日本共産党 京都市会議員団

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【声明】3月市会を終えて を発表

 本日、党議員団は、3月市会の評価などについて、「【声明】3月市会を終えて」を発表しました。その本文は、下記の通りです。

日本共産党京都市会議員団
団長 西野さち子

一、3月27日、市長選挙後初めての予算を審議する3月市会が終了しました。日本共産党市会議員団は、地下鉄運賃値上げを引き続き回避する高速鉄道事業特別会計、市長給与30%カットを継続する京都市長等の給与の額の特例に関する条例、盛土規制を強化する関係条例など53議案には賛成しました。一方、「行財政改革計画」を継続する一般会計予算、負担増と給付減が続く国民健康保険特別会計・介護保険事業特別会計、民間委託化を進める水道事業特別会計、運賃値上げ方針を撤回していない自動車運送事業特別会計、観光特急バスについて特別の運賃を定める条例改正、公園面積を実質的に減少させる可能性のある都市公園条例改正、伏見工業高校跡地の売却議案、職員削減をすすめる職員定数条例改正、前市政からの継続である副市長人事など33議案には反対しました。
 党市会議員団は一般会計予算に対し組み替え動議を提出。ムダな大型事業を見直し、市民生活最優先の予算とするよう提案しました。
 京都市老人短期入所施設を特別養護老人ホームに切り替える関連議案については、3カ所100名分の短期入所施設の廃止条例は公的責任で短期入所を確保すべきことから反対し、多床室を希望される方がおられる実態もあることから特別養護老人ホームを設置する条例改正等については賛成しました。討論に立ち、短期入所の受け入れを行うベッド数を確保するよう付帯決議を提案し会派意見となりました。

一、市長選直後の市会における市会各会派の態度が注目されましたが、自民党、公明党、民主・市民フォーラム、無所属議員3名※2※3※4は市長提案の議案すべてに賛成。当初独自に市長候補を擁立した維新・京都・国民も市長提案のすべての議案に賛成し、党議員団以外の事実上のオール与党により新市長の全議案が可決されました。

(※1井﨑敦子議員、※2片桐直哉議員 ※3繁隆夫議員 ※4平田圭議員 以下同様)

一、市長選挙のたたかいや市民運動と日本共産党の議会論戦が市政を動かしました。
 能登半島地震の深刻な事態のもと公共の責任が問われ、「行財政改革計画」で休止中の「まちの匠・木造住宅耐震・防火支援」は復活・充実されました。また、不登校児童生徒支援と教員の欠員対策、若年がん患者在宅療養支援事業、新法に基づく困難を抱える女性支援、児童養護施設入所児童等の権利擁護に関する環境整備、重度心身障害者医療費支給制度の拡充等も図られました。
 「行財政改革計画」による市民負担増に厳しい批判が示されたもと、今市会中も「門川市政のよいところは引き継ぎ、追いつかない課題について補正していきたい」(市長)と、前市政継承を真正面から掲げられない状況が続いています。職員削減については「同じようなペースで削減を続けるべきだとは思っていない。・・ご指摘の点も踏まえ行財政を点検したい」(市長)。全員制中学校給食も「塔南(巨大給食工場1か所)で全部やりきるのか、あるいは何らかの代替策を含めるのか・・決めていく必要がある」(市教委)と、前市政の見直しに追い込まれつつあります。党議員団はさらなる運動と論戦で市民要求実現に力をつくします。

一、一方で、市長の大型公共事業・巨大開発推進の姿勢が明らかになりました。北陸新幹線京都地下延伸計画について「特に水源への影響についてはしっかり判断していかなければならない」(市長)としつつ、「ルートや施工方法など検討結果を見ながら判断したい」と、従前どおりの立場を表明しました。都市再生緊急整備地域で111億円もの税金投入をする京都駅新橋上駅舎・自由通路に予算を計上。市民にも非公表のまま「都市再生緊急整備地域」のエリア拡大を検討し、京都駅の南側等に広げ、開発を推進しようとしています。「(「行財政改革計画」で)休止されている道路整備再開」「堀川通機能強化」「大津方面・亀岡方面広域道路ネットワーク」などの大型公共事業を推進しています。また、「大阪・関西万博よりも能登半島地震への災害支援を」との声に反して万博を推進し、機運醸成のための新規・拡充予算も盛り込まれました。党議員団は、今、求められているのは、削られた市民サービスの復活であり、市内中小事業者への賃上げ支援や直接支援であると質しました。

一、請願等 
 市有地売却でなく住民要望に応えることを求める「伏見工業高校跡地の活用に関わる」請願は党議員団以外の全議員の反対で、「保育、学童保育制度の拡充を求める」請願(署名2万58筆)、左京区等で「小学校給食調理業務の民間委託の見直しを求める」請願(300件)、「学校給食の外部委託に係る十分な説明等を求める」請願(署名247筆)、「教育に関わる保護者負担の公費による軽減を求める」請願、「30人学級の実現と教育条件の改善を求める」請願、「学校の特別教室や体育館へのエアコン設置及びトイレの様式化の推進を求める」請願が党議員団と無所属※1以外により、不採択とされました。伏見工業高校跡地活用、保育・学童の拡充、小学校給食の民間委託について討論に立ち、それぞれ、採択すべきことを述べました。
 党議員が紹介議員となった「塔南高校跡地への巨大給食センター見直しと自校調理方式の検討を求める」請願・「学校調理方式による全員制中学校給食の実施を求める」請願について、自民・公明が「不採択」を主張しましたが、委員会において「審議未了」とされました。また、自民・公明が紹介議員となった1カ所センター方式での全員制中学校給食の早期実施を求める請願も「審議未了」となりました。

一、意見書・決議
 「障害者相談支援事業に係る消費税の取り扱いに関する財政支援及び非課税事業への見直しを求める」意見書、「建設アスベスト被害者の救済とアスベスト対策の拡充を求める」意見書、「再審法改正に向けた速やかな議論を求める」意見書、「若者のオーバードーズ防止対策の強化を求める」意見書が全会一致で採択されました。
 党議員団は「子どもたちに最善の教育を保障するため教職員定数を抜本的に増やすよう求める」意見書を提案し、自民・維京国・公明・民主・無所属※1※3提案については、新たな手当ての創出など教員間の分断を強めるものとして反対しました。討論で、時間外手当の支給とすべての教職員の処遇改善こそ進めるべきと述べました。「パーティー券も含めた企業・団体献金全面禁止と裏金づくりに関与した議員らの証人喚問を求める」意見書を提案しました。無所属3名※1※2※4が賛成しましたが、否決されました。自民・維京国・公明・民主・無所属※3提案の意見書については証人喚問や企業団体による献金やパーティー券購入の禁止が欠落していることから反対しました。討論で「当事者が説明責任を果たそうとしている」との提案を厳しく批判しました。「地方創生に貢献するサーキュラーエコノミーの一層の推進を求める」意見書(自民・維京国・公明・無所属※3提案)に反対し、討論で循環型社会形成にむけ「拡大生産者責任」の徹底が必要であることや大型焼却炉を前提とした「廃棄物処理の広域化、廃棄物処理施設の集約化」の推進は認められないことを述べました。「武器輸出の禁止を求める」意見書を提案しました。無所属※1が賛成しましたが否決されました。討論で次期戦闘機を閣議決定のみで第三国へ輸出するなど認められないことを述べました。「外国法人や外国人による土地等の取得、利用を制限する法整備を求める」意見書(自民・維京国・公明・民主・無所属※3提案)の意見書に反対しました。

一、市会運営等
 次年度の委員会構成が確認されました。日本共産党議員団は環境福祉委員会委員長と総務消防委員会・文教はぐくみ委員会副委員長、予決算特別委員会副委員長などの役職を務めることになりました。また、集中審議期間中の委員会に限り、常任委員会の質疑時間の制限が一部緩和されました。

一、申し入れ等
2024.02.08【声明】京都市長選挙の結果について
2024.02.27【申し入れ】市長就任にあたり、市民本位の市政運営と公平な市会対応を求める
2024.03.01【談話】2024年度京都市予算案(1次編成)の発表にあたって
2024.03.26【申し入れ】大阪・関西万博開催1年前の施設ライトアップ中止を求める

一、 終わりに
 第一次編成予算の内49億円は第二次編成予算の財源としており、5月市会は、新市長が初めて編成する肉付け予算を審議する議会となります。日本共産党議員団は、市長選挙で寄せられた切実な願い実現へ、広範な市民のみなさんと力を合わせます。国政でも国民のくらしを守る政策へ、軸足の転換が今ほど求められている時はありません。岸田内閣の支持率の低下に歯止めがかからないのは当然です。国の政治の大本からの転換へ全力でがんばります。