日本共産党 京都市会議員団

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議会質問・討論

北陸新幹線延伸計画の住民説明会開催を,請願について討論,えもとかよこ議員(右京区)

2026.09.17

 日本共産党京都市会議員団は、北陸新幹線延伸計画に係る住民説明会開催等を求める請願を採択すべきとの立場を表明していますので、議員団を代表し、討論いたします。

 まず、請願項目一つ目である「事業への住民説明会開催」についてです。

 新幹線建設は、全国新幹線鉄道整備法と環境アセス法、2つの法律で成り立っています。具体的なルートは環境影響評価準備書手続きにより公表され、次に環境アセス法に基づく住民説明会が行われますが、財政問題や経済効果、事業の是非・計画そのものに関する意見は「その他」の意見として扱われ、議論の対象外とされます。住民からどれだけ反対意見が出ても、それを理由に計画を白紙撤回したり、ルートを大きく変更したりすることはありません。環境アセスメントにおける準備書の手続きはあくまで「事業を実施することを前提として、どう環境を保全するか」というものです。環境省のHP「環境影響評価実施要綱」にも「関係住民の意見は公害の防止などの見地からの意見として求められるものであり、事業そのものに対する賛否を問う趣旨のものではない」となっています。

 住民が事業への意見を言う場はないのか?2025年3月、国と鉄道運輸機構が示した資料により、シールドトンネル立坑建設予定地とされた地域にお住まいの請願者のみなさんは、地域内3カ所でボーリング調査が行われた2023年から住民説明会の開催を鉄道運輸機構に求め続けておられます。ところが鉄道運輸機構は拒否しています。全国新幹線鉄道整備法に沿線住民の意見を聴取したり、情報を公開して説明会を開いたりすることを義務づける規定が存在しません。この法律に住民の視点がないことは、非常に重大な問題です。

 機構は3月に「京都府内三次元水循環解析と河川水・地下水の成分分析に関する委員会報告書」を公表し、新設する京都駅周囲の地下水利用に大きな影響はない、と説明しました。しかし昨年度ボーリング調査した地点などを示す資料は12ページにわたって黒塗りされていました。開示請求を行いましたが、返ってきた答えはすべて不開示でした。理由は、「具体的なルートを想起させるような地名や位置情報を公にすると国民の誤解や憶測を招き、混乱を生じさせる恐れがある、具体的なルートは準備書手続きにより公表する」というものでした。情報は公表しない、説明会を求める住民の声には応えない、具体的なルートを勝手に決めて準備書で公表するなど、これは「地域のことはその地域の住民が主権者として議論して決定する」という住民自治に反しています。「事業への住民説明会の開催」は住民の当然の権利です。法律に規定されていないから説明しないというのは許されません。

 また、準備書が公表されれば、京都市は事業を実施することを前提として、公告・縦覧への事務手続きへの協力や、周囲の環境への影響を評価していくことになります。京都市は誘致していない、懸念・課題は解消していない、市民の体感的な理解と納得が必要と明言しています。大きな矛盾が生じます。

 次に請願項目二つ目「住民生活に多大な影響を与える小浜・京都ルート計画を受け入れないこと」についてです。

 シールドトンネル立坑建設予定地は国道162号線沿いにあり、国道162号線は道路幅も歩道も狭いうえに、交通量が多く、渋滞も発生しています。請願要旨にあるように、立坑から土砂搬出のダンプカーが加われば、今以上に危険な状態になることは明らかです。シールドトンネル立坑建設予定地は北部クリーンセンターのすぐそばにあります。環境政策局は住民との話し合いの中で、19年間にわたり北部クリーンセンター操業に係る健康調査、環境調査を行ってきました。その資料によると、交通調査は国道162号線沿いのちょうど立坑建設予定地と土砂搬出メインルートとされている山越通の3地点で行われていて、騒音は山越通の2地点で毎回平日休日の昼間環境基準を超えています。また立坑は地下の掘削現場と地上を結ぶ拠点となるため、設備や作業から騒音、低周波音が発生します。周辺地域は住宅地なので、工事が実施されれば深刻な騒音被害が生じることが想定されます。

 環境破壊も深刻です。小浜から宇多野まで山岳トンネルで縦断し、土砂を搬出する斜坑が建設され、幹線道路まで新たな道路整備も必要です。北山の自然豊かな山林が壊されます。機構の報告書には山岳トンネルの工事で「尾根部では最大51.8mの地下水位が生じる」と明記しています。岐阜県大湫町ではリニアの山岳トンネル工事で水枯れ、地盤沈下が起きています。山岳トンネルや大深度トンネル建設は、大量のエネルギーを消費し莫大なCO2を排出し、温暖化対策からも大きく逆行するものです。

 こうした生活破壊、環境破壊に加え、京都市財政を圧迫させることは明らかです。全国で深刻な豪雨災害が多発しています。温暖化の影響もあり、ますます頻発化・甚大化していきます。早急にやらなければいけないのは、30年後に開通するという北陸新幹線延伸計画ではなく、防災対策、インフラ整備ではないでしょうか。京都市は準備書が公表されるまでに「小浜・京都ルートは受け入れない」とはっきり明言すべきです。

 京都市会は「北陸新幹線の京都市内大深度トンネルルートへの反対決議」「北陸新幹線延伸計画に係る国等の適切な対応を求める決議」を可決しています。本請願は2つの決議とも合致し、住民の当然の権利である住民説明会の開催を求めるものです。請願の採択を強く求めます。日本共産党京都市会議員団は、引き続き「北陸新幹線延伸計画は中止し、くらし、防災・減災対策に予算を」「サンダーバード延伸など在来線の充実」めざし、市民のみなさんとともに奮闘する決意をのべ、討論といたします。