日本共産党京都市会議員団
1.本日、9月定例市会が市長提案の55議案を可決し閉会しました。
党議員団は、予算・決算特別委員会に付託された26件のうち、一般会計補正予算、京都水道事業決算など19議案に賛成、認定しました。
2年連続で7億円の単年度黒字となった一般会計決算については、「未来まちづくりプラン」の最終年度であるとともに「京プラン」の初年度であり、財政有識者会議の「財政健全化至上主義」の方針による「社会福祉抑制」策による市民に痛みと負担を押し付けた上で、「つくられた黒字」であり、認定しませんでした。また、単年度27億円の黒字にもかかわらず3年連続の保険料を値上げした国民健康保険特別会計決算、「管理の受委託」をいっそう進めている自動車運送業特別会計決算含めて六議案は認定しませんでした。自民、民主・都みらい、公明、京都党、みんなの党・無所属の会は市長提案の議案すべてを認定しました。
常任委員会に付託された27議案に対し党議員団は、65歳以上の3万6千人の市民に6億5千万円の増税となる「京都市市税条例の改正」、地区計画という手法で新景観政策に京都市自らが穴を開ける「京都市地区計画の区域内における建築物等の制限に関する条例の改正」、第一ホールの全面解体を前提とする「京都会館再整備工事請負契約の締結」など9議案に反対しました。
1.党議員団は、市民の声や要望に応えて、命とくらしを守る予算を拡充させるために奮闘しました。申請が殺到したため追加募集を行うために補正する「京町家・木造住宅の耐震改修に係る支援事業」、総点検して明らかになった改善に必要な箇所全てを年度内に実施するために補正する「通学路の安全対策」などの補正予算が成立しました。党議員団は、審議にあたって議員報酬1割カット分を補正予算の財源にあてる修正案を各会派と共同で提案しました。
7・8月に発生した集中豪雨に対する「道路・河川などの災害復旧事業」、長年の要望であった「ポリオ予防接種に不活化ワクチン導入」の予算が補正されました。また、小水力発電や太陽光発電など地域分散型の再生可能エネルギーの活用を具体的に提案し、論戦の先頭に立ちました。中小企業振興条例や公契約条例の一刻も早い制定で、地域循環型の地域経済への転換を求めました。
市バス事業について「管理の受委託」の継続は、民営化に道を開き人件費の切り下げをすすめ、安全運送に責任をもてない事を指摘、交通不便地域への路線の継続、延長を求めました。地下鉄事業全般に対する国の補助制度の抜本的改善、上下水道事業の老朽管改善など国補助制度の改善で料金値上げを招かないよう求めました。
1.8月に消費税大増税と国の責任を投げ捨てる社会保障制度改革推進法が成立しましたが、「一体改革はようやくここまで来た。大きな流れとして歓迎したい」(副市長)と迎合し、持ち上げています。今年3月に策定された「京プラン・実施計画」は、その社会保障制度改悪をそのまま持ち込み、市民生活破壊と自治体の役割を変質させるものであることが、論戦を通じて明らかになりました。
国保会計は、「保険料の負担は限界を超えている」と認めながら、決算年度の値上げに「累積赤字があるから値下げはできない」と開きなおり、市民の命を守ることより財政の赤字解消を優先する姿勢がはっきりしました。生活保護問題では捕捉率は30%と極めて低く、不正受給を口実にした抑制策で「必要な人が必要な保護」を受けられない実態を批判し、改善を求めました。ところが適正化推進担当の職員を「必要な人が必要な保護をうける」ためのセーフティネットとしての役割ではなく、不正受給対策と債権回収のために配置しています。保育では「プール制」の補助金削減の継続、産休・病休代替制度の廃止がおこなわれ、教育では学校運営費の2割削減が続き、水道代の節約のためプールの水位の調整もままならず、子どもの安全すら守られない事態となっています。
65歳以上の府市民税軽減措置に続いて、市民税所得割非課税の世帯の均等割全部免除措置も「京都市だけの制度になった」ことを理由に廃止しようとしています。
その一方で、動かせば20年間で560億円になる、無駄づかいの象徴である焼却灰溶融施設に固執しています。事故やトラブルを繰り返し、完成から3年が経つというのに本格稼働できない欠陥施設は、直ちに契約を解除すべきです。
1.「原発ゼロ」を求める国民世論が高まる中、市民と企業の節電努力もあり、今年の夏は「電力不足」どころか大飯原発が再稼働しなくても、電力が足りていたことが明らかになりました。党市会議員団は、稼働中の大飯原発の即時停止を求めましたが、市長は「中長期的には脱原発依存、短期的には必要性・安全性・住民理解を求める」と従来の答弁に終始し、「原発ゼロ」に背を向け、再稼働を容認しています。議会中に発表された国による放射性物質の拡散シミュレーションの試算結果、大飯原発から南方向へ、実効線量が7日間で100ミリシーベルトに達する最長地点が30キロを超え、本市域に及んでいることが示されました。本市の地域防災計画・原子力災害対策編の早急な見直しが必要です。
TPP参加に関して、医療では「混合診療解禁の懸念がある。国民皆保険制度を堅持する視点が重要」(副市長)としつつも、農業ではコメへの深刻な影響は認めながら、「野菜はあまり影響ない」(同)と無責任な認識を示しました。
島津地区では、地区計画を使った高さ規制の緩和をおこない新景観政策に市自らが穴をあけたことや、京都会館でのイコモスなどの意見を無視して解体を強行したことを厳しく批判し、京都会館の建物価値を継承した計画に見直すよう求めました。
1.意見書・決議では、「沖縄県での米軍人による女性暴行致傷事件に関する」決議、「B型・C型肝炎ウイルス患者の救済に関する」意見書、「脱法ドラッグとりわけ脱法ハーブに対する早急な規制強化等を求める」意見書などが全会派一致で可決され、「衆議院の早期解散に関する決議」は民主・都みらい、京都が反対しましたが可決されました。党議員団が提案した「大飯原発の稼働停止を求める」意見書は、自民、民主・都みらい、公明、京都、みんな・無所属が反対し否決されました。消費税の増税を肯定する「税制全体の抜本改革の確実な実施を求める」意見書、物理的軍事的対応を強める「我が国の領土・主権の護持等に関する」意見書に党議員団は反対し、討論で党の見解を表明しました。
1.党議員団は、さらなる福祉の切り捨て、市民負担の押し付けになる「京プラン・実施計画」の撤回を求めて全力をあげます。さらに民主党政権は、三年前のマニフェストを次々と裏切り、「やらない」と言った消費税増税を国民の反対を押し切って強行しました。速やかな解散総選挙で国民の真を問うべきです。日本共産党の「経済提言」、「外交ビジョン」、「尖閣問題の提言」、「原発即時ゼロの提言」は、党派を超えて一点共同や共感が広がることは、最終本会議の討論でも浮き彫りになりました。党議員団は、財界中心、アメリカ言いなりの政治を転換し、国民が主人公の日本の政治の実現に向けて全力で奮闘する決意です。