【団長見解】2018年度京都市予算案の発表にあたって - 見解・声明|日本共産党 京都市会議員団

TOPICS ICON【団長見解】2018年度京都市予算案の発表にあたって

日本共産党京都市会議員団団長 山中 渡

一、16日、本会議において、市長から2018年度予算案と関連議案が提出されました。予算規模は交通・上下水道を含む全会計で1兆7155億円、一般会計7845億円となっています。
 その特徴は、破綻したアベノミクスの成長戦略、地方の財政とサービス切り捨て、「明治150年」を冠した事業の推進など、地方自治を踏みにじる安倍内閣の路線を踏襲し、「京プラン」後期実施計画の推進を軸に、投資的経費の増大、民間企業の呼び込み、インバウンドを基軸に「稼ぐ力を」誘導し、市政運営では徹底した「行革」の断行、社会保障費などのさらなる抑制をすすめる内容となっています。

一、敬老乗車証については、応益負担の改悪を許さない、ねばり強い市民運動のもとで、今予算で制度改悪の導入はできませんでした。高齢者の社会参加と敬老の精神を生かし、さらなる運動の発展と応益負担の導入を断念させるために力を尽くすものです。
 就学援助について入学支度金の事前給付、宅地内の鉛製給水管取替工事助成制度の交付金の拡充、京阪鳥羽街道駅のバリアフリー化など、予算に反映させることができました。

一、生活保護費25億円の削減は、最低生活を保障した憲法に反するものであり、認めることはできません。加えて、中学校卒業までの子どもの医療費の無料化や全員制の中学校給食実施など、切実な子育て支援要求や中小企業支援についても、長期にわたって応えない姿勢をとり続けています。市民生活をいっそう深刻な事態においやる予算になっています。

一、公共料金の値上総額は2億9000万円におよんでいます。さらに、保育料の更なる値上げ、中央卸売市場の使用料の値上げ、美術館使用料の値上げ、二条城の入場料に加えて新たに観覧料をもうける。スズメバチ駆除自己負担金は今まで無料であったものを1万円の自己負担とするなど、くらしに直結する公共料金値上げが相次いでいます。

一、国民健康保険料は、一人あたり平均の国民健康保険料は下がりましたが、後期高齢者支援金分、介護保険納付金分は値上げになっています。国の激変緩和措置で一旦は保険料の値下げとなりますが、今後、都道府県が保険者になり、国の支援の後退、自治体の責任と財政で保険料を決めることになり、値上げにつながることが想定されます。また、介護保険料は値上げ予算となっています。

一、市役所、中央卸売市場第一市場、京都市美術館整備など100億円以上の大型公共事業などがすすめられています。いずれも必要な事業ですが膨れ上がる事業費の見直し、縮減が必要です。投資的経費は、この10年間700億円以下にあったものが、予算では870億円に膨れ上がっています。
 JR梅小路新駅設置への財政支援、新駅から第一市場用地に新設されるホテルまでの歩道橋整備費、南部クリーンセンターバイオガス化施設についても、ごみの分別収集に逆行し、他都市でトラブル続きの施設です。これらはいずれも不要不急の事業であり中止すべきです。
 今後の無駄な公共事業についても改めていません。リニア誘致、堀川通の地下バイパス化事業、北陸新幹線事業についても巨額の地元負担が生じることが明らかであるにも関わらず、何ら示すことなく地質調査を始めるなどの予算になっています。

一、身体障害者リハビリテーションセンター、こころの健康増進センター、児童福祉センターの三施設合築についても予算化されていますが、それぞれの施設の整備と充実こそ必要です。また、市民と直接触れ合う市民窓口についても民営化に向けた検討予算が組まれていますが公的責任の大きな後退です。

一、民泊関連条例が新たに提案されました。3月15日から受付が始まり、6月15日に民泊新法が施行されます。インバウンドを軸とした国と府市の観光政策の下で、宿泊施設が急増し、日々住民とのトラブルを増大させています。「ホテルはまだ足りない」との市長発言は、民泊、ホテルの異常な建設ラッシュを引き起こし、地価高騰を招いています。3000件と推定される違法民泊は野放しのまま、今後さらに大手企業が民泊に本格的に乗り出すなど、事業拡大がすすむだけです。このままでは市民の住環境は守れず、京都のまち壊しがすすむだけです。

一、新たに創設した宿泊税で19億円の増収を見込んでいますが、宿泊税については、1、違法民泊など補足できないもとで税の公平性が確保できない。2、税の累進性に逆行する制度、3、中小零細業者の負担が大きい。4、使い道が無限定との理由で反対です。

一、市長は就任以来、府知事と一体で無駄な大型開発の推進、ホテル、民泊呼び込みなど京都のまち壊しをすすめてきました。4月の京都府知事選挙はくらしを守り、京都のまち壊しをやめさせる極めて大事な政治戦となります。党京都市会議員団は憲法とくらしを守る知事実現に全力をあげる決意です。

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