【見解】京都市美術館におけるネーミングライツ(命名権)「決定」の撤回を求める - 見解・声明|日本共産党 京都市会議員団

TOPICS ICON【見解】京都市美術館におけるネーミングライツ(命名権)「決定」の撤回を求める

日本共産党京都市会議員団
団長  山中 渡

一、京都市は、10月6日に京都市美術館のネーミングライツを京セラに「決定」しました。市会委員会や本会議で異論が噴出し、美術館関係者や市民から反対署名や請願、意見書が提出されているにも関わらず、市民の声、議会の批判を押し切ってネーミングライツを強行した市民不在、議会軽視の暴挙です。
 市長は「厳正な審査、本市の責任で決定する」としていますが、「決定」にあたって市長は、美術館関係者や市民の声を聞く場も設けていません。さらに市民の付託を受けた議員による議論も極めて不十分のまま、市長の一存で決めるものであり認められません。  
 そもそもネーミングライツは、「財源確保」のためと称して大切な公有財産を企業の宣伝や儲けに提供するものであるとともに、「50億円、50年」という重大な契約が議会の承認もないまま決定されるものであり、自治体の責務を放棄するものです。

二、京都市美術館における貴重な財産は、3千点を超えるコレクション(所蔵品)です。そのうち8割は市民や京都在住作家、遺族からの寄贈品であり、全国に誇る市美術館80年の歴史そのものです。京セラへのネーミングライツ「決定」を聞いて「企業の名前が付くのなら作品を返してほしい」「美術館への信頼が揺らぎ、今後寄贈が減少するのでは」との声が上がっています。副市長は「(寄贈者には)決定した段階で親切、丁寧に説明する」と開き直り、市民不在の姿勢が浮き彫りになりました。まさに美術館の歴史と財産に対する冒涜と言わざるを得ません。
   
三、今回のネーミングライツ問題は京都市民にとどまらず、全国、世界の人々が注目しています。市長は京都市美術館のネーミングライツ「決定」を撤回し、市民、関係者と向き合い、真摯に協議を行うことを強く求めます。

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