日本共産党京都市会議員団
一、本日、5月定例会が閉会しました。一般会計補正予算、雇用対策事業特別会計補正予算、国民健康保険事業特別会計の繰上げ充用など市長提案の28議案、議員提案の交通安全基本条例が可決されました。
日本共産党市会議員団は、道州制移行に向けて加速する関西広域連合の議会議員の定数を変更する規約変更に関する協議、個人資産を投資に誘導させる市税条例の一部改正、洛西ふれあいの里保養研修センター廃止条例、教育委員と監査委員の人事案件3件の、計6議案には反対し、他の議案には賛成しました。自民、民主・都みらい、公明、京都の各会派と無所属議員は、全ての議案に賛成しました。
一、党議員団は本会議質問で、原発の即時停止を求め、規制委員会の新基準は「新たな安全神話づくり」であるとの認識があるかと、市長に質しました。市長は「万が一事故が起きた場合でも被害を最小化し、国民の命と健康を守ることを目的にしたもの」と、新基準容認の姿勢を示し、新基準を口実にして、再稼働中止を求める立場に立ちませんでした。
水道料金の値上げや消費税増税など暮らしの負担増と京都経済再生に対する市長の政治姿勢を正面から質しました。円安による原材料の仕入れ価格の上昇により、中小企業や商店も深刻な状況が続いている中で、来年4月に消費税増税が実施されれば、市民生活と営業はいっそう厳しくなり、京都市の税収も落ち込むことは明らかであることを指摘し、市長の姿勢を質しました。市長は答弁にたたず、理事者が「社会保障制度の安定財源をめざすもの。引き上げの実施は、本年秋に国が総合的に勘案して判断する」と消費税増税を容認し、市民生活や中小企業の実態を省みない従来の答弁を繰り返しました。また、水道料金の値上げに関しては、「市民に周知をおこない、円滑に責任をもって実施する」と強弁しました。
自民、民主・都みらい、公明は代表質問で、これらの問題に一言も触れませんでした。
一、今議会に市長は、関西広域連合議会議員の定数を増やすための、広域連合規約の変更に関する協議をおこなう議案を提出しました。党議員団は、関西広域連合が総選挙の結果を受けて「道州制のあり方研究会」をたちあげ、急速に道州制に向けて加速し、国に「憲法を改定して道州制を明記するよう」求める要望書を提出していることを論戦で暴露し、関西広域連合の問題点を指摘しました。その上で、今回の規約改正による定員増の目的が「国の地方分権の推進や国の出先機関の移管実現に向けての体制づくり」としており、道州制を視野に入れて鳥取や徳島県を国出先管轄地域外として1名ずつ削減していることが明らかになり、党議員団は規約改正に反対しました。
また、洛西ふれあいの里保養研修センターを廃止する条例が提案されました。同センターは高齢者や障害者が利用しやすいように、バリアフリーで低廉な料金に設定されたものです。党議員団は、廃止提案の撤回を求めました。現地調査と聞き取りをおこない、利用者や住民から寄せられた存続を求める要望や陳情・請願をもとに、議会でも取り上げて廃止しないよう強く求め、議案に反対しましたが、与党会派と無所属の賛成多数で可決されました。
国の緊急経済対策を活用した「起業支援型地域雇用創出事業」は、地域産業の振興策として、雇用創出に資する企業やNPOに事業を委託し、正規雇用として継続雇用すれば一時金を支給する方式であり、賛成した上で、今後もフォローするように求めました。
市営住宅の住宅変更制度には、身体に関する規定しかないため、精神に関する規定を入れるように求め、「検討する」との答弁がありました。
一、高すぎる国民健康保険料は負担の限界を越えており、保険料の引き下げは市民の切実な願いです。2012年度の決算は24億円の黒字となり、5年連続の黒字となりました。これで累積赤字は13億円と一気に縮減されました。同時に滞納保険料の徴収強化は激しくなり、2011年度の差し押さえは、1,639件と4年前の4倍以上に増加し、学資保険の差し押さえも43件と引き続き増加しています。党議員団は、保険料の引き下げと差し押さえの中止、資格証明書の発行をやめるよう求め、国の財政責任を曖昧にする国保の広域化に反対の意見を表明しました。
また、党議員団は、風疹患者が2012年夏以来、今年も昨年以上のペースで増えているなかで、希望する全ての人が自己負担なしで予防接種を受けられるよう、早期に公費助成をおこなうことを申し入れました。
一、会期中におこなわれた、維新の会共同代表・橋下大阪市長による従軍「慰安婦」容認発言および米軍幹部に対する発言に対して、国内外の抗議と世論が広がる中、超党派の京都市会女性議員有志による抗議の意見表明がおこなわれ、自民、共産、民主・都みらい、公明、無所属1名の共同提案で抗議決議が可決されました。また「一般用医薬品販売制度に関する」意見書が可決され、「介護保険制度における介護保険範囲の改定に関する」意見書には問題点を指摘したうえで賛成し、可決されました。
また、国による地方公務員給与7・8%削減の圧力に対して、党議員団は「地方交付税の役割を否定し、人勧制度のルールを無視し、職員の生活に大打撃になり、民間労働者や地域経済に悪影響を与えるもの」として反対と撤回を求める意見書を提案し、与党会派による「市長の職員削減と給与カットの行財政改革」を実績として評価し、国には撤回を求めない意見書に反対しました。
一、任期半ばに、正副議長と監査委員が辞任しました。自民、民主・都みらい、公明の三会派は、京都、無所属議員が賛成するもとで、たらい回しによる、議会三役の独占を強行しました。市会第二党の日本共産党を三役人事から排除する、民意を踏みにじる議会役職人事に強く抗議するものです。
今議会に動物愛護センター調査の海外行政視察が提案され、自民、民主・都みらいに加え、公明が参加することになりました。党議員団は、海外調査の必要性がない、として反対しました。
一、政治の表層で一時的に逆流が激しくても、「アメリカいいなり」「財界中心」と「歴史逆行」のゆがみという古い自民党型政治の矛盾が深部では蓄積し、危機をいっそう深刻なものとしていきます。危機と矛盾が深まれば、国民の怒りも大きくなります。日本共産党議員団は、あらゆる問題で一点共闘の可能性を追求し、三つのゆがみを正すたたかいと運動の先頭にたって奮闘し、来るべき参議院選挙において、「自共対決」に打ち勝ち、必ず前進するために全力をあげます。