日本共産党京都市会議員団
団長 井坂博文
一、4月の市会議員選挙において改選された議員による初めての5月開会市会が28日、13日間の審議期間を終え、終了しました。2019年定例会の会期は来年3月27日までと決定されました。
4月の市会議員選挙で党市会議員団は18議席を獲得し、引き続き、市会第二党を確保しました。選挙後、新しい会派届がおこなわれ、新たに民主・市民フォーラム市会議員団が結成され、すべての会派が交渉会派となりました。
そのもとで、議長・副議長・議会選出監査委員の議会三役、常任委員会など委員会の正副委員長の選出がおこなわれました。党議員団は、議会三役(議長・副議長・監査委員)と関西広域連合議会議員の選出にあたって声明を発表し、「選挙で示された民意を最大限反映し、選出すべき」として、副議長・監査委員・関西広域連合議会議員の候補を発表。各会派に申し入れを行いました。しかし、自民党、公明党、民主・市民フォーラム、日本維新の会、京都党の各会派は、わが党を排除し、第三党の公明党から副議長を選出。定数2の市会選出監査委員からも、わが会派を排除するという暴挙をおこないました。
一方で、定数2名の関西広域連合議会議員の選挙では、わが党候補に23票が投票され、前回に引き続き、党議員が選出されました。36年にわたり、わが会派を除く形で副議長が選出されていることや、監査委員からわが会派を排除するという、不正常な役職選出の改善を、引き続き求めます。
委員会の正副委員長選出においては、5常任委員会で委員長1名、副委員長3名を、予決算特別委員会において副委員長2名を、市会運営委員会において副委員長を確保しました。今後、委員会の民主的運営と市民の声がしっかり届く議会運営に尽力します。
一、議員報酬の1割削減が全会派・議員の賛成により、可決しました。党議員団は、山本恵一議長に「京都市会におけるさらなる改革」として、①議員報酬3割削減と海外行政視察中止で、その財源を市民生活の向上にあてること、②請願者の趣旨説明・常任委員会の直接傍聴などの実施、③「政治分野における男女共同参画推進法」推進のための環境整備、④活発な質疑・討論保障、⑤政務活動費の公開・改革を申し入れました。
一、今市会は、市長提案の35議案を可決しました。党市会議員団は、予算特別委員会に付託された一般会計補正予算について賛成しましたが「Living History二条城~生きた体感プログラム」は、具体的事業内容が不透明であり、イベント偏重や収益重視の方向の懸念があること、公共施設の緊急耐震対策は塔南高校・元新洞小学校についても、新耐震基準を満たす必要があることを結了委員会で指摘しました。また、多文化共生総合相談ワンストップセンターの設置・運営に関わって、政府の「技能実習制度運用の調査結果」京都市分について把握し、相談体制を補強することを求めました。
常任委員会に付託された18議案のうち、京北地域小中一貫教育校施設整備工事請負契約の変更について、契約変更内容はやむを得ないものであるが、小中学校の統廃合のためのものであり、反対しました。また、崇仁市営住宅増築工事請負契約の変更については、目隠し施設の設置には賛成であるものの、公営住宅の戸数を減らす計画であることから、反対しました。交流促進・まちづくりプラザ条例の制定については子どもや地域住民が使える施設は住民から求められていた施設であることから、賛成しました。高い使用料金には問題があること、直営で行うべきことについて、結了委員会で主張しました。人事案件16議案については、議会選出監査委員の2件について、第二党のわが会派を排除するものであることから、反対し、残14件のうち、教育委員の任命の再任は反対、人権擁護委員の推薦には全て賛成しました。
一、本会議代表質問で党議員は、市長に対して、市会議員選挙で掲げた公約の実現にむけた論戦を正面から挑みました。市長に憲法順守の決意を迫り、自衛隊へ若者の個人情報を渡す宛名シール提供をやめるように求めました。市長は答弁に立たず、局長が「自衛官募集事務は法令に定める自治体の事務。憲法に違反するものでも、戦争に協力するものでもない」「本年5月、防衛大臣から自衛官募集の推進の依頼を受けた。今後とも法令に沿って適切に取り組む」と答弁しました。「個人情報の保護に万全を期す」とも述べましたが、京都市が自衛隊京都地方協力本部に対して、宛名シールと併せて同シールのコピーを渡していたことも明らかになっており、市民の個人情報保護より自衛隊への情報提供を優先する市の姿勢が改めて浮き彫りになっています。
市民生活や京都経済に壊滅的打撃を与える消費税増税中止の声を上げるよう求めましたが、市長は「観光消費は堅調・雇用は高い水準」と実態を見ない答弁に終始し、「国において総合的に勘案して行われると認識している」と述べました。国に対して核兵器禁止条約の批准を強く求めるよう、質しました。市長が答弁に立ちましたが、市独自に声をあげることを拒否しました。
また、「オーバーツーリズム」いわゆる「観光公害」の解決のために「京都市宿泊施設拡充・誘致方針」の撤回、住宅密集地等での簡易宿所・「民泊」の規制を求めました。市長は「宿泊施設が大幅に増加し、施設数としては満たされつつあると認識している」と述べたものの、「市内中心部に集中する地域的な偏在や、質の面では課題がある」との認識にとどまりました。一方で、郊外への新たな宿泊施設の誘致を表明したしたことに加えて、管理者常駐を逃れる脱法行為を容認しようとしており、重大です。
無鄰菴の庭園からの眺めを保全するために、高さ規制に踏み切ることを求める地域住民の提案を受け入れるよう求めましたが、「計画変更を求める考えはない」と答弁しました。元植柳小学校の跡地へのホテル建設計画について、地域から防災とスポーツの拠点を奪う計画を白紙撤回し、住民の意思を尊重した活用方法の検討を求めました。副市長は「一部不安の声もあるが」としたものの、引き続き、理解を求めると、建設計画に固執する姿勢を示しました。
さらに党議員は、国民健康保険料のさらなる引き下げ、130人分もの介護保険嘱託員の雇い止め方針の撤回、子どもの医療費の中学校卒業までの無料化・全員制の温かい中学校給食と給食費の無償化、35人以下学級の拡充、不登校児童生徒への支援充実、被ばく安全神話を助長する「放射線副読本」の回収、京都大学の立て看板規制への慎重な対応などを取り上げ迅速な対応と解決を市長に求めました。
一、意見書について、「児童虐待の根絶に向けた実行ある対策を求める」意見書が全会一致で可決されました。党議員団は「辺野古新基地建設の即時中止と普天間基地の運用停止を求める」意見書・「日米地位協定の抜本的改定を求める」意見書・「大学・専門学校の学費をまず半額にし、給付型奨学金の拡充を求める」意見書・「今年10月実施予定の消費税増税の中止を求める」意見書を提出し、他会派に同意を求めましたが、他会派はそろって反対し、否決しました。日本維新の会提案の「消費税増税凍結を求める意見書」は市民サービスの低下につながる職員削減等「行財政改革」をすすめることを求めており、党議員団は反対し、否決されました。
一、党市会議員団は、4月市会議員選挙でかかげた公約の実現めざすとともに、「京プラン・実施計画」による自治体の公的責務の後退、市民生活壊しと正面からたたかい、具体化と実行を許さない運動に奮闘します。また、目前に迫った参議院選挙で政治を変え「くらしに希望を」訴え、勝利のために全力を尽くします。