京都市長 門川大作様
日本共産党京都市会議員団
5月市会定例会に、洛西ふれあいの里保養研修センターの廃止が提案されようとしています。
党議員団は、この提案は全く無謀であり、撤回することを強く求めるものです。
一、今回の提案では、事業を継続する必要性が低下しているとしていますが、バリアフリーで低廉な利用料の同施設は高齢者や障害者、地元住民などに広く利用されています。また、介護従事者の人材育成などが行われており、高齢化社会の進展の下、その役割は一層重要さを増しています。
一、廃止方針に至る手続きと市民合意のあり方についても極めて問題です。
洛西ふれあいの里条例の総則には「多くの市民とのふれあいを通して,障害者の福祉の増進、高齢者の保養及び健康の保持並びに社会福祉に関する市民の活動の促進を図る」と謳われています。しかし、「洛西ふれあいの里保養研修センターのあり方検討委員会」には地元・老人クラブ代表などが委員として出席されていましたが、障害者代表は選定されていませんでした。
同施設のあり方についての「市の基本方針案」が3月13日に示され、市民意見募集結果の議会報告と廃止方針発表が同時に行われたのが4月24日と、結論に至るまでの期間があまりにも短かすぎます。また、市民意見募集で寄せられた市民意見は、施設存続を求める意見が大半となっていますが、市民の意見は反映されず、廃止提案は拙速かつ合意なきまま行われました。加えて、指定管理者に対して指定管理期間の途中での事業廃止という異例の措置がとられようとしています。
一、採算性を廃止の理由にしていますが、同センターは高齢者や障害者が利用しやすい施設とすることを目的とされており、不採算を廃止の理由にすることは施設の設置目的にそぐわないものです。
同施設は他の民間施設が取って代わることができない施設です。宿泊機能は、同施設のようにバリアフリーの客室設備が複数設置されている民間施設はほとんどなく、あったとしても利用料が高く、利用しにくい現状があります。介護機器の展示や介護研修については長寿すこやかセンターへの移転とされていますが、多数の介護機器の展示や介護ベッド等を使った実技研修が行なえる場所が確保されるとは考えられず、現状の規模・役割が果たせるかは疑問です。地元をはじめ住民の生きがい・健康づくりについては代替機能の確保を検討するといいますが、健康増進室事業は廃止され、代替施設で実施される保障はなく、民間になれば利用料の負担増などで利用しにくくなることは否めません。こういう状況でも「はばたけ未来へ!京(みやこ)プラン」実施計画どおりに実施しようとする市の姿勢は、あまりにも一方的であり、拙速です。
党議員団は今回の洛西ふれあいの里保養研修センターの廃止提案は撤回し、同施設を存続するよう求めるものです。