京都市長 門川大作 様
日本共産党京都市会議員団 団長 山中 渡
11月16日、京都市は、新たな橋の工事を2016年11月21日から準備作業を行い、工事に着手するとの内容を明らかにした「都市計画道路北泉通の整備についてのお知らせ」を住民に配布しました。
「工事説明会」として2回開催された「説明会」では、架橋及び道路拡幅について、参加者から反対する意見が相次いで出され、更なる説明と協議を要望する声がくり返し出されました。「ご同意頂けない方がおられるのは事実」(まちづくり委員会)と当局も認めているにも関わらず、工事を強行するという聞く耳持たぬ姿勢は、市民の市政への信頼を大きく損なうものです。
重大なのは、安全性の確保について何ら根拠が示されていないことです。橋りょうを架けるとしている右岸堤防道路は車の離合が困難であるほど極めて狭隘です。当局は橋りょう工事によって堤防道路の交通量が減少すると説明していますが、一方で「実際にどうなるかは検証する必要がある」と述べるなど、極めて曖昧な説明に終始しています。住宅の密集する北泉通の右岸側は、当局の交通予測でも交通量が4倍に増えるとされており、子どもや学生、周辺住民の安全が、今よりもさらに脅かされることになります。
また、左岸側についても北泉通と大原通の交差点で届け出のある事故が5件にものぼり、東大路交差点は危険な変則五差路交差点となっています。通過交通が増大すれば安全性が左岸側でも更に損なわれることは明らかです。
そもそも、現在当局が示している交通量調査は7年前の区役所移転前のものであり推計に過ぎず、環境アセスメントすら実施されていない点からも、住民の安全に対する不安に正面から答えようとしていない姿勢は明らかであり、容認できません。
北泉通の都市計画決定は昭和2年に行われており、多くが田畑であったまちの姿は住宅街へと大きく変容したことは言うまでもありません。住民の不安は、そのまちの長い歴史を経た中から出されているものであり、行政はそれを受けとめるべきです。
日本共産党京都市会議員団は、北泉通橋りょう工事着手を中止するよう、強く求めるものです。