2022年2月3日
日本共産党京都市会議員団
団長 井坂博文
豊田恵美市会議員(元自民党所属)が、夫である事務所職員の勤務実態がないにもかかわらず人件費を政務活動費に計上したとされる疑惑について、1月20日には市会各会派代表者による豊田議員への質疑が行われ、1月31日には議長名で「豊田恵美議員の政務活動費に関連する問題についてのとりまとめ(以下、『まとめ』)」が公表されました。
一連の調査等で明らかになったのは、本件において「そもそも日常の業務の中でどのような労働が有給となり、人件費の対象となるのかが不明確」(『まとめp2』)であり、雇用契約書等を作成しておらず「どのような場所で、どのような労働に対して、どの程度の額を支給するのか、といったことが定まっていないあいまいな状態で人件費が支払われ、これに対して政務活動費が充当されていた」(『まとめp3』)ことです。20日の質疑で人件費日報の記載について「職員の指示通り転記し作成した」と議員本人が説明していることをあわせて考えると、議員としての管理監督責任を果たしておらず、極めてずさんな運用が行われていたと言わざるを得ません。
また、議員本人からは「調査報告書」(1月20日)、「補足説明」(1月26日)が提出されましたが、政務活動費の人件費日報への記載日である90日間・675.5時間のうち、該当日に労働実態の裏付けの可能性があったのは、6月26日と9月18日のわずか2日間のみでした。「人件費日報記載の日時全体の95%に相当するような大部分の時間において、職員に政務活動の実態があったかどうかについては・・・確認することはできなかった」(『まとめp1』)ため、労働の対価性はなかったのではないかとの疑念はぬぐいきれません。
そもそも、京都市会の政務活動費の運用に関する基本指針では、議員の親族及び議員と生計を一にする者に対し、政務活動費を支出する場合は、社会通念上疑義を生じることのないようにしなければならないと定めています。にもかかわらず、このような運用により、市民に不信を招き、京都市会の信用を失墜させた議員の責任は重大です。
また、本件発覚後、議員は自民党を離党しましたが、本件についての公党としての責任を免れるものではありません。元所属会派の自民党の責任が問われており、疑惑の解明と厳しい対処を率先して行うことを求めるものです。
京都市会として、政務活動費の人件費について、生計同一者への支給を禁止する見直しを発表しました。党議員団は引き続き、全体の奉仕者として法令を遵守することはもちろん、一層の透明性の確保と厳格な運用を求め、さらなる取り組みを進める決意です。