2022年度京都市予算案の組み替え提案
日本共産党京都市会議員団 団長 井坂博文
長引くコロナ禍のもと、市民の生活は厳しさを一層増しており、今、行政がするべきことは、市民の暮らしと中小零細業者の仕事を守るために、最大限の力を尽くすことです。ところが、2022年度予算案は、市民へのあらゆる負担の押し付けと、暮らしを支えてきた補助金を大幅にカットする予算となっています。これは、自治体本来の役割を投げ捨てるものにほかなりません。
今回の予算案は、2021年度の補正予算と一体の予算との説明があり、その2021年度の収入は予算よりも200億円も増える見込みとしています。この200億円の収入増を活用して、施策の充実を図ることが必要であるのに、わずか13億円を活用するだけで、残りの187億円は公債償還基金の積立(返済)に充てようとしています。しかし、基金への積立は、今すぐ積立額を増やす必要に迫られているわけではなく、計画的に行えばいいものです。
187億円については、少なくとも来年度予定している、26億円の市民負担増(国民健康保険料や敬老乗車証の負担金、138施設の利用料、証明書発行等の手数料の値上げなど)を中止すること、27億円の補助金カット(民間保育園職員の賃金を底上げするための補助金など)を中止すること、コロナ対策に全庁体制であたっている職員の削減(147人・12億円)を中止することに使うべきです。これらは65億円で行うことが可能です。
さらに、コロナ禍で苦境に陥っている、市民の命と暮らしを守るために、あらゆる対策を講じることが必要です。
よって、日本共産党京都市会議員団は、以下の趣旨に沿って予算案を組み替えることを求めます
1.
187億円の財源を活用し、少なくとも来年度予定している改悪を中止すること
・
26億円の市民負担増・27億円の補助金カット・147人の職員削減(12億円)・合計65億円
・
特に、民間保育園等職員の補助金13億円の削減については、子育て支援に逆行するものであり、中止すること(財政調整金を活用する)
2.
そのほか以下のことに取り組むこと
①
「毎年500億円の財源不足」で「財政が破たん」という前提が崩れている「行財政改革計画」を撤回する
②
新型コロナウイルス感染症対策を強化するために、大規模な検査の実施、医療機関に対する支援と連携の強化、保健所を各行政区に戻し公衆衛生行政を拡充する、及び介護・保育等のエッセンシャルワーカーへの支援を拡充する
③
中小零細業者が事業や雇用を継続できるだけの補償と支援を抜本的に強化する
④
子育て支援を充実させるために、全員制の中学校給食の実施・子どもの医療費の無料化の拡充を行う、子どもの学びを保障するために教職員の増員を図る
⑤
北陸新幹線とリニア新幹線、堀川・油小路地下バイパストンネル推進方針を撤回する
⑥
小中一貫校整備(西陵中校区・小栗栖中校区)など、不要不急の大型事業を中止する
⑦
法人市民税の超過課税の強化など、大企業に対して応分の負担を求める
⑧
市外からの企業誘致促進のためとして行っている都市計画の規制緩和を中止する
⑨
「三位一体改革」以来の地方自治体への財源を削減する国の方針の転換を求め、自治体の財源を国に保障させる