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とがし豊議員(左京区)代表質問,若者定住対策,賃上げ,給食,不登校

〈代表質問の大要を紹介します〉

 左京区選出のとがし豊です。引き続き、日本共産党京都市会議員団を代表して、松井孝治市長に質問します。
 能登半島地震によりお亡くなりになられた方々に心からお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。

1.若者・子育て世代が定住できるまちへ

(1)「5つの無償化」をワンパッケージですぐにすすめよ

 さて、今回の京都市長選挙は、京都市の「人口減少数」が「3年連続で全国最多」となる中で行われました。若い世代の人口流出にどう歯止めをかけるのかが大きな争点となり、地価高騰のみならず、京都市の若者・子育て世代への支援の遅れをどう打開するかが問われました。全国各地での取り組みはどうでしょうか。
 給食費の無償化については、東京では4月には20区から23区全体に広がり、青森県は10月から全県で実施に踏み切ります。京都府内では4町村ですでに実施されており、大山崎町なども新たに実施の意向を表明しています。
 子どもの医療費無料化は、京都府内の市町村では、通院も中学校卒業まで実質無料は当たり前です。さらに約6割の市町村では18歳まで拡大されており、京都市は遅れています。その上、京都市では「行財政改革」と称して、民間保育園補助金削減や学童保育料の値上げを行い、子育て支援を後退させました。市長は、大規模な開発や新しい建物ばかりをつくるのではなく、今ある建物やインフラをとことん修繕して大切に使うことでお金を節約し、くらし・子育て応援に思い切って力をいれるべきではありませんか。とりわけ、若者・子育て世代応援の取り組みを小出しするのではなく、このパネルに示している5つの無償化を「ワンパッケージ」として一挙に進めることを提案します。
 1つ目、病院での窓口負担を月200円に抑える子どもの医療費助成について、現在「入院は中学校卒業まで」「通院は小学校卒業まで」となっているものを、入院も通院も18歳まで拡充する。
 2つ目、0歳~2歳までの保育料を第2子以降は無償化する。
 3つ目、給食費をまず半額にし、のこる半分を国や京都府に負担をもとめて完全無償化を目指す。
 4つ目、国民健康保険料の均等割を18歳まで無料にする。
 5つ目、札幌、静岡、神戸、北九州市などでも取り組まれている給付制奨学金を京都市でも実現するとともに、奨学金返済の免除の仕組みを充実させる。
 これら「5つの無償化」を提案いたしますが、市長いかがですか。莫大な借金を将来世代に押し付ける北陸新幹線の京都地下延伸計画や大阪関西万博関連予算、京都駅新橋上駅舎整備予算など、大型開発を見直し、若者・子育て応援に回すべきです。

【答弁→市長】 選挙公約において、市民第一主義で人々から選ばれるまち京都の実現に向け、子ども医療費助成制度の充実、2人目以降の保育料無償化、学校給食の充実、府市協調での就労・奨学金一体型支援事業の取組の強化、保育サービスの充実や親子の遊び場・交流の場の充実、教育の質向上のための体制充実や教育環境整備など、子ども、保護者の視点に立った、子育て環境全体を充実させることをお約束した。
 また、若い世代の居住確保の創出に向けた都市計画の見直しや、企業立地促進など、まちの活性化に総合的に取り組まなければならない。
 今ある建物やインフラを最大限活用することは当然のことであり、私自身の目で市政全体の点検等を行い、順次予算化していくが、子育て環境の充実、国民健康保険料均等割の無償化を18歳まで拡充を含む保護者負担軽減については、ことさら無償化を強調し、本市単独で進めるのではなく、持続可能な制度となるよう国、府とも連携していく。国にも要望し、子育て・教育環境日本一を目指し、着実に取り組んでいく。

(2)中小企業の労働者の賃上げ支援を

 若者・子育て世代が京都市に住み続けたいと思えるまちにしていくためには、安定した雇用と賃金の保障も重要であり、これも選挙争点となりました。アメリカやヨーロッパでは、中小企業への財政的な支援と一体に最低賃金を引き上げることで、地域経済の活性化を図り、中小企業の事業も活性化させるという好循環を作り出してきました。岩手県では、「物価高騰対策賃上げ支援金」をつくり、時給を底上げした中小企業に対し補助金を出し4万人の賃上げを進めようとしています。ぜひ、京都市でも「物価高騰対策賃上げ支援金」を実施して中小企業で働く皆さんの賃上げを支援すべきです。いかがですか。

【答弁→産業・文化融合戦略監】 国の制度を積極的に周知し、雇用主に、経済団体を通じ、雇用の安定や賃上げ等の要請を行っている。
 また、企業のきめ細やかな経営相談や制度融資による資金繰り等の下支え、中小企業のデジタル化・DX支援や伝統産業分野の設備の新規導入等を推進し、地域企業が持続的に発展することで、構造的な賃上げの実現につなげていく。

(3)民間委託の拡大方針の撤回を。
時給1500円以上へ、公契約条例への賃金条項の導入を

 この間、京都市は、クリーンセンターや上下水道施設の運転監視業務はじめ、あらゆる分野で民営化を進めてきました。学校の給食調理についても、さらに40校で民間委託しようとしています。給食調理員さんは、単に給食をつくるにとどまらず、栄養教諭とともに食育を担っています。それにもかかわらず、ある給食の民間委託先では、現場で働く労働者の皆さんの時給は1010円とされ、最低賃金ギリギリです。低賃金の押し付けは「改革」でも何でもありません。その上、委託先企業に問題が生じた場合、たちまちそのサービスが長きにわたって停止することはホーユーの経営破綻により痛感したではありませんか。民間の調理員と栄養教諭とが緊密な連携をとろうと思えばたちまち偽装請負になりかねません。労働の低賃金化を招く民間委託の拡大方針は撤回すべきです。また、すでに多くの京都市の業務が民営化されており、そうした現場で働く民間労働者の皆さんが将来に希望をもって働ける処遇に改善するべきです。公契約基本条例に「賃金条項」を盛り込み、京都市が発注する事業においては時給1500円以上、または、設計労務単価の90%を保障する規定を設けることを求めますが、いかがですか。

【答弁→行財政局長】 本市では、民間活力の導入により業務の効率化と市民サービスの向上を図っている。公契約基本条例に基づき、労働者の賃金を含め、公契約に従事する労働者の適正な労働環境の確保に努めている。
 公契約基本条例の賃金条項については、多くの団体等から意見を聴取した結果、賛否両論があったこと、賃金は労使間の契約により定められるべきものであり、必要な規制は法律が基本であるなど総合的に勘案し、導入しなかったものであり、現在も同様の認識である。

2.全員制の中学校給食の実施方法は再検討を

 次に、全員制の中学校給食の実施方法についてです。
 松井市長は、塔南高校跡地に給食工場をつくり、2万6千食を一括調理し、63校に配送する方式ですすめると主張されていましたが、私どもが応援した福山和人さんは学校調理方式での実施、他のお二人も巨大給食工場ではなく学校調理や複数センターを組み合わせる方式を主張されていました。この3人の票を合わせると、松井市長を大きく上回ります。
 加えて、市議会には「塔南高校跡地への巨大給食センター建設の見直しと自校方式給食の可能性を求める請願」が提出されており、各会派においても様々な意見が出され、慎重審議中です。
 1月には、1万1千人余りの保護者・市民の皆さんから、「学校調理での全員制中学校給食を求める要望署名」が教育委員会に提出されました。遠くの給食工場ではなく、学校の中でつくった方が、出来立てを提供できるので、おいしい給食になります。煮崩れや麺が伸びる心配もないので、豊かな献立になります。
 さらに、栄養教諭を配置するための国の予算をより多く確保できるため、学校生活の中で豊かできめ細かな食育ができます。アレルギー対応の充実や地産地消の給食を、今後、展望しても、小回りの利く学校調理方式が優れています。
 一方、給食工場で一括して給食をつくる方式をとっている埼玉県八潮市では、集団食中毒が発生し、原因究明のためすべての学校で4か月間給食が止まりました。こうした危機管理や災害対応の点でも、1ヶ所の給食工場で賄うという考えは、あまりにも危険です。市長選挙と市議会での議論の状況を踏まえて、巨大給食工場一ヶ所で実施する現行計画については、再検討すべきと考えますが、いかがですか。
 ここで一旦答弁を求めます。

【答弁→教育長】 全員制中学校給食は、他都市で実績がある専門の調査会社から自校調理方式は9割以上、親子調理方式は7割以上の中学校で実施困難なことや、開始時期やコスト面等から給食センター方式が総合的に優れていると報告を受け、学識経験者やPTA代表らの検討会議の論議も経て、昨年11月給食センター方式で実施する基本方針を決定した。
 他都市の食中毒事例は、厚生労働省の審議会において、本来徹底すべき基本的な衛生管理が遵守されていないことが原因と指摘されており、実施方式に関する課題への言及はなく、本市が実施した調査報告書でも、給食センター方式が他の方式よりも高度な衛生管理や効率的・効果的な整備・運営が可能とされており、計画変更の予定はない。引き続き、給食センター方式の利点を活かしつつ、センター内に2つの調理工程ラインを設けるなど安定した運営体制の構築に向けスピード感を持って取り組んでいく。

【とがし議員】 先ほど求めた若者・子育て世代応援の「5つの無償化」について、国や京都府と協議するとの答弁でした。しかし、国や京都府待ちにならず、京都市独自にでも、「5つの無償化」を前に進め、周辺自治体からの遅れを一挙に取り戻すべきです。すべて合わせても74億円。京都市予算の総額の0.8%で実現できます。
 同時に、子育て支援を含む福祉はコストではなく、福祉こそが経済の土台であり主役であるという認識を持つべきであることを指摘しておきます。

3.教員不足の解消と不登校の子どもへの支援を

 次に、教育について伺います。
 パネルをご覧ください。京都市における、30日以上にわたって不登校の児童・生徒数は、2011年度には944人だったものが、2022年度には2839人と急増しています。前の年と比べると、京都市では全国の2倍のペースで不登校が増加するという異常事態です。京都市内の中学校では、この11年で、2.5倍も増え、今や、16人に1人の生徒が30日以上不登校という状況です。ある学校では15%もの生徒が不登校となっています。
 先生方の状況も深刻です。
 前市長の16年間で796人の教員が減らされました。このパネルにも示されているように、そうした中で、休職を余儀なくされた先生方が急増し、2023年度には前年度よりも4割増え、89人に達しています。コロナにより授業時間数が大幅に減った時期には休職者が減りましたが、その後、再び増加に転じて、全教員に占める割合は1.2%に達しました。全国と比べても7割も多い規模です。その結果、学校現場では、欠員がうまらず、悲鳴が上がっています。
 ある先生は、「もうちょっと子どもに心を寄せた授業にしたいけれど、あまりに人が足りず、枠の中にはめたような授業になってしまう。そうなってくると子どもも先生もつらくなるという悪循環だ」と、「教室にいるのがつらい子がいたら、誰か付き添ってくれる先生がいたらいいけど、そんな余裕がない」とおっしゃっていました。
 この無理な体制の下で、少なくない先生方が休職・退職せざるを得なくなり、児童・生徒も学校から離れ始めています。今の学校は子どもたちにとっても、先生方にとっても息苦しいところになっているのではないでしょうか。崩壊の危機にある京都の公教育の現状を市長はどう認識されていますか。
 この現状を打開するために、3つの緊急対応を求めます。
 まず、第一に、学校現場の人手を思い切って増やすことです。今、余裕のない学校体制のもと、一人でも倒れれば困難が増し、ドミノ倒しのように休職者が増えかねない危機に直面しています。今年度1月時点で、104校160人もの欠員が埋まらないという深刻な事態となっています。このような事態を繰り返さないために、正規雇用の教員の採用枠を増やして定員内の正規雇用率を100%に引き上げること、新たにスタートさせた常勤講師プール制の枠を十分確保し、途中で生まれる欠員を確実に穴埋めできる余裕のある学校体制をつくることを求めます。
 第二に、不登校・学校行き渋りで苦しむ子どもたちのSOSに応えることで、学校に通っている子どもたちにとっても、より安心できる学校に変えていくという取り組みです。
 個別の子どもの特性だけの問題に矮小化せず、今の学校の構造的な問題点をまず正しくつかんで、学校に子どもたちを合わせるのではなく、子どもたちに合った学校に改善する必要があります。そのための第一歩として不登校に関して、子ども・保護者・教職員の皆さんの声にしっかり耳を傾ける京都市独自の実態調査を求めます、いかがですか。
 「京都の不登校について考える会」が当事者保護者から集めたアンケートにこんな声が寄せられていました。「中学3年の時にたまたま同じ学年の不登校の子どもたち5人が集まって別室登校が始まりました。仲間ができて楽しい時間を過ごし、皆口々に一年生の時からあったらよかったのにと話していた」とのことでした。その別室に、教員を配置する余裕があったからこそできた取り組みでした。そうした現場の声をうけ、教育委員会もようやく重い腰を上げ、学校内の別室登校に対応する子ども支援コーディネーターの配置を一部の学校で始めました。今年度予定されている27校への配置ではまだまだ不十分であり、すべての小中学校に校内サポートルームと専任の職員を配置し、教室に入れない子どもたちが安心して学べる場を学校内にあらかじめつくっていただきたい。そのことによって、今、教室で勉強していることに息苦しさを覚えている子どもたちも、息継ぎができる場所を学校内で得ることができ、安心につながります。いかがですか。
 第三に、学校に行けない状態が長期に続くこどもたちの受け皿を学校外に十分に確保するとりくみです。教育委員会が受け皿としている、洛風・洛友中学や公立のフリースクールともいうべき「ふれあいの杜」を利用している児童生徒は249人、校長が認定している「フリースクール」への通所や連携事業につながっている児童生徒は207人にとどまっています。全く受け皿が足りていません。にもかかわらず、あるフリースクールでは、継続利用を希望する児童・生徒がいたにもかかわらず、経営がなりたたないことから京都市から撤退せざるを得ないなど、自助や共助には限界があるのです。
 松井市長は「京都の不登校について考える会」の公開質問状に対して「すべての子どもたちに学ぶ場を保障する」と回答され、今回の予算では「ふれあいの杜」のサテライト教室の開設予算などを盛り込まれましたが、さらなる充実が必要です。京都市自身が学校外にも不登校が長期化した子どもたちの「居場所」「フリースクール」を増やす努力をするとともに、民間のフリースクールや居場所事業に取り組む事業者への支援と保護者への補助金制度を創設していただきたい。いかがですか。

【答弁→教育長】 文科省の調査では、令和5年度と4年度を比較し、8割以上の自治体が教員不足の状況にあると回答し、全国的な課題だ。
 本市では、教員が出産休暇を取得する前にあらかじめ講師を配置する先行加配の独自予算での実施や、常勤講師を配置できない場合でも非常勤講師を配置し学校体制全体で授業を分担するなど、子どもたちの学びの継続に最大限取り組み、文科省による全国調査でトップクラスの学力水準を維持するなど、京都の公教育が崩壊の危機との状況にはない。
 志高い教職員を確保し、持続可能な学校体制を構築することは喫緊の課題であり、大学3回生を対象とした教員採用試験の特別選考の実施や、年度途中の欠員を想定してあらかじめ講師を追加配置する制度の創設等により、教員数の確保に努めていく。
 なお、少子化で教員定数全体が減少している中、国が定める教員定数を全て正規教員とすることは、将来的に定員超過となる恐れがあるため、困難だが、国に対し定数改善を粘り強く要望していく。
 不登校対策については、欠席が続く子どもについて、速やかにスクールカウンセラ一等の専門家を交えた学校内の委員会で協議し、原因や背景等に応じ、子どもを主体とした適切な支援に取り組んでいる。
 学校内の居場所である校内サポートルームは、これまでから各学校で工夫して設置されてきたが、令和5年度に支援員の配置や部屋の設備に関する予算を増額し、令和6年度予算案でも拡充を図っている。
 フリースクールは活動内容に様々な実態があることも含め、現時点での保護者への補助制度新設は困難だが、保護者や子どものカウンセリングに際してニーズに応じたフリースクールの情報提供をするほか、京都府認定のフリースクール3団体に委託料を払い、自然体験活動や家庭訪問事業を実施している。
 令和6年度予算案には、教育支援センター・ふれあいの杜の拡充やオンライン環境での居場所づくりの研究経費も計上した。引き続き、不登校の子どもたちが誰一人取り残されない取組を推進していく。

4.気候危機対策の強化を

 次に、気候危機についてお聞きします。京都でも、集中豪雨による被害の頻発、異常な夏の高温により九条ネギ、小松菜、みず菜、トマト、きゅうりの収獲が大幅に落ち込み、とりわけ、ホウレン草の収穫量が75%減少するなど農業にも深刻な影響がすでに現れています。世界各地で異常な豪雨や洪水、台風、山林火災、干ばつが頻発し、猛暑、海面上昇が止まらず、昨年7月、国連のグテレス事務総長は「地球沸騰の時代」と警告しました。国連気候変動に関する政府間パネルIPCCの第六次評価報告書は、2030年までに、2019年度比で温室効果ガスを43%以上削減する必要があると警告しています。京都市の目標に換算すると2013年度比で55%以上の削減をしなければ、気温上昇を1.5度以下に抑えることは難しいということです。いま手をこまねいて、2℃以上の気温上昇となれば、人間が居住するほとんどの地域における極端な高温の増加、海面上昇による被害は最大1千万人増加、サンゴ礁がほぼ全滅するなど、被害は甚大です。京都市では、2030年までに2013年比で温室効果ガス排出量を46%削減し、2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロを目標に取り組みを進めています。しかし、このペースでの削減では気温上昇を1.5度未満に抑えることはできず、気候危機による深刻な被害を防ぐことができません。京都市の温室効果ガスの削減目標を2013年度比で2030年までに55%以上の削減へと引き上げ、それにふさわしい具体策の上積みを求めます。市長の気候危機への認識と決意をお聞かせください。その上で、3点具体的な提案をいたします。
 1つ目は、田んぼや畑に降り注ぐ強すぎる太陽の光の活用です。農地をつぶすのではなく、農協などとも大いに共同し、営農型太陽光発電を積極的に進めることです。再生可能エネルギーの拡大とその副収入によって農業経営を支える道に進むべきです、いかがですか。
 2つ目は、今後建築する公共施設は、今から26年後となる2050年二酸化炭素排出実質ゼロの社会においても末永く活用されるものであり、省エネと再生可能エネルギーによって自給自足となるエネルギー収支ゼロの建物となるように、率先実行すべきです。
 3つ目は、京都市住宅用太陽光発電・太陽熱利用設備等設置補助事業や住宅省エネリフォーム支援補助金の復活で、住宅の省エネ・再エネのあらゆる条件を汲みつくす取り組みを求めます。いかがですか。

【答弁→岡田副市長】 本市では気候危機への対応は、待ったなしの課題であると認識のうえ、まずは、現行の目標の達成に向けた取組を、引き続き、着実に推進するとともに、本市地球温暖化対策計画は策定後5年を目途とした見直しの検討を予定しているので、その中で、さらなる対策の強化・拡充について、検討を進めることとしている。
 公共建築物における対策は、本市の率先実行として、「京都市公共建築物脱炭素仕様」において、新たに建築計画の公共建築物につき、計画段階から積極的にZEB・ZEHの実現の検討を進めることとしている。
 住宅の再エネ・省エネについても、引き続き、太陽光発電と蓄電池の導入支援のほか、国の補助制度の活用により、普及拡大を図る。
 営農型太陽光発電については、再エネ拡大に向けた一つの方策であり、ご相談があった場合は、国の補助金を紹介している。

5.景観や住環境を重視した左京区のまちづくりを

(1)聖護院・松ヶ崎エリアの景観と住環境を守る取り組みについて

 最後に、地元左京区のまちづくりについて質問します。松ヶ崎かんぽ跡地でも、聖護院門跡前でも、低層な住宅街のど真ん中に巨大なマンションが建つことが、大問題となっています。地元住民が低層な住宅街を形成することで、お互いに守り合ってきた地域や自宅からの五山の送り火の景観、住環境、プライバシーなどが、著しく侵害されようといています。五山の送り火の眺望や東山などの山並み・稜線を街中から見える状況を守ろうという新景観政策の原点に立ち返り、現在低層の住宅が密集している聖護院・松ヶ崎の当該エリアについては思い切ったダウンゾーニングを住民参加で検討し、住民とともに良好な住環境を守っていただきたい。事業者に対しても働きかけていただきたい。いかがですか。

【答弁→都市計画局長】 平成23年に、地域の景観づくりに市民の皆様が主体的に取り組める制度である、「地域景観づくり協議会」制度を創設し、現在すでに、16地区で制度が活用されている。
 今後もこうした制度などを活用しながら、地域の皆様による景観まちづくりをサポートしていく。
 ご指摘の計画についても、条例などに基づき、地域にふさわしい建築計画となるよう事業者に助言を行っているほか、周辺住環境への配慮等についても地域住民の皆様への説明を丁寧にするよう、指導、調整を行っている。

(2)松賀茂公園の売却は中止し公園として整備を(要望)

 松ヶ崎にある松賀茂児童公園横の緑地の売却の理由は「財政破綻しかねない」との前市長の認識でしたが、財政破綻どころか2年連続で収支均衡予算が提案されました。公園を増やした方がこの地域に住みたいと思う人が増え、周辺の空き家も含め人口が増えていきます。売却はいまからでも中止し、元の計画通り、公園として整備するよう要望いたします。

(3)元新洞小学校の跡地は、地域活動の拠点に(要望)

 元新洞小学校の跡地をめぐっては、民間事業者等による活用に向けた手続きがはじまっています。民間の金儲けではなく、京都市の責任で公共性の高い施設として活用し地域活動拠点として守っていただくことを要望し、第一質問を終わります。

【とがし議員】 気候危機について市長自らの言葉でのご答弁がなかったことは極めて残念です。そして、これほどまでに不登校や先生方の休職が増加しているにもかかわらず、その現実を直視しない今の教育長のご答弁には納得いきません。
 私が今日求めた教員不足の解消と不登校についての提案はいずれも現場の子どもや保護者、教職員から出されている切実なものであり、実現を求めておきます。国連子どもの権利委員会は2019年、日本政府に対し、「あまりにも競争的な制度を含むストレスフルな学校環境から子どもたちを開放すること」、「社会の競争的な性格により、子ども時代と発達が害されることなく、子どもがその子ども時代を享受」できるようにと最終の勧告を出しました。京都の学校教育もそうした視点での総点検と改善が必要ではないでしょうか。子どもたちの声にも耳を傾ける市政運営を要望して質問を終わります。