やす政策が進められてきました。その一つとして、旅館業法の改正、住宅宿泊事業法が成立しました。京都市でも、住宅宿泊事業条例の制定、いわゆる民泊条例が制定され、同時に旅館業条例の改正がされました。

 これまでも市民の方々からは様々なご意見が寄せられ、わが党議員団にも条例改正への要望や改善を求める声が相次ぎました。京都市の簡易宿所は3226施設、「住宅宿泊事業法」に基づく届出住宅は、1346施設に上っています。まちの姿を変貌させるほど宿泊施設が増え続けています。観光立国推進基本法の「住んでよし、訪れてよし」という理念が踏みにじられているのです。市民の声や運動を受け、市長から「規制強化」の方針がようやく示されました。今度こそ住環境を守る、実効性のある規制ができるのかが問われています。

 今回の規制強化の立脚点を2点述べます。

 第一は、全面的な規制強化を進めるということです。住宅地が集中しているところまで「民泊」が立ち並ぶ地域は少なくありません。これが、住民との軋轢を生み出しているほか、地価高騰で住民が住めなくなり、コミュニティが保てないなど、根本的なまちの構成を急変させています。このような状況を地方自治体が住民の立場に立って改善することが求められます。今回の提案では住宅宿泊事業のゼロ日規制とした住居専用地域は市街化区域の44%に該当します。密集市街地21地区と合わせて、市街化区域の約半分に新規立地の規制をかけることができます。簡易宿所については、そもそも住居専用地域での営業はできませんが、現在、照会をかけている学校・保育所等の旅館業法第3条第3項第3号施設の近くもゼロ日規制とすることで、6割から7割程度は、新規施設の建築制限をかけられます。なお、住宅宿泊事業届出住宅も簡易宿所も①学校・保育所等から110mの範囲の区域、②4m未満の細街路・袋路等、③密集市街地21地区は、新規施設について、ゼロ日規制や建築制限をかけます。これ以上宿泊施設を増やさない、部分修正ではなく、全面的な規制強化を図ることとしました。

 第二は、宿泊業の管理責任を課すという当然の原則に立つということです。民泊新法制定等により、元々は旅館業として義務付けられていた、施設内帳場や管理者の駐在要件が緩和されました。現在、届出住宅の85.1%が家主不在型、簡易宿所の58.4%で使用人等が施設内にいない状況であり、管理者の施設内不在型が、実に3000近くに及んでいます。「駆けつけ要件」、800m10分以内という京都市独自の基準のもと、管理者が本来の管理する場所から離れた場所で民泊ができる状況がつくられました。いざ住民の方々からの通報があっても、管理者が電話に出ない、実際には、10分以内に来ないなど杜撰な管理体制がとられ、住む人にとっても、宿泊者にとっても、安全が守られない状況が生まれたのです。他都市では「施設内における管理者常駐」が宿泊事業者に義務付けられています。管理者が施設内に常駐する、既存事業者は業態変更を行い、常駐型に戻るという当然の原則を明記することとしました。

 以上の通り、これまでの国による規制緩和に無批判に従うのではなく、市民のこれ以上の宿泊施設はいらないとのご意見や管理者の常駐が必要などの声に応えるには、より抜本的・全面的な規制強化の立場からの条例の改正及び制定が必要と考えます。

 次に、条例の概要について、条例ごとに説明します。

 まず、市会議第8号「京都市旅館業法の施行及び旅館業の適正な運営を確保するための措置に関する条例の一部を改正する条例の制定について」です。

 第一は、「営業者等の責務」として、周辺地域の環境との調和に配慮し、住民への生活環境を脅かさないよう努めることを加えます。「市民の責務」を削除します。

 第二に、小規模宿泊施設の特例をやめ、施設外玄関帳場に関する規定、駆けつけ要件の項目を削除し、施設内への玄関帳場の設置と管理者常駐を定めます。「管理者常駐」については、事業者に、3年間の経過措置を設けます。

 第三に、説明会開催への事業者責任を努力義務から義務化へ強化します。加えて、近隣住民の反対意思不存在を証する書類を求めます。

 市会議第11号の「京都市建築基準条例の一部を改正する条例の制定について」は都市計画の手法を用い、簡易宿所の建築規制を行うものです。

 条例の特殊建築物の条文に簡易宿所を区分し、路地、袋路状の道、4m未満の道、学校・保育所等旅館業法第3条第3項第3号に規定する社会教育に関する施設その他の施設から110mの範囲の区域について、簡易宿所の建築を制限するものです。

 市会議第10号「京都都市計画宿泊施設規制特別用途地区建築条例」の制定も同じく都市計画の手法を用い、簡易宿所を建築規制するものです。

 第9条の「歴史都市京都における密集市街地対策等の取組方針に掲げる全国共通指標による」木造密集地21地区について、簡易宿所の建築を制限します。

 このことは、木造密集地や細街路など京都らしい地域について、地震や火災のリスクを軽減することにつながります。違反をした場合には、科料を加えることとなります。なお、既存不適格建物については、引き続き適用されます。

 以上、旅館業法に基づく関連議案の簡易宿所への規制について述べました。

 次に、住宅宿泊事業関連、市会議第9号「京都市住宅宿泊事業の適正運営を確保するための措置に関する条例の一部を改正する条例の制定について」です。

 第一に、まず条例の目的である第1条「宿泊者に対し、質の高いおもてなしを提供することができる環境の醸成」を削除し、住宅宿泊事業に起因する生活環境の悪化を防止することを目的に据えます。

 第二に、「市民の責務」を削除し、周辺地域維の環境との調和に配慮し、住民の生活環境を脅かさないよう努めることを「住宅宿泊事業者等の責務」に加え、事前の掲示に委託事業者の氏名や名称、連絡先を追加し、管理責任を明確にしています。現地対応管理者についても、同様に氏名、名称、連絡先を追加します、説明会開催への事業者責任を努力義務から義務化へ強化します。加えて、近隣住民の反対意思不存在を証する書類を求めます。

 第三に、京町家特例関連の条項、駆け付け要件を削除し、施設内玄関帳場の設置と管理者の常駐を課します。管理者の常駐については、簡易宿所と同様に事業者に3年間の経過措置を設けます。事業者への定期報告に、勤務実績を加えます。

 第四に、実施の制限については、四点です。第一に、第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域は0日規制にします。第二に、路地、袋路状の道、4m未満の道、第三に学校・保育所等旅館業法第3条第3項第3号に規定する社会教育に関する施設その他の施設から110mの範囲の区域、第四に「歴史都市京都における密集市街地対策等の取組方針に掲げる全国共通指標による」木造密集地21地区についても、0日規制を行います。

 施行日については、提案している条例すべてで、令和9年4月1日とします。

 むすびに、京都市は市民生活との調和と言いながらも、観光客を増やし続け、市民生活を後景に追いやってきました。「日本一厳しい条例」「法を超えての条例はできない」として、宿泊施設急増に伴う負担を市民に押し付けてきた京都市の責任を問わざるを得ません。行政は、住民の福祉の増進、市民生活を守るために必要な努力を行うべきであり、他都市ではすでに様々な規制が行われています。日本共産党市会議員団は、これまでも生活環境を守るための規制を重ねて求めてきました。民泊を規制し、住み続けられるまちをつくることが求められています。本条例について、ご審査いただき、先輩・同僚議員のご賛同をいただけますよう、心よりお願い申し上げ、提案説明とします。ご清聴ありがとうございました。