[声明]11月定例市会を終えて - 見解・声明|日本共産党 京都市会議員団

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一、本日、11月定例会は、市長提案の50議案を可決し、閉会しました。党議員団は、市長提案のうち、市バス・地下鉄運賃値上げ条例議案と独法化に伴う京都市産業技術研究所の中期目標の策定についての条例議案など13議案に反対し、一般会計補正予算など37議案には賛成しました。
 空き家の活用と適正管理に関する条例案について、党議員団は、空き家の活用と発生予防は、地域コミュニティの活性化や危険家屋対策として有効性は認めるものの、流通や跡地活用の促進は土地転がしや地上げにつながる懸念や財産権の侵害にもつながる恐れがあり、修正案を提出して慎重に対応するよう強く求めました。修正案は他会派の同意が得られず、党議員団は原案に賛成しました。
 自民、民主・都みらい、公明、無所属の二人はすべての議案に賛成し、京都党は一般会計補正予算など3件に反対しました。また、党議員団以外の会派は56団体が提出した「消費税増税の4月実施中止を求める」請願を不採択にしました。党議員団は「京都市の地域経済、市民生活、市財政にも深刻な打撃を与える」ものとして、増税中止を求め、不採択に反対し討論しました。

一、本市会は、臨時国会で衆院において特定秘密保護法が強行採決される中で開会し、市会会期中に参院においても強行採決され成立するという異常かつ緊迫した国会情勢の下で開かれました。本会議質問で、「国民の目、耳、口をふさぎ、民主主義の根幹を崩す法である」との認識があるか、と質問しましたが、市長は答弁に立たず、局長が「秘密保護と国民の知る権利が両立できる制度が必要」と秘密保護法を認める答弁をおこないました。
 党議員団は、連日の廃案を求める宣伝活動、集会やデモの先頭に立ち、奮闘しました。その上で閉会本会議には「秘密保護法の撤廃を求める」決議を提案し、提案説明で違憲立法を指摘し強行採決を厳しく糾弾し、撤廃するために全力をあげる決意を表明しました。自民、民主・都みらい、公明、京都党と無所属の二人は、この決議案に反対しました。
 また、本会議質問では、社会保障解体が進む中で、国に対して「危機に瀕している介護保険制度を再建するために公費負担の引き上げ、制度改悪案の撤回」「生存権保障の立場で生活保護費削減に反対、保護申請のハードルを上げる生活保護法の改悪反対」の声を上げることを求めました。市民の切実な声にも市長は答弁に立たず、保健福祉局長が「社会保障審議会で制度の持続確保のための議論が行なわれている」と答弁し、社会保障解体の流れを容認しました。合併から10年、京北地域のまちづくりへの行政支援を求めました。

一、今議会では、安倍内閣の来年4月の消費税増税実施方針を受けて、市長は消費税増税分を市バス・地下鉄運賃に転嫁する値上げ提案をおこないました。党議員団は、市長に提案の中止を求める申し入れと議案質問をおこない、消費税増税についての市長の認識をただすとともに、「公営企業は消費税の適用除外にするよう国に求めるとともに、運賃値上げをやめるよう」求めました。市長は消費税増税を当然視する答弁に終始し、財政担当の理事者は「公営企業であることで適用除外することは、税の主旨に沿わない」と開き直りました。さらに、委員会審議で明らかになった問題点をふまえ、値上げすべきでないとして、議案の継続審議と市長への総括質疑の実施を求め、閉会本会議で動議を提出し徹底審議を求めましたが、他会派と無所属議員は反対し、値上げ条例を可決しました。
 また、「敬老乗車証制度の今後のあり方に関する基本的な考え方」が発表され、「利用頻度に応じた応益負担」制度の導入が明らかになる中で、「乗れば乗るほど負担が増え、敬老乗車証の精神からの逸脱であり、応益負担化の撤回」を強く求めました。党議員団は、議会論戦とともに年金者組合、市民の足を守る会などと共同し、「市内全行政区でのキャラバン宣伝」、市役所前昼休み集会を取り組み、市民団体から4545名の要望署名が市長に提出されました。

一、総額41億4100万円の補正予算が計上されました。台風18号被害に対する第二弾の復旧支援と農林災害復旧予算が提案され、農林災害は国の激甚災害指定を受け、国庫補助のかさ上げに加え本市独自の上乗せによる地元負担の軽減と、指定外の地域における本市独自の地元負担軽減が図られることになりました。党議員団は、その措置を評価しつつ、さらなる負担軽減策と林道復旧支援などを求めました。
 小栗栖排水機場周辺浸水被害に関して、被害者への損害賠償交渉は速やかに基準を策定し住民に示し、全庁的な応援体制で臨み、交渉チームは全員市職員であたること。排水機場の管理のあり方については、現在の委託方式ではなく他都市と同様に直営を基本とし、職員の増員を図るよう求めました。対策の一環として、集中監視システムの設計費が計上されました。
 防災情報発信機能の強化については、防災ポータルサイトの視認性向上とサーバー強化、一人暮らしの災害時要援護者への災害情報提供システムの構築が提案されました。
 浸水被害が多く発生した梅津都市下水路周辺地域においては、水路や側溝などの現状把握と能力の調査をおこない、抜本的な浸水対策の検討と立案するとの答弁がありました。
 国の景気対策として元気臨時交付金(第二次分)を活用した学校施設の維持修繕と整備の予算が補正され、地元企業や業者に優先して発注し、地域経済の循環に活用するよう求めました。また、保育所待機児童対策として改修費助成が行われる「グループ型小規模保育」に補正予算がついたものの、待機児童対策は本来認可保育園で対応すべきものと指摘しました。

一、意見書・決議に関しては、党議員団は他会派との共同を含め、5件を提案し、6件に賛成、5件に反対しました。
 「ウイルス性肝炎・肝硬変・肝がんの患者に対する医療費助成の拡充を求める」意見書が全会派の共同提案で可決され、「出生届の記載事項から嫡出子・嫡出でない子の別を削除すること求める」「公共工事の入札不調を解消する環境整備を求める」意見書は党議員団も賛成し可決されました。中国の一方的な防空識別圏設定に対して党議員団は、国会で全会一致可決された決議に基づき「中国による防空識別圏設定に抗議し撤回を求める意見書」を提案しましたが、自民、民主・都みらい、公明、京都党、無所属議員は反対し、否決しました。一方でこれらの党は、軍事的対応に道を開く「あらゆる措置を講じること」を求める「中国による防空識別圏の設定の即時撤回を求める意見書」を可決しました。焼却灰溶融施設の契約解除について党議員団は、経過と市長責任を明確にし、住友重工に損害賠償請求に応じることを求める「焼却灰溶融施設の契約解除に関する決議」を提案しましたが、自民、民主・都みらい、公明、京都党、無所属議員はこれを否決し、市長責任を不問に付した決議を可決しました。

一、秘密保護法が強行採決により可決成立した後に内閣支持率は一気に下落し、昨年12月の第二次安倍内閣発足以来初めて5割を割り込みました。強行採決を繰り返して退陣に追い込まれた第一次安倍内閣と同様の道を歩み始めています。まさに「終わりの始まり」です。来春4月には京都府知事選挙がおこなわれ、暴走を強める安倍内閣への府民的審判を下す絶好のチャンスです。国の米軍Xバンドレーダー基地設置、消費税増税路線を容認する現山田府政を転換し、府民が主人公、府民の生活を守り、いのち輝く府政実現めざして尾崎望さんを先頭に全力で奮闘します。

以上

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