山本陽子議員(山科区)代表質問,ジェンダー平等,地域経済,山科・醍醐地域
〈代表質問の大要を紹介します〉
山科区選出の山本陽子です。日本共産党議員団を代表して市長に質問します。
1.ジェンダー平等、女性の自己決定権や権利保障の促進を
(1)男女賃金格差の是正、女性の正規雇用の拡大を
まず、ジェンダー平等のさらなる前進を期し、女性の自己決定権や権利保障の促進についてお伺いします。
NHKの連続テレビ小説『虎に翼』は、多くの視聴者を惹きつけ話題になりました。戦中戦後の封建的な時代に生きた実在の女性をモデルに、女性が裁判官になるという自らの夢を実現し、人権が保障され平等な社会を作るために奮闘する姿に、多くの方が勇気づけられたのではないでしょうか。先人の奮闘によって制度や社会が一歩一歩前進してきたことを実感する一方、それでも日本は世界146か国中、ジェンダーギャップ指数が118位。特に政治分野や経済分野でジェンダー平等後進国であり、今を生きる私たちの努力が一層試されていることを痛感します。ジェンダー平等の課題は、京都市として、単に男女共同参画事業の位置づけにとどまらない京都の発展方向を決定づける課題である、との認識が京都市にはあるのか質していきたいと思います。
パネルを見てください。上の図は雇用形態別の女性比率を表しました。直近の令和4年度就業構造基本調査によれば常用従業員5人以上の事業所で働く女性は、正規雇用では40%に対し、非正規雇用で67%と多くなっています。一方、京都市行政で働く職員でみても正規雇用の女性は40%に対し、非正規雇用では72%という状況でありました。一方、下の図では京都府内の男女の賃金格差を表しました。毎月勤労統計調査によると令和5年度の男女の賃金格差は民間で女性は男性の57.2%、京都市の職員では女性が男性の75%という格差の状況になっていました。
なぜこのように女性に非正規雇用が多く、賃金の低いいびつな雇用状況になっているのか。それはいまだに、男性は仕事を優先し女性は家庭を守ることが優先とされ、女性は家計の補助的な役割で低賃金の不安定な非正規雇用に就かざるを得ないという、日本特有の性別役割分担を押し付けるジェンダー不平等の構造があるからです。
コロナ禍では女性の貧困が浮き彫りになり、特に女性の自殺者が増加したことは切実さを表していました。2018年相対的貧困率の平均は15%、特に単身の高齢女性では44%が貧困という状況です。収入の低さが老後の年金の低さに影響し、女性の貧困問題につながっています。また、昨今では地方から都市部へ転出する女性が多いことが明らかになりました。女性が働きたい、能力を伸ばしたいと思える仕事がない、ジェンダー不平等な雇用の実態を反映したものと捉えられています。そこでお伺いします。いま、京都の発展方向をとらえた時に、女性も正規雇用で働き続けられるジェンダー平等の社会構造に変えていくことが確実に求められています。誰がこれをけん引するのでしょうか。京都市は、先頭に立って男女の賃金格差の是正、女性の正規雇用の拡大に取り組む姿勢はお持ちですか。いかがですか。
【答弁→文化市民局長】 本市では、すべての女性が活躍できる社会を目指し支援している。
京都ウィメンズベース等において、正規就労を目指す女性に対する能力開発や就労支援、企業の仕事と子育ての両立支援や女性の管理職登用の促進など、オール京都で取組の輪を広げ企業の男女間格差の是正に取り組んでいる。
また、この間、本市自ら取組を率先し、女性管理職の登用を進めるとともに、男性職員の育休取得を推進し、取得率は大幅に上昇している。
(2)ケア労働の処遇の抜本的な改善、保育士の昇給財源の確保を
ケア労働を担う介護・保育・障害福祉の分野でも、女性が家庭内で無償で担ってきたものと、専門性があっても性別役割分担の固定観念によって、ケア労働の給与水準が低いことも指摘されています。ケア労働全般の処遇を引き上げていくべきです。この点、私は、民間保育園の保育士等給与補助金の削減により3割の保育園で給与が引き下げられたのは、ジェンダー不平等の問題であると質してきました。そもそも専門性に見合う真っ当な給与保障ができるよう、ケア労働の処遇を引き上げていくことが、男女の賃金格差是正につながるのであり、京都市はその認識が欠落していると言わなければなりません。そこで改めてお伺いします。京都市はケア労働の専門性に見合った処遇に引き上げることが男女の賃金格差是正につながるジェンダー平等の対策であるということを認識されていますか。京都市が保育士の専門性を真っ当に評価し処遇を引き上げる努力をするのであれば、保育士の経験年数が12年以上でも経験年数に応じた昇給財源を保障する責任を果たすべきです。保育士がやりがいをもって働き続けることのできるよう、給与の保障をないがしろにしないでいただきたい。重ねて強く求めます。いかがですか。
【答弁→保健福祉局長】 ケア労働者の処遇改善は国において行われている。担い手不足の状況において、処遇改善は必要不可欠と考えており、引き続き国に対し、仕事を続けることができる水準となるよう要望していく。
介護・保育・障害分野には、女性が多いのは事実だが、それをもって給与水準が低いとの考えはもっていない。
【答弁→子ども若者はぐくみ局長】 人件費等補助制度は、性別で差を設けず、保育士等の処遇向上を図るためのもの。経験年数加算は、園全体で設定しており、各園の独自性を発揮するための補助上限額の上乗せや10%の控除額も活用しながら、現在の仕組みの中でも一定の昇給を確保することが可能という考え方が基本である。
(3)ジェンダー平等推進局の設置など、推進体制の創設を
次に、子育てとジェンダー平等の課題についてお伺いします。パネルを見てください。京都市が行った「家族や家庭生活のあり方に関する意識調査」によれば「理想の子どもの人数をもうけるために、以下の取組施策は効果があると思うか」との問いに対して、「かなり効果がある」と答えた項目の一番は「子育てにかかる費用の負担軽減」が51.5%でしたが、二番目以降は「入所しやすく利用しやすい保育・学童施設」44.1%。「育児家事に関する家族等のバックアップ」42.8%。「ワークライフバランスへの配慮など職場の理解や支援」41.6%、「育児休業制度の充実」38%が上位に続き、男女対等な育児の保障、家庭と仕事の両立等ジェンダー平等の推進が少子化対策に大きな効果があるとされました。京都市が少子化対策の目玉としている「安価で良質な住宅の供給」は16項目中8番目でした。今、ジェンダー平等の推進を正面から取り組むべき要求が大きいことが、調査結果からも改めて明らかになりました。
そこでお伺いします。本日述べたジェンダー平等の課題の推進は、京都市の発展方向を考えた時に市政全般にわたって深く検討していくべきであり、市民要求としても求められている課題であるとの思いを強くしてきました。つまり、男女共同参画事業にとどまらない、市政全般にわたるジェンダー平等課題の対策推進が今こそ必要です。私はジェンダー平等推進局を作るなど推進体制を創設することを求めます。いかがですか。
【答弁→文化市民局長】 子育て支援をはじめ、あらゆる行政施策に男女共同参画の視点を反映するため、全局区等が参画する京都市男女共同参画推進会議を設置し、全庁横断的に多様な取組を推進している。
(4)子育て費用の無償化の推進・実現を
次に、経済的な子育て支援策の充実についてお伺いします。先ほど述べた京都市の調査でも明らかなように「子育てにかかる費用の負担軽減」の願いはダントツです。子育て世代を対象にした別の調査でも、「子育てをしていて不安に感じること」は、「子どもの教育費」と答えた方が前回調査の22.8%から39.8%に大きく増加し、経済的負担が不安を増大させているということも明らかになっています。結婚出産を選択できるよう、経済的な子育て支援の充実が必要です。以下、具体的に求めます。
まず、第二子以降の保育料の無料化については財源を検討しているとのことですが、すでに来年度の入園の募集が始まっています。来年度から第二子以降の保育料の無料化を実施できるよう準備をすすめるべきです。いかがですか。
続いて、子どもの医療費助成制度は小学校卒業まで200円となったことは前進ですが、さらなる拡充の早期実現を求めます。実感することは年齢が上がるほど教育に要する金額が高額になりお金がかかるということです。政令市20市中、15市(予定含む)がすでに18歳までの医療費助成を実現しています。京都市でも18歳までの医療費の実質無償化を早期に実現していただきたい。いかがですか。
また、給食費の無償化については、市長公約である以上は国がやるべきことと言われるだけではあまりに無責任です。国も給食費の無償化を検討する姿勢を示しているもとで、京都市の負担を容認しているのですから、国待ちにならず早期に小中学校の給食費の無償化を実施すべきです。いかがですか。
以上3点は、二月の市長選挙の市長公約でもありました。京都市の優先的な課題として早期に取り組むべきです。
「虎に翼」の時代から80年、女性たちが声を上げ求めることに社会の発展方向が示されています。京都市はジェンダー平等のさらなる前進を重視しているのか、ここまでについて市長に答弁を求めます。
【答弁→子ども若者はぐくみ局長】 第2子以降の無償化は、経済的負担軽減の観点から、極めて重要な施策であるが、10億円超の経費を要するため、必要な財源確保策や実施時期について、鋭意検討を進めていく。
【答弁→吉田副市長】 府において通院医療費の更なる制度拡充が具体的に検討されようとする中、18歳までの制度拡充に一足飛びに取り組むことは、持続可能な制度という点で課題が生じることに加え、これまで府市協調で進めてきた制度拡充の動きを後退させかねないと懸念をする。
【答弁→教育長】 物価高騰に伴う食材費上昇分については保護者の負担軽減に努めている。無償化には、追加で年間40億円程度の経費が毎年度必要。持続可能性の観点から、本市単独予算での実施は困難である。
【山本議員】 午前中のご答弁については、ジェンダー平等の課題の理解がお粗末と言わざるをえません。世界に突き抜ける京都市と言うならば、ジェンダー平等の認識は、京都の都市格にも関わる重要な課題です。市長にこたえていただきたいと求めていましたが、残念です。若者に選ばれる京都市になるためには、ジェンダー平等のさらなる前進がカギになることを理解すべきです。ジェンダー平等が京都の発展方向を決定づけるとの認識をもつためにも、京都市職員の女性の管理職登用が、いまだ17.2%である到達を早期に前進させるようを求めておきます。
2.地域経済を活性化させるための中小企業への支援の強化を
(1)市が中小企業への賃上げ支援のための役割発揮を
次に、地域経済対策についてお伺いします。
京都を元気にするためには「経済の活性化が是非とも必要だ」と多くの市民が願っています。それは経済の活性化と市民の暮らしの豊かさが結び付いてこその願いです。国は、経済対策としてアベノミクスによる金融緩和政策を推し進め、株価の引き上げで大企業に空前の利益をもたらし、大企業はコロナ禍でも内部留保を増やしました。昨年は27.3兆円を積み増して過去最高の539.3兆円となりました。しかし、大企業がいくら内部留保を増やしても中小事業者や私たち庶民の暮らしの豊かさは実感できていません。必要なのは、地域を支える99.7%の中小事業者、商店、個人事業主を元気にし、市民所得を増やし、実体経済を強くすることです。
京都経済の状況はどうでしょうか。京都中小企業家同友会の行った調査によれば、回答した531社のうち約7割の企業が賃上げを実施済または実施予定であり、平均3%の賃上げを実行されていました。しかし、3割弱の企業が実施していないことも明らかになっています。賃上げを実施できない理由として、業績不調や価格転嫁できないこと、社会保険料の負担が重いことが上げられています。特に切実なのは、資金繰りについて関西で京都のみが2年連続水面下に落ち込み、依然窮屈な事態から抜け出せていないことです。経営が厳しい中でも、人手確保の防衛策として賃上げを行っており、中小事業者を下支えする対策が是非とも必要です。
群馬県高崎市が行った中小事業者給与改善事業、いわゆる賃上げ支援について視察をしてきました。物価高騰が暮らしや商売に重くのしかかるもとで、『物価高騰対策には賃上げこそが必要だ』という市長の強い認識のもと、昨年、中小事業者への賃上げ支援に踏み切りました。賃上げ2%に相当する引き上げ額は、年額約6万円という試算のもとにその半分を支援する考え方です。国の臨時対策交付金を財源とし、一回限りの支援としましたが、6割の事業者がベースアップを行い、市の政策意図に答える結果となったのです。また、この賃上げ支援は、医療や福祉法人で働くケア労働者の給与も対象としているところ、さらなる給与の引き上げで人手不足の対策にもなったと喜ばれました。この結果、昨年の実績では47都道府県の中で群馬県含む二県だけが、実質賃金のアップを実現しています。賃上げは、人手確保策になると同時に実体経済を強くする経済対策です。賃上げ支援は今こそ必要であると実感しました。
京都市は、「都市の成長戦略」の名のもとに、呼び込み型経済で都市計画の規制緩和やスタートアップ企業・大企業誘致を前面に出していますが、京都を支える既存事業者への経済活性化の処方箋は全く見えていません。そこでお伺いします。京都市が考える既存の中小事業者の活性化策の肝は何とお考えですか?お答えください。私は、第一には中小事業者への賃上げ支援で、地域経済の活性化に京都市が役割を果たすべきと考えますが、いかがですか。
【答弁→市長】 規模の大小に関わりなく、地域企業を大切にすることは、経済政策の基軸に置くべきである。京都経済を更に力強く成長させるためには、中小・小規模事業者の経営基盤強化が欠かせない。そのためには、経営者の高齢化や後継者の不在、ITの導入、販路拡大など、経営課題に事業者が適切に対応できるよう後押しや、多彩な才能を呼び込み、交流や協働を促すこと本市の果たすべき役割である。ひきつづき、資金繰り支援や、中小企業相談窓口体制の強化、新たな企業や人材の誘致、既存の地域企業等とのネットワークの形成などに取り組んでいく。これらの取組による、中小・小規模事業者の経営基盤の強化を、構造的・持続的な賃上げにつなげ、消費喚起を事業者の売上げの向上、京都経済の活性化につなげていく好循環生み出すことが極めて重要である。
オール京都で、中小企業の生産性向上や労務費を含む価格転嫁に取り組んでおり、引き続き、公労使一体となって取組を進める。
(2)公共調達における市内中小事業者への発注増を
さらに第二として、公共調達の域内拡充で地域循環型経済に京都市が役割を果たすべきと考えます。京都市地域企業の持続的発展の推進に関する条例が施行されて5年が経ちました。この5年間でも市外企業への発注は、工事で22%、物品で59%となっており、総額764億円の税金が市外へ流出したことは地域経済の大きな損失と考えます。WTO案件やPFI手法等により京都市外の大企業しか受注できない事業が目立ちます。例えば現在予定している体育館へのエアコン設置断熱化や、中学校給食は学校に調理場を設置することで、京都市の公共事業として市内中小事業者への発注が増えるように工夫すべきと考えます。そこでお伺いします。京都市経済の活性化のためには公共調達について市内中小事業者への発注を増やすよう対策を強化すべきと考えますが、いかがですか。
【答弁→財政担当局長】 本市では、公契約基本条例を制定し、可能な限り市内中小企業への発注となるよう、全庁的に徹底している。これらの取組の結果、WTO案件など、法令上、対象を限定できないもの等を除き、概ね、市内中小企業への発注はできている。
3.「meetus(ミータス)山科―醍醐」プロジェクトにかかわる施設での公的な役割発揮について
(1)東部クリーンセンター跡地の売却は中止を
最後に、「meetus(ミータス)山科―醍醐」のプロジェクトについてお伺いします。
本件プロジェクトは、京都市東部、山科醍醐地域で、中心的には外環状線沿いの高さ規制の緩和を位置付け、開発を呼び込むものとなっています。
今、売却が予定されている東部クリーンセンターの跡地の活用はプロジェクトの目玉となっており、宇治市地域に高層マンションが建つ市境であるからと、山科川を望んで高さ31メートルの高層ビルも可能とし、広大な4400㎡の跡地の活用方法を募集しています。もっとも、高層建築物は盆地系の山川の豊かな自然景観を壊すだけでなく、巨大な高層マンションは住民の分布を歪にし、将来には、高齢化や老朽化の課題を再燃させ、建築物の更新や除却に困難な条件を与え、50年後100年後に地域の課題を押しつける結果となることが懸念されるのです。
山科区全学区の自治連合会役員が参加して、毎年行われている「明日の山科を考える会」では、「meetus山科―醍醐は、なぜ山科・醍醐を一緒にするのか。山科と醍醐は別の行政区であり、それぞれの地域で考えるのが一番いいのではないか」との意見が出されました。京都市としては外環沿いの規制緩和を念頭にしたものと推察しますが、住民はそのような提案の仕方そのものに疑問をもっています。京都市に求められているのは、地域それぞれの住民の声を聞いて、地域に住む人の実情や思いを反映したまちづくりを一緒にすすめていくことだと考えます。以下住民の大きな願いを代弁します。
東部クリーンセンター跡地周辺の醍醐・石田・小栗栖地域は、高齢化が著しく、公営住宅や公団に一人暮らしの高齢者が多く住まわれています。跡地と一緒に売却されようとしている老人保養センターの存続を求める声を紹介します。「毎日のように、1回100円で利用できる老人保養センターのお風呂に通うようになって友達ができた。脳梗塞で体の不自由な友人もいる。友人達とおしゃべりすることがものすごく癒しになっている。ここにきてカラオケや卓上ゲームなどして友人と過ごすと、認知症になりにくいと思っている。そんな高齢者がたくさんいるから、老人保養センターをなくさないでほしい」。老人保養センターと図書館は、クリーンセンターを引き受けていただく住民の皆さんの要望を受けて作られたもので、醍醐・石田・小栗栖地域に住まわれる方の実情に合った必要な公共施設であり存続させるべきです。また、跡地近辺にはすでに大きな商業施設があり、競合する中で大手のスーパーは撤退しています。さらなる商業施設は求められていません。老人保養センターや図書館は残したうえで、クリーンセンターの跡地には若い人たちの求めている運動公園やスケートボード等、アーバンスポーツができる広場を作ってほしいというのが住民の提案です。跡地売却は中止して、京都市として公共の役割を果たすべきです。いかがですか。
【答弁→総合企画局長】 東部クリーンセンター跡地の活用については、「meetus山科―醍醐」プロジェクトだけでなく、京都全体の発展にとって、大変重要な取組。現在、事業者から提案、意見を募集するサウンディング調査を実施し、ミータスの取組の中でも、東部クリーンセンター跡地を含めたまちづくりへのアイデアや御意見をお聞きしている。引き続き、地域のご意見をしっかりとお聞きし、老人保養センター及び図書館の在り方や跡地の活用手法も含め検討し、地域はもとより京都全体の賑わい創出や活性化につながるよう、全庁一丸となって取り組んでいく。
(2)ラクトスポーツプラザの再開を
一方、山科においても山科駅前のラクト健康文化館、ラクトスポーツプラザの売却が再度進められています。いったんは、事業者に売却したものの、事業者が運営を再開させることができず、京都市が買い戻しました。そして今度はプールやジムなどスポーツのできる施設という条件をとっぱらって、売却すると言っています。しかし、そもそもラクト健康文化館は、山科駅前再開発の際に、住民が健康や文化に寄与する施設を要望して作られたものであり、だからこそ、利用料は低廉で都度利用も可能で、障がい者割引のある公共施設として、多くの住民が利用していました。売却するために条件を取っ払うのは筋が違います。売却は行わず、京都市が公共の役割を果たしてラクトスポーツプラザを再開させるのが筋ではないですか。いかがですか。
市長は「新しい公共」と言って、住民や民間に公共を担っていただくことは述べられますが、住民が期待しているのは、京都市がどのような「公共」を担うのか、その内容の充実なのです。住民にとって、暮らしの質を上げるハイポテンシャルな条件は、当該地域にどれだけ公共サービスが充実しているか、公共交通や公共施設の充実したまちかが重視されることは間違いありません。市民の財産を売却することは止めて、開発優先のまちづくりから、地域の公共を豊かにするまちづくりへ住民と一緒に考え、すすめようではありませんか。
以上を求め、私の質問とします。
【答弁→建設局長】 元ラクト健康・文化館は、民間施設として運営していくことが望ましいと考え、昨年度、プール等の機能維持を前提に、運営業者を選定したが、売却契約を締結する前に辞退をされた。現在、サウンディング型市場調査で、プール等を他用途へ転用することも含め、施設の有効活用策を検討しており、引き続き、民間事業者による活用に向けた取組を進めていく。