[声明]9月定例市会を終えて - 見解・声明|日本共産党 京都市会議員団

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一、本日、9月定例市会が市長提案の97議案を可決し閉会しました。
 党議員団は、予算・決算特別委員会に付託された30件のうち、一般会計補正予算、追加補正予算、高速鉄道事業決算など24議案に賛成、認定しました。
 決算審議をおこなった2012年度は門川市長二期目のスタートであるとともに、門川マニフェストを具体化した「京プラン」実施計画の初年度でした。「京プラン」は「財政赤字」を強調し、行政責任を棚上げし、その負担を市民と職員に押し付けるものです。「持続可能な財政の確立を」と言いながら、市民生活は持続どころか破壊されてしまいます。
 一般会計決算は4年連続の黒字で当該年度も5億円の単年度黒字となりました。一般財源収入は66億円も減収になりながら、総人件費の削減(12億円)や市民に痛みと負担を押し付けた社会福祉経費をふくむ消費的経費削減(28億円)など行財政改革で乗り切るという「つくられた黒字」であることを指摘し、認定しませんでした。
 また、単年度27億円の黒字にもかかわらず保険料の値下げを拒否し、1844件にも及ぶ差し押さえを行った国民健康保険特別会計決算、「管理の受委託」をいっそう進め、若年嘱託制度を継続する自動車運送事業特別会計決算含めて6議案は認定しませんでした。自民、民主・都みらい、公明、京都党および無所属議員は市長提案の決算議案すべてを認定しました。
 常任委員会に付託された63議案に対し党議員団は、公の施設の指定管理者の指定の手続き等に関する条例の一部改正、国保、介護保険、後期高齢者医療における保険料の延滞金割合を市税と同様にする条例の一部改正など4議案に反対しました。

一、党議員団は、「京プラン」実施計画に示された敬老乗車証制度の改悪方針など市長の姿勢を厳しく追及し、撤回を求めました。
 実施計画で制度見直しが明記され、9月市会で示された「乗るたびに一定額の負担を求める応益負担」導入など敬老乗車証の改悪案について、市民団体と「敬老乗車証を守ろう!市民集会」を170人の参加で成功させ、議員団独自にアンケート調査を実施し、調査結果をまとめ、高齢者の福祉と社会参加に寄与するとした制度の趣旨に立ち返るよう求めました。
 また、社会保障制度改革推進法に基づくプログラム法案など市民にも膨大な影響を及ぼす国の構造改革路線に反対するよう求めました。市長は「持続可能な制度が必要。自助、共助、公助の組み合わせが大切」と述べるなど、住民の福祉を増進する自治体の責任を放棄する姿勢を示しました。
 台風18号被害対応における現場での職員の奮闘の一方で、特別警報が出された下で京都市防災対策会議の開催が発表から7時間後となった市長の責任をはじめ、京北地域の被害把握の遅れや、小栗栖排水機場ポンプ停止にみられる人員削減と民間委託による公的責任の後退について追及し、職員数と総人件費の削減計画の中止と業務の直営堅持を求めました。市長は「民間でできるものは民間で。公務労働でなければという奢った考えは改めるべき。人件費削減で財政赤字を黒字にできた」と無反省と居直りの答弁を繰り返しました。
 国民健康保険会計は、5年連続で黒字決算でありながら「累積赤字があるから保険料の値下げはできない」と高止まりのままです。市民の命と暮らしを守ることより財政の赤字解消を優先する姿勢がはっきりしました。生活保護問題では、国に保護費削減計画の撤回を求めず、保護世帯の暮らしの実態の指摘に対して副市長は「稼働世帯の急増に対して就労による自立の支援が必要」とすり替え、削減による影響を把握しようとしない姿勢が明らかになりました。
 保育制度の堅持を求めましたが、京都市の保育水準を守るとの表明はなく、プール制改悪の影響についても保育園に責任転嫁する答弁がありました。教育問題では少人数教育の拡充に背を向け、教育予算削減が続き、「壊れたトイレの放置」など必要な学校施設整備が遅れたままになっています。

一、党議員団は、市民の声や要望に応えて、命とくらしを守るために奮闘しました。
 初の大雨特別警報が発表された9月15日、16日の台風18号被害に対して、党議員団はただちに 200か所を越える被災地を訪問し、実態調査と要望を聞きとり、市長に3次にわたる申し入れをおこない、「すべての被災者と被害に速やかな対応を」と求めるなど災害対策にあたりました。今市会の冒頭では緊急に台風対策の追加補正が提案され、議員報酬1割カット分を補正予算の財源にあてる修正案を各会派と共同で提案し、ともに可決されました。被害の中でも、小栗栖排水機場ポンプ停止による浸水被害は人災であり、市の責任が問われています。第三者委員会待ちにならずに、早急に被害者の生活補償をおこなうことが必要です。
 トラブルと事故を繰り返してきた焼却灰溶融施設について、事業の中止と契約解除を一貫して求め、遂に市長は住友重工との契約解除に踏み切りました。粘り強い市民の運動と党議員団の共同の成果です。今議会においても、稼働に固執し解除の判断を遅らせた市長の責任を追及するとともに、すべての損害を住友重工に求めるよう質しました。
 党議員団は、中小企業振興条例や公契約条例の一刻も早い制定を求め、京都経済の主役である中小企業、地場産業の全体を底上げする支援策、地域循環型の地域経済への転換を求めましたが、副市長は「各界の意見を聞いて検討を深める」にとどまりました。
 また、雇用の改善と賃上げによる所得の引き上げで担税力を強化し、市税増収につなげるよう求め、市長も「不本意非正規雇用から正規雇用への転換が必要。民間企業に正規雇用を増やし、給与の増額をお願いした」と認めざるをえませんでした。
 屋外広告物対策では、来年8月実施ありきではなく、市民と業者に丁寧に説明し、合意形成に努めるよう強く求めました。
 また、5年に及ぶ柊野・西賀茂北部にバスを走らせる運動が実って、来年3月の市バスダイヤ改正にあわせて、バス路線が延長されることが明らかになりました。党議員団は一貫して運動を励まし、議会でも路線延長を求めてきました。路線の縮小が続く中で画期的な成果です。 
 これまで要綱等で開催されていた審議会等について、党議員団は地方自治法違反状態からの是正を求めてきました。今回地方自治法の規定により条例に定める付属機関として位置付ける条例改正がおこなわれました。「教員指導力判定委員会」など必要性がない審議会等も含まれており、さらに精査する必要があります。

一、全国唯一稼働していた大飯原発が9月に停止し、再び「原発ゼロ」となっても電気は十分に足りています。党議員団は、第二の原発事故ともいえる放射能汚染水事故を目の当たりにして、「今こそ原発ゼロを決断し、自然エネルギーの飛躍的拡大を」と求めました。市長は「中長期的には脱原発依存、短期的には必要性・安全性・住民理解を求める」と従来の答弁に終始し、「原発ゼロ」に背を向け、再稼働を容認しています。党議員団は、小水力発電や太陽光発電など地域分散型の再生可能エネルギーの活用を具体的に提案し、論戦をリードしました。
 4月からの消費税増税実施を前に、「市民の暮らしと営業を直撃して、いっそうの景気悪化を招き、財政危機をかえって深刻にする」と指摘し、政府に増税実施中止の声を上げるよう求めました。また、消費税増税が市バス・地下鉄運賃や上下水道料金へ上乗せされると、10%で100億円近い負担となり、消費税の適用除外を求めるよう迫りましたが、市長は「三党が合意し、国会で議論を重ねた法律が実施目前の段階。人気取りのことだけ言っていたら大変なことになる」と強弁しました。また党議員団は、老朽管更新を理由にした10月からの水道料金値上げを撤回するよう求めました。
 TPPに関して、政府の「重要5項目は守る」のごまかしを暴露し、TPP協議からの撤退を求めました。
 関西広域連合は設立当初の「国の権限移譲の受け皿になる」との約束に反して、政治的発言を繰り返し、「オスプレイの日米共同訓練を受け入れるよう」「道州制を憲法に明記するよう、憲法の改定を視野に入れる」などを申し入れています。憲法遵守を義務づけられている首長が憲法改定を求めることは問題であると追及し、撤回を求めましたが、市長は「憲法の議論をして何が悪い」と開き直りました。
 また、党国会議員団によるブラック企業規制法の提案を基に、本市でも実効力のある対策を求めました。また、安倍政権が閣議決定し臨時国会に提出しようとする「特定秘密保護法案」について、国民の「知る権利」を侵害し、戦争への準備を進めるものであり、国会提出の不当性を指摘しました。

一、意見書・決議では、「地方税財源の充実確保に関する意見書」「公共事業における国産材の活用を求める意見書」「鳥獣被害防止対策の充実を求める意見書」が全会派一致で採択されました。党議員団は「福島原発の汚染水対策の強化と福島再生への取り組みを求める意見書」を民主・都みらい、無所属議員と共同で、「高校授業料無償化制度への所得制限の導入に反対する意見書」を民主・都みらいと共同で提案しましたが、否決されました。
 さらに、保育の市場化と保育に対する国や自治体の公的責任を後退させる「認定子ども園の認定権限等の移譲を求める意見書」、消費税増税の中止を求めず、適正な転嫁を求めるのみの「地域の中小企業へ更なる支援を求める意見書」、ブラック企業規制を明記せず、限定正社員などを提案する「若い世代が安心して就労することができる環境等の整備を求める意見書」、コスト優先で安全おざなりの東電任せをやめ国の責任で汚染水問題を解決するよう求めて「福島原発の汚染水対策の強化を求める意見書」に対して討論し、党の見解と政策を示しました。

一、党議員団は、市民生活と自治体壊しの大本にある「京プラン」実施計画の撤回を求めて全力をあげます。さらに倉林明子参議院議員はじめ国会議員団とも連携し、ブラック企業規制法の制定、4月の消費税増税実施の中止、秘密保護法案の阻止など国政要求実現をめざして奮闘します。また来春に迫った京都府知事選挙において、府民が主人公の府政実現へむけて府市民のみなさんと力をあわせて全力で奮闘する決意です。

以 上

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