本共産党京都市会議員団
団長 山中 渡
一、16日、京都市は、焼却灰溶融施設プラント設備工事における履行遅滞による契約解除と損害賠償等を求める住友重工への訴訟において、大阪高裁による和解勧告を受け入れ、11月市会に関連する議案を提出することを発表しました。
一、党議員団は、灰溶融処理は技術的に未完成の施設であり、ランニングコストが自治体財政を圧迫し運転中止に至る自治体が増えていること、本市施設が総事業費175億円、年間運転経費20億円を要するなど、巨額のムダ遣いであることを指摘し、計画当初から事業の中止を強く求めました。
京都市は聞き入れることなく施設設備工事をすすめました。ところが、排水から基準値を大きく超えるダイオキシン類が検出されるなど、試運転直後からトラブルが発生し試運転が繰り返し延期され、その後も重大トラブルが発生し、当初の引渡し期限を過ぎても施設は完成しませんでした。京都市と住友重工の双方がずるずると工期延期を繰り返し、どこまでも灰溶融施設整備にしがみつく姿勢に対し、党議員団は事業をただちに中止し、契約を解除し、市民負担を生じさせない解決を図るよう市長に求めました。
2013年8月5日になってようやく京都市は住友重工に契約解除を通知し、2014年に京都地裁に損害賠償請求等を求めて提訴しました。
一、灰溶融施設の欠陥を認めようとせず整備に固執し、契約解除の判断を遅らせた市長の責任は極めて重大です。市長は契約解除に至った経過とともに、十分な検証もないまま住友重工へ工事発注した業者選定について市民にきちんと説明し、謝罪すべきです。
一方、京都市は東部山間埋立処分地の延命策の中に、溶融施設整備方針を掲げていますが、今回の教訓に学んで、溶融施設整備方針を見直して撤回すべきです。
党議員団は、11月市会において徹底した議論と解明を行うよう強く求めます。