[見解]市美術館モニュメント切断工事の中断にあたって - 見解・声明|日本共産党 京都市会議員団

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日本共産党京都市会議員団
団長  山中 渡
  
一、24日の文化環境委員会での美術館モニュメントの現状保存を求める陳情審査において、切断工法に対する疑問や批判の声が相次ぎ、平竹文化芸術政策監が「少し立ち止まって考えたい。いろんな形で研究し、努力を重ねたい」と述べた。
 これは、切断工事をいったん中断して、モニュメントの保存方法を再検討するという表明であり、モニュメントを保存する上で一歩前進である。切断計画が判明して以降、京都市の文化行政のあり方を問い、市長に「切断するな」と求めてきた市民のみなさんの粘り強い運動の成果である。党市会議員団は抗議声明を発表し、市民の運動と共同して切断方針の撤回を求めてきた。

 一、党市会議員団は、論戦を通じて①モニュメントの持つ価値、美術館収蔵品に対する認識、②移転切断方針の理由とされる「安全対策」「汚染土壌の除去」「震度6の地震で倒壊の恐れ」論の論理的破綻、③富樫氏の意思を尊重する行政の対応、を明らかにするよう求めてきた。
 モニュメントの価値について副館長は「将来においても引き継いでいくべきものである」と認めたうえで「屋外彫刻物を含め、その他の収蔵作品を著しく変形させたことはない」と述べた。作品の切断は美術館の歴史の中で前代未聞である。
 土壌汚染該当箇所は、対策法上も健康被害が生じるおそれのない区域であり、土壌除去の必要がないものである。また、モニュメントの耐震構造の審査と調査報告が市民に知らされず、倒壊の危険性の根拠が明らかでない。市民に理解を求める姿勢が欠如していると言わざるをえない。
 富樫氏は市長に対して「作品の切断に同意しません。耐震対策をして保存してほしい」との文書を提出されている。作品には著作者人格権があり、本人の同意していない切断をすべきではない。制作者の意思を尊重すべきであり、副館長も「それが出発点である」と意思を尊重することを明らかにした。

一、京都市は「移設ありき、切断ありき」の方針を撤回し、専門家の意見や提案を幅広く聞き、モニュメントを保存するよう強く求める。

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