京都市長 門川大作様
日本共産党京都市会議員団
団長 山中 渡
団長 山中 渡
日本共産党京都市会議員団は、京都市が実施する介護予防日常生活支援総合事業(以下、総合事業という)について、市内の訪問介護事業所と通所介護事業所690事業所を対象にアンケートを取り組み、104事業所からの回答を得ました。
「介護報酬が下がり経営が苦しくなっている」「介護労働者に対する評価や賃金が低く、人手不足が深刻な状況になっている」などと切実な実態やご意見が寄せられました。
「経営が厳しくなった」と回答した事業所は80.7%ありました。総合事業について、48.0%の事業所が「詳しく知らない」及び「知らない」と回答しており、総合事業への参入も「検討中」と回答した事業所は59.6%ありました。すでに「参入しない」と決めている事業者が10.5%あり、利用者の約4分の1が要支援者であることから、要支援の方々の訪問介護及び通所介護の受け入れ枠が狭くなる可能性があります。無資格者による『支え合い型ヘルプサービス』の家事援助やボランティア等による対応など多様なサービスを展開するという市の方針には、「介護の専門性の後退につながる」と事業所の多くから懸念の声が寄せられています。
2017年4月から開始される総合事業において、訪問介護の生活援助(家事)の報酬及び、通所介護の半日型の報酬が8割程度になります。このまま実施されることになると、介護を悪化させない予防効果への取り組みが、大きく後退することになります。
介護事業所の運営を困難にする報酬提案は取りやめ、収益が悪化しないよう保障することが求められます。
介護保険サービスの縮小と自治体による総合事業は、自治体間格差を生み、介護保険制度のそのものの根幹を揺るがすものです。京都市は保険者として、制度の後退を許さず、自治体独自の努力を行うことが求められます。これらのことを踏まえ、以下のことを要望します。
<要望項目>
1.介護報酬の引き下げを撤回し、引き上げるよう国に要望すること。
2.市独自の制度として報酬単価の上乗せを行うこと。
3.処遇改善交付金の創設で介護労働者の処遇改善を図るように国に要望し、市の独自制度を創設すること。
4.総合事業については、利用者へのサービスの低下が起きないように、現行の介護予防給付と同様の報酬とすること。
5.京都市独自に事業所と利用者の実態調査を行うこと。
以 上